公式テスト・岡山国際サーキット 3月20日(日)
早朝から好天に恵まれた3月20日、岡山国際サーキットではSUPER GT公式テストの2日目が行われた。前日同様に、午前と午後に2時間ずつ、計4時間の走行セッションが行われ、3週間後のシーズン開幕戦を見越して各チーム、ドライセッションで走り込み、開幕戦用タイヤの選択と確認に精を出していた。
◎走行1回目 09:00-11:10(09:00-09:10はSC訓練)
天気/晴れ 路面/ドライ
気温/8℃〜12℃ 路面温度/10℃〜21℃(開始時は8℃/10℃)
◎走行2回目 13:45-15:55(13:30-13:45はスタート練習。最後は10分延長)
天気/晴れ 路面/ドライ
気温/13℃〜14℃ 路面温度/22℃〜25℃(開始時は13℃/24℃)
(入場者数:20日(日)9,698人/19日(土)4,890人)
好天となった2日目。GT-R勢にトラブルが連発となる
公式テスト2日目は好天となった。前日午前は濡れた路面で行われたために、午後はドライコンディションに変わっていったものの、路面にラバーが載った、いわゆるコースが出来上がることがなかったために、2日目が朝からドライコンディションに恵まれたことは、チームにとっても幸いだった。走行開始前にはセーフティカー(SC)訓練が実施された。この際に、No.12カルソニック IMPUL GT-RとNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R車両が止めてしまうなどのアクシデントがあった。その後、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rにも同様のトラブルがあり、この日の日産陣営のピットはまるで戦場だった。今年から日産系のチームを統括することになった田中利和総監督は「プロペラシャフトのトラブルですね。NISMOのクルマには出ていませんが、それはドライバーが上手く使っているから、だと思っています。『(トラブルが出たのが)テストで良かったね』となればいいのですが…」とちょっと心配顔だった。
これでGT-R勢はNo.12カルソニック IMPUL GT-Rの5番手がベストポジション。NSX CONCEPT-GT勢もNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)の8番手がベストポジションだった。
前日に続いて2日目午前のセッションも、No.37 KeePer TOM'S RC F(平川亮)が1分18秒918と昨年自身が出したポールポジション(レコード)タイムを上回るなど、RC F勢が上位を独占することになった。前日はベストタイム、このセッションでも2番手タイムを記録したNo.6 WAKO'S 4CR RC F。今季からLEXUS TEAM LEMANS WAKO'Sを率いる脇阪寿一監督は「メカニックもハキハキ動いているし、ドライバーのパフォーマンスも充分。チームが一つの方向を向いていますね。エンジニアリングがどうこうじゃなく、チームを元気にするのが自分の役目と思っています。もちろんドライバーとエンジニアのミーティングで勘違いが起きないよう、僕なりに口を出すことはするつもりです。昨日、今日とレクサス勢が速いのですが、開幕戦でレクサス+ブリヂストンが速いのはここ数年続いています。だから今年はここから先、暑い(時期の)レースになった時にライバルに負けないよう、ブリヂストンさんと一緒になってクルマを速くしていきます」と、早くもシリーズ中盤戦を見据えていた。
連休の中日で大賑わいのファン感謝デー。白バイ先導のパレードランも
今回の公式テストは、岡山国際サーキットのファン感謝デーでもある。早朝から約1万人のファンが詰めかけ、GTマシンの走行のみならず、サーキットサファリやオープンピットも楽しんでいた。
午後の走行の最初にはスタート練習も実施された。この際には、SUPER GTでは恒例となった地元警察によるパレードラップの“練習”も実施され、岡山県警察本部の白バイ2台が颯爽とGTマシンを先導した。テスト観覧に訪れたファンにとっては、まさに開幕戦同様のシーンを見られる日となった
午後はカルソニック IMPUL GT-Rが一矢報いる
午後の走行で最初に1分20秒を切ったのは、No.12カルソニック IMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)。これにNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの佐々木大樹が20秒フラットで続いた。
12号車、そしてここまでの最速タイムを出したRC Fも使用するのが、ブリヂストンのタイヤだ。今季より4輪モータースポーツ用タイヤを統括するブリヂストンの松本真幸課長は「今シーズン用のタイヤを開発するにあたっては、これはいつもそうなんですが、何か特別に“魔法のようなタイヤ”を造ろうとするのではなく、昨年までのものの各評価点を高めていく、ブラッシュアップすることを目指してきました。暑い時期のパフォーマンス、ですか? そうですね。オフの間にセパンでテストして、良い手応えがありました。だからそれを国内のテストで確認しながら夏本番となる8月の富士と鈴鹿に向け開発を進めています」と今季の開発過程を話してくれた。
結局、午後の走行はNo.12カルソニック IMPUL GT-Rの1分19秒397のトップタイムとなる。2日目の総合順位でも3番手につける。さらに2番手から6番手までRC F勢が続き、ブリヂストン装着車は午後のセッションでもトップ6を独占していた。2日目の総合タイムでは、午前のタイムでNo.37 KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮)がトップとなった。
GT300はNo.88マネパ ランボルギーニ GT3が2日目の総合トップに
新型車両が多数デビューし注目度が高まっているGT300クラスだが、午前中はNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰一貴/青木孝行)、午後はNo.11 GAINER TANAX AMG GT3(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)が、それぞれトップタイムをマークし。この日の総合順位ではNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(平峰)がトップとなった。
富士でシェイクダウンを済ませただけで、本格走行は今回が初となったランボルギーニ・ウラカンGT3は、No.87 triple a ランボルギーニ GT3(細川慎弥/佐藤公哉/山西康司)、No.63 Direction Racing(車名未定。エイドリアン・ザウグ/横溝直輝/ケイ・コッツォリーノ)と3台がエントリーしており、今季非常に楽しみだ。
昨年から本格参戦したGT300マザーシャシー勢のNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規)やNo.18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/山田真之亮)も好タイムを記録しており、GT300クラスの混戦模様はこれまで以上となりそうだ。
なお、昨日トラブルがあったNo.7 BMW M6 GT3は壊れたパーツが対応できず、この日は走行しなかった。また、昨日トップタイムを記録したNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTと30号車は午前でこの日の走行を終了。結局、午後は走ることなくサーキットを後にした。
平川亮(No.37 KeePer TOM'S RC F)
僕たちの37号車だけでなくレクサス勢は全車が好調でしたね。それも冬の間にエンジンはもちろんですが、(厳しくなった車両規定で)限られた中、足回りなどをアップデートしてくれたのがうまく機能した結果です。もちろんタイヤの進化も大きいと思います。レクサス勢だけでなくライバル車種もブリヂストン・タイヤを装着したマシンが速かったですし。
(テストを見る限り)4月の開幕戦は、予選もレースも僅差の戦いになると思います。去年も勝っているから『(勝てば)連勝だね』と言ってくれる人もいますが、それを必要以上に意識はしていません。正直言って開幕戦で無理して勝とうとは思っていません。もちろん勝ちを狙って行くのですが、リスクを背負ってまで、例えばレクサス同士でガチガチ当たりながらでも、とは考えていません。目標はやはりチャンピオン。ここ2年続けてライバル(メーカー)に奪われているので、何としても今年はタイトルを(レクサスへ)取り返したい。それが目標です。
平峰一貴(No.88マネパ ランボルギーニ GT3)
富士でシェイクダウンして、今回は最初の本格走行でした。レースに向けては織戸(学)さんが走り込んでいいセットを見つけてくれました。僕は予選に向けてのシミュレーションで(燃料が)軽い状態で走りました。もちろん予選のシミュレーションだったので思い切って走ったし、まずまず納得できるアタックになりました。
でも(ライバルに)あまり差をつけることができませんでしたね。それだけに、正直言って今はちょっと悩んでいます。開幕戦の本番では、周りは必ずタイムを上げてきて1分25秒台に入れてくると思いますから。次の週末の富士テスト(3月26、27日)では何としてもクルマを速くしたいですね。でも、最初のテストで最速タイムは嬉しいです。
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
10/19-20 | Round7 AUTOPOLIS | |
11/02-03 | Round8 MOTEGI | |
12/07-08 | Round5 SUZUKA |