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Race Report
2016.05.03
Rd.2 公式練習:得意の富士でカルソニックIMPUL GT-Rが最速!GT300はNo.51 フェラーリがトップ

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第2戦 富士スピードウェイ:公式練習レビュー

2016 AUTOBACS SUPER GT第2戦「FUJI GT 500km RACE」の予選日・練習走行が、5月3日午前、富士スピードウェイ(静岡県)で行なわれた。富士スピードウェイはどんよりとした曇り空だが、寒すぎず暑すぎずのますまずの気温。午前9時ちょうどから1時間45分間にわたって行われた練習走行がおこなわれた。ここでトップタイムを記録したのは、GT500クラスがNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)、GT300クラスはNo.51 JMS LMcorsa 488 GT3(都筑晶裕/新田守男/脇阪薫一)だった。

 

□公式練習 天候:曇り | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:17度/24度>終了:21度/32度

 

GT500 Class
千代のラストアタックでS Road CRAFTSPORTS GT-Rが2番手に

 長年ゴールデンウイークに行われる富士の一戦は、毎年多くのファンがサーキットを訪れており、大いに盛り上がりをみせる。500kmという長丁場の戦いということもあり、予選日午前の公式練習は、午後の予選、そして4日(水)の決勝を見すえる上で非常に重要な走行と言えた。
 事前の天気予報は曇りだったものの、朝から日射しもみえ、前日からの徹夜組も含むファンがスタンドを埋めるなか、午前9時から1時間45分の公式練習がスタートした。コースオープン時の気温は17度、路面温度24度と、観戦にも最高のコンディション。なお、GT500クラスは例年この富士でのレースに限って高速サーキット用であるロードラッグ仕様のエアロパッケージが使用されており、それは今シーズンも変わらない。
 3月下旬に富士スピードウェイで行われた公式テストでは、GT-R勢、RC F勢が速さをみせ好タイムをマークしていたが、それはこの日の公式練習でも同様の展開となった。序盤、GT-R勢がタイミングモニターの上位を占めていき、レクサス勢がそれに続いていく。
 序盤のタイム更新が落ち着くと、1分28秒761というベストタイムをマークしていたのは、この富士で2014年以降好調なNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)。次いでNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン)、No.1 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)という順位となっていく。

 開始から1時間ちょうどというあたりで、メインストレート上にGT300クラスの車両のものと思われるパーツが落下したため、この回収のために一度赤旗が提示される。その後は、午前10時25分からのGT300クラスの専有走行開始まで赤旗なくセッションは進行。GT500クラスの各チームも、セットアップやタイヤの評価などのメニューを進めていった。
 午前10時25分からのGT300クラスの専有走行では、終了間際にTGRコーナー付近にオイルが出たため、この処理のためGT500クラスの専有走行は当初予定から少々遅れ、午前10時40分から55分まで行われた。

 

 

 GT500クラスの専有走行では、まずはNo.64 Epson NSX CONCEPT-GTがコースイン。それに続いて、予選シミュレーションを行うべく、各車が続々とコースイン。タイヤのウォームアップを行い、アタックに入っていった。
 続々とタイムが更新されていくなか、チェッカー間際に上位のマシンが変わっていく。1分28秒915で2番手にポジションを上げたのは、第1戦岡山でも予選Q1で好走をみせたNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(千代勝正)。さらに、1分29秒092でNo.38 ZENT CERUMO RC F(石浦宏明)が3番手へ。ただ、No.12 カルソニックIMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)のタイムは更新できず。最終的にNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rがこの公式練習のベストタイムとなった。
 Honda NSX CONCEPT-GT勢では、No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀)とNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴)が専有走行で積極的にタイムを上げていくが、9、11番手というポジションで終わる。第1戦に続き、やや苦しい公式練習となった。
 このあと、サーキットではピットウォーク等のイベントが開催された後、14時30分からSUPER GTの公式予選がスタートする。果たして高速決戦のポールポジションを得るのはどのマシンになるだろうか。

 

 

 

GT300 Class

 

JMS LMcorsa 488 GT3の新田がフェラーリの快足を引き出す

 GT300クラスもコースオープンと共に各車が続々とコースに出て行く。そして、開始6分でNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン)が1分37秒658を出すと次のラップには1分37秒405を記録し、タイミングモニターのトップをキープ。しかし、すぐにNo.51 JMS LMcorsa 488 GT3(新田守男)が1分37秒091でそれを逆転。コースレコードが1分36秒519だけに、セッション早々にかなりの速さが記録された。そしてNo.18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴)が1分37秒569で3番手、さらに前戦岡山のポールシッターNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士)も4番手に浮上。マザーシャシー2台が上位に名を連ねる。
 セッション開始から20分ほどで開幕戦岡山の優勝したNo.65 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹)が1分37秒572で4番手に。30分経過でNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(中山雄一)が1分37秒406で3番手に。これでトップ51号車、2番手21号車がFIA GT3の新型、3から6番手が31号車、18号車、65号車、25号車とFIA GT3の新型車とJAF GT300(マザーシャシー含む)が入り交じる状況となる。
 30分を過ぎた時、10番手に付けていたNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一)がコース後半に入ったところでスローダウンするが、なんとかピットに戻った。午前10時を過ぎたところでストレートにマシンから脱落したパーツか落ちているため、赤旗が提示されて一端走行が中断。10時5分に再開すると、55号車が再度スローダウンし、高木はパナソニック(最終)コーナーでマシンを外に出しストップさせた。
 セッション後半では上位陣に大きくタイムアップするマシンはなく、ラスト10分はGT300クラスの占有走行となる。最後の最後にアタックをするマシンが出るかと思われたのだが、ラスト3分でNo.48 DIJON Racing GT-R(青木孝行)が第1コーナーでコースアウトし、そのままマシンを止める。このため2度目の赤旗となり、GT300クラス占有走行はこのまま時間切れで終了となった。
 結局、セッション序盤にNo.51 JMS LMcorsa 488 GT3(都筑晶裕/新田守男/脇阪薫一)がGT300クラスのトップタイムとなった。これにNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井誠暢)、No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)、No.18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴/山田慎之亮)と続き、5番手には前戦岡山優勝のNo.65 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥)が入った。

 開幕戦岡山はJAF GT300勢が優位と思われた中、FIA GT3の新型車が活躍を見せた。この富士ではFIA GT3勢に対して下馬評が高かったが、この練習走行を見るからにJAF GT300勢の健闘が目立つ。果たして、予選はどうなるのか? 第2戦富士の予選は14時15分から始まる。

 

 

 

 

GT500クラス・トップタイム

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(No.12 カルソニックIMPUL GT-R)

「総体的にいい状態だったといえる」

朝のセッションでは総体的にいい状態だったと言えるね。まず僕らはここでのテストで行なったことの確認からはじめて、今のセッションでは速さも加わってきた。今回のレースで大事なのはタイヤだから、まずレースで安定したラップタイムを刻めるようなものを見つけなきゃいけない。これが重要なポイントだよね。とはいえ、このセッションではいいフィーリングも得ることができたよ。
残念なことに、終盤になって駆動系のトラブルが出てしまったので、専有時間にヒロ(安田裕信)がニュータイヤでチェックすることができなかったんだ。だからサファリで走ってもらった。幸いチェックもできているようだし、予選に向けてはポジティブな気持ちで挑めるよ。

 

GT300クラス・トップタイム

新田守男(No.51 JMS LMcorsa 488 GT3)

「良いコンディションの時に良い状態で走れただけ」

今年、新車(Ferrari 488 GT3)になって、最初はトラブルが多いのかなと心配していたんですけど、ここまで大きな問題もなく順調にきています。直線のパワーがあるということじゃなくて、コーナリング時のダウンフォースの高さを感じますね。あとは全体的なキャパシティの大きさがあって、ジェントルマンドライバーでも乗りやすいクルマだと思います。
公式練習では良いコンディションの時に僕が良い状態で走れたってだけなんですけど、フェラーリ自体の素性の良さも感じるし、クルマのパフォーマンスレベルも非常に高いですね。あとはヨコハマタイヤとのマッチングもすごくいい感じです。予選に向けては、なにしろQ1をしっかり通過したいですね。もちろん前のグリッドにいたいですけど、500kmレースですし、そんなに甘くもないと思うので、トップと離れない位置で予選が終われればいいなと思っています。

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