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2015.11.16
最終戦の定例記者会見で坂東GTA代表が今季を振り返る

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 SUPER GTを統括するGTアソシエイション(GTA)では、シリーズ開催に合わせ、毎戦サーキットで記者会見を開催し、取材記者からの質問を受け付け、各種の告知を行っている。最終戦のツインリンクもてぎでは11月14日、予選日の昼に行われ、記者陣からの質問に坂東正明GTA代表が答えた。


 最終戦と言うことで、2015年シーズンを振り返っての見解を求められた。坂東代表は、まず2年目を迎えたGT500クラスの技術規定について語った。「DTMと統一の技術規定“クラスワン”である日産、レクサスの車両とJAF-GT500規定のHondaの車両、それぞれに開発が進み(昨年以上の)性能向上を果たしている」と今季GT500車両について概ね良好であるとしたが、一方でウェイトハンディ制において燃料流量リストリクターによるウェイトハンディ50kg分の置き換えが、シーズン終盤のサーキットにおいて数kgの差で有利不利に繋がったと言われる件に言及し、「(この仕組みは)一定の効力を果たしているが、この辺においても、来年はより適切になるよう考えたい」と来季への課題になっていると答えた。

 また前戦オートポリスの定例記者会見でも話題となったドイツのDTMとの統一技術規則“クラスワン”の進展については、「(ドイツの)個々のメーカーがどうのではなく、我々のスタンス、DTM側のスタンスとすりあわせて発表できるようにしたい」と、現在も交渉を進めているとした。

 GT300クラスでは、今季にアップデートが行われた日産GT-Rが抜き出る形になったが、これは車体だけでなく、チームやタイヤの努力も結果になっているとし、欧州のFIA GT3車両で行われるブランパン耐久シリーズのSROによるBoP(性能調整)が概ね適切に機能していたと総評した。今季から本格参戦したGTAによるマザーシャシーについては「振動など車体側のトラブルがいくつか出た」として、国内外から購入のオファーはあったものの、現状では現在SUPER GTで参戦する台数に留め、来季は車体の改善に努めていくとした。

 続いて、海外のレースに関して。タイ戦の今後について問われると「ブリーラム(チャン・インターナショナル・サーキット)とは来年から2年間の契約を結んだ。発表の通り、10月の開催になる」と答えるとともに、マレーシア・ジョホールバルの新設コースや他にもタイや周辺から話しが来ていることも明かした。
 

 先月に発表されたFIA GT3車両を使った欧州の新しい耐久レース「GT3ル・マン・カップ」に関しても質問が出た。この耐久レースは、ル・マン24時間を主催するACOによるもので、現在行われている「ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)」のサポートレースとして、2016年から行われるものだ。GT300クラスでも主流となってきたFIA GT3車両を使用し、レースフォーマットもSUPER GTに近い。坂東代表は「欧州で行う耐久レースのひとつの形になるものかも知れない。だが、先にル・マン24時間が見える(参戦できる)ものではないし、タイヤがワンメイクであるなど、我々のスタイルとは違う部分も多い」と回答し、すぐに何かのアクションを起こすことはないようだ。
 

 先のGT500クラスの技術規定に関わる回答に追加するように「来季のGT500において性能を抑制する案が出ているそうだが?」との問いもあった。坂東代表は「来年のGT500では空力開発を凍結する考えだ。それと今は観客の見えないところの開発が速さにつながっていく。これはとても分かりにくい。その面では“見えるところ”でやるのはありかも知れない。年に1度(アップデート)があってもいのかもしれない」と答える一方で、「ただGT300クラスとの速度差も考慮しないといけない。その差は8~10秒くらいなのではないか」と、その抑制の限度も示唆していた。

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