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2016.04.10
温かい言葉に、GTドライバーからのサプライズに涙が…。脇阪寿一さん引退セレモニー

温かい言葉に、GTドライバーからのサプライズに涙が…。脇阪寿一さん引退セレモニーの画像

 2016年の開幕戦岡山の決勝レースを前にした、ピットウォーク中に2015年を最後にSUPER GTのドライバーから退いた脇阪寿一さんの引退セレモニーが実施された。

 

 

 

 岡山のコースを走り抜けるのは、2002年に脇阪さんが初めてGT500クラスのチャンピオンを獲得した時のマシン、No.6 エッソウルトラフロー スープラだ。メインスタンド前に止まった青いスープラから脇阪さんが降りるはずだったが、早くもハプニング発生! セレモニー特設ステージの傍らに多くのGTドライバー整列しており、脇阪さんはスープラをゆっくりと走らせて窓から手を出し、ドライバーたちとハイタッチを行った。
 そして、多くの観客が詰めかけたメインスタンドの前のステージには坂東正明GTA代表が待っていた。脇阪さんはシリーズチャンピオン3回、GT500通算勝利11回という輝かしい戦績以上に、モータースポーツのプロモーション活動やドライバーたちの社会貢献などを務めてきたという功績があり、坂東代表だけでなく、多くのメーカーやレース関係者に親しまれている人物である。坂東代表からは感謝を表す記念盾が渡され、「これまでのSUPER GTへの貢献に感謝します。今後もSUPER GTの広告塔としてもがんばってください。あと、でもどうしても、またGTドライバーとして走りたいと思ったら、俺の所に言ってこい」と言われると、思わず腕を目に当て涙を堪える。

 

 

 

 GTドライバーを代表して関口雄飛選手、安田裕信選手、山本尚貴選手からねぎらいと感謝を込めて花束が脇阪さんに贈られた。ここで3選手と記念撮影だったのだが、周囲を囲むドライバーたちが我も我もと集まり、これまたハプニングでメーカーやクラスを越えた多くのドライバー達との撮影に。これには脇阪さんも感極まったのか、思わず涙がこぼれだしてしまう。さらにハプニングは続き、今度はドライバー達が脇阪さんの名前”寿一”と通算勝利数”11回”にちなんで11回の胴上げで宙を舞った。

 

 

 

 続いて、脇阪さんの2人の息子さんから「お父さん、お疲れさま」と花束が贈られ、「お父さんがどんな状況でも諦めずにがんばっている姿を尊敬していました」「ボクはパパがレースをしている姿が大好きです」とのメッセージも言葉も贈った。さらにスタンドに向いて「ファンの皆さん、これまでお父さんを応援してくださり、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!」と、ふたりがしっかりしたところを見せるとスタンドや周囲から大きな拍手が。これには脇阪さんも目頭にしきりに手をやっていた。

 

 

 引退セレモニーの最後は、脇阪寿一さんからの挨拶。いつもの得意の軽妙なトークが出ず、なかなか最初の言葉が出てこない。
「いままで、……長いことありがとうございました。……。本当に良い環境、いいクルマ、良い仲間、良いファンに囲まれ、(自分がいいドライバーだと)勘違いしたまま、現役を終える幸せを噛みしめています。GTは日本のあちこちにファンがいて、各サーキットで挨拶をしたかったんですが、こういうかたち(開幕戦での挨拶)にさせていただきました。(事情もあって年当初は)ファンの方を騙すようなSNSでの配信までもファンの方たちに暖かく理解していただいたことに感謝しています。このシーズンが始まる開幕戦にもかかわらず、このようなセレモニーをしていただき、ありがとうございます。関わってくれたすべての人に感謝しています。僕はSUPER GTが大好きです。これからもモータースポーツ、SUPER GTを盛り上げていけるようがんばります。また監督脇阪寿一としてドライバーたちの力を発揮できるよう精一杯がんばります。どうもありがとうございました」と、脇阪さんは深く頭を下げた。
 この後、脇阪さんはトヨタ・クラウンのオープンカーに乗り、コースをパレードしてコースサイドのファンにも手を振りながら挨拶。その姿に岡山国際サーキットに集まった1万9000人のGTファンから暖かな拍手が贈られていた。

 

 

 

 

 

 

脇阪さんは8日にエッソウルトラフロースープラで岡山国際サーキットを試走し、セレモニーに備えていた。

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