News

Race Report
2016.03.26
【公式テスト富士・1日目】ZENT CERUMO RC Fがトップ! GT300は B-MAX NDDP GT-Rが最速

【公式テスト富士・1日目】ZENT CERUMO RC Fがトップ! GT300は B-MAX NDDP GT-Rが最速の画像

公式テスト・富士スピードウェイ 3月26日(土)

2016年AUTOBACS SUPER GTの開幕まで2週間に迫った3月26日、富士スピードウェイでは今年2回目となるSUPER GT公式テストが始まった。初日のこの日は午前と午後、それぞれ2時間ずつのセッションが2回行われたが、午前はハーフウェットからドライに変わっていく難しいコンディション。午後は完全なドライコンディション。ゴールデンウィークの第2戦富士に向けて、各チームともに多くの周回を重ね、タイヤテストとマシンをセットアップするために有効なデータを蓄積していった。

 

◎走行1回目 10:00-12:00
 天気/曇り 路面/ハーフウェット>ドライ
 気温/5℃〜8℃ 路面温度/9℃〜15℃(開始時は5℃/9℃)

◎走行2回目 14:00-16:10(1GT300専有5:50-16:00、GT500専有16:00-16:10)
 天気/晴れ 路面/ドライ
 気温/8℃〜10℃ 路面温度/13℃〜17℃(開始時は9℃/16℃)

 

 

午前はカルソニックIMPUL GT-Rが最速タイムを叩き出す

 この日午前、富士は雲が垂れこめて気温も上がらず。前夜の雨で濡れたコースは、なかなか乾く気配を見せなかった。走行前に「WET宣言」が出され、全車がウエットタイヤでコースイン。セッション前半の1時間は、多くのマシンがウエットタイヤのまま走行を続けることになった。また開始20分ほどで、LAMBORGHINI Team DIRECTIONのNo.63 ランボルギーニ・ウラカンを駆るエイドリアン・ザウグが1コーナーでクラッシュ。マシンを回収するためにセッションは赤旗中断。マシンが壊れたため、チームは午後の出走を諦めたが、「明日は走行できそう」と修復を進めていた。

 セッションも折り返しとなった午前11時頃には青空が少しずつ拡がり、陽射しも戻ってコースは完全なドライに。この時点でトップにつけていたのはNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)で、No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/千代勝正)が2番手につけていたが、タイム的には1分30秒台。ここから各車がタイムを削っていった。前回、岡山での公式テストと同様にLEXUS勢が好調でタイミングモニターの上位を独占する勢い。しかし、岡山テストと同様にNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が、LEXUS勢に割り込んでいき、最終的にはこれをかわしてタイミングモニターの最上段に進出した。
 ただし12号車の高橋紳一郎工場長は「ミシュラン勢(1号車と46号車)はタイヤ(選択)を外して伸び悩んでいるだけ」と安心した様子はない。ミシュランの小田島広明モータースポーツマネージャーは「午前のセッションが終わっただけではコメントのしようもないですね。どんなコンディションで、どんなタイミングで(どんなタイヤを)投入したか、まだデータの解析も出来ていませんから。それにこれはテストですからタイムだけでなく、どんな状況で、何が問題だったのか。それを対処してレースで好結果に結び付ける。それがテストですからね」と、2台のミシュラン装着車のタイムそのものは重要でないとコメントしていた。
 結局、午前はNo.12カルソニック IMPUL GT-Rのデ・オリベイラがマークした1分28秒244が最速。これにNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)が1分28秒692で続き、以下4台のレクサス勢が並ぶことになった。

 昨日、36号車のLEXUS TEAM TOM'Sが、今季の車両名「au TOM'S RC F」と新カラーリングをお披露目。この日は、レース本番さながらの大盛況ぶりを見せたオープンピットでも多くのファンがTOM’Sのピットに詰めかけることになった。

 

 

午後はZENT CERUMO RC Fがカルソニックを上回る

 お昼には今季のSUPER GTのプロモーション用のビデオ撮影や、来場した多くのファンがオープンピットで楽しんだ。
 そして、午後2時からは2回目のセッションが開始。だが、わずか7分ほどでNo.12 カルソニック IMPUL GT-Rが、2コーナーを立ち上がったところでストップ。また午後3時半を少し回ったところではNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)が1コーナーにストップ。それぞれ赤旗でセッション中断となってしまった。12号車はプロペラシャフトのトラブルだったが、なんとチームは30分で交換作業を行いマシンをコースに送り出していた。一方のNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMGはタイヤのトラブルからマシンにダメージが発生し、その時点で走行を中止することになった。
 午後のセッションで好調だったのはNo.38 ZENT CERUMO RC F。「様々なセットをトライした」という立川だが、1分28秒前半まで快調に詰めると、クラス別の専有走行時間が始まる前には、とうとう1分28秒の壁を破って、コースレコード(1分27秒552)に迫る1分27秒936をマークした。これを追いかける格好でNo.12カルソニック IMPUL GT-Rがタイムを詰めていく。そしてデ・オリベイラが、GT500クラスの専有走行時間のラストラップではセクター1、セクター2まで区間ベストを連ねながらセクター3で伸び悩み、1分27秒台には入れたものの1分27秒938。僅か1000分の2秒差で立川に届かなかった。
 Honda NSX CONCEPT-GT勢ではNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史)の5番手/1分28秒660がベストリザルト。このタイムは塚越がマークしたものだが小暮もコンマ1秒差と遜色のないタイムをマーク。ドライビングスタイルの近い2人でコンビを組ませる陣営の作戦は、どうやら上手くいったようだ。

 

 

 

 

 

GT300ルーキーのNo.3 マーデンボローがレコードブレイク!

 GT300クラスでは午前と午後、2回のセッションでともにNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)がトップタイムをマーク。午前に星野がトップタイムをマークすれば、午後はマーデンボローがトップタイムをマーク。しかも星野のベストを更新する1分36秒151。これは昨年記録されたGT300のレコードタイム1分36秒159をわずかだが上回る速さだ。結局、これがこの日のGT300ベストタイムとなった。2番手のNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰一貴)は1分36秒978とかなりのタイム差をつけており、第2戦の富士だけでなく、開幕戦に向けても期待を抱かせた。
 ただし星野は「今日はタイヤテストで走っただけ。トップタイムを出せたことよりも予定していたテストメニューをちゃんと消化できたことが大きい。タイムはタイヤテストの中でのタイムだから。周りは何か(タイムの伸び代を)残しているはずで、本番にはきっとタイムを上げてくる。でも僕たちは今持っているものをすべて出し切る。それがテストだと思っているから」と、この日のタイムを冷静に分析していた。
 この富士テストに参加予定だったLAMBORGHINI Team DIRECTION ShiftのNo.108 ウラカンはマシンの到着遅れから、参加を見合わせ。また、No.25 VivaC 86 MCはマシントラブルがあり、この日富士にはマシンを持ち込めなかった。

 

   

 

 

GT500クラス・トップタイム

立川祐路(No.38 ZENT CERUMO RC F)

 今日はいろいろなセットを試すことができました。それも大きく変えてみたりして何パターンも試せて、クルマの傾向だとか、何をどうしたら(クルマの状況が)良くなるのか? 何をどうしたら悪くなるのか? そのコツがつかめたような気がします。タイムは、所詮テストだからね(気にしてない)。でもいい感じでシーズンに入って行ける。そんな手応えがありました。
 実は岡山の公式テストの前にもてぎでテストをして、その時は速かった。でも岡山(公式テスト)ではクルマの状況がよくなくてタイム的にも駄目でした。でも今日は、岡山で不調だった原因も分かったような気がして、タイム云々よりも収穫が多いテストになりました。このクルマ(RC F)になってから、ホームコースの富士で勝てていないから、まずは開幕戦でいい流れを造り、ゴールデンウィークの富士では絶対に勝ちたい。そこで勝てれば結果(タイトル奪回)も見えてくると思います。

 

GT300クラス・トップタイム

ヤン・マーデンボロー(No.3 B-MAX NDDP GT-R)

今日はたくさんのアイテム(セッティング)をテストできました。クルマのフィーリングも良かったし、(星野)一樹さんとともにトップタイムをマークすることができました。でもあくまでテストですから。それに、この富士ではレースに出たことはありませんが何度かテストで走っていて、充分に(走り方を)分かっているけど、開幕戦の岡山は前回のテストで走っただけ。まだまだ一樹さんから学ぶことも少なくないです。(開幕戦で)1レース走って経験したら、次のレース(第2戦富士)では、もっといい戦いができると思います。ともかく、レースが待ち遠しいですね。

 

 

 

 

 


SUPER GTプロモーション撮影の様子

午前のセッションの前、ストレートエンドでは6台のGT500マシンと12人のドライバーを集めて、
2016年用オープニングイメージ映像の撮影が行われていた。

 

またお昼休みのインターバルには、ドライバー12人が横一線になって歩いてくる姿も。
新しいシーズンに相応しい新しいオープニングイメージ映像が、楽しみになって来た。

Page Top