2016.05.04

Rd.2 フリー走行：終了間際にMOTUL AUTECH GT-Rが最速タイム！GT300はSUBARU BRZがトップに

第2戦 富士スピードウェイ：フリー走行レビュー

2016 AUTOBACS SUPER GT第2戦「FUJI GT 500km RACE」のフリー走行が、決勝日の5月4日午前9時から30分間で行われた。早朝こそ強い雨が降っていたが、走行前には青空も見えドライコンディションとなった富士スピードウェイ。GT500の最速タイムはNo.1 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生）が、GT300はNo.61 SUBARI BRZ R&D SPORT（山内英輝）が記録した。

 

 

　白熱の予選から一夜明けた5月4日、SUPER GT第2戦は決勝日を迎えた。前日は夜半から雨が降りはじめ、深夜は強い風雨が富士スピードウェイを襲った。ただ、明け方には雨は止みはじめ、午前7時過ぎに晴れ間がのぞきはじめると、一気にサーキットには青空が広がった。
　ただ、晴れてはいるものの依然として非常に風が強く、風向きも変わる難しいコンディション。強風のためかコースはみるみるうちに乾いていき、コースコンディションも午前8時30分のフリー走行開始時は各車レインタイヤでコースインしたものの、すぐにスリックタイヤに交換している。

　500kmという長丁場のレースで、このフリー走行は決勝用のタイヤの評価や、燃料を積んだ状態でのロングランの確認等、非常に重要なセッションとなる。水が残り滑りやすい状況ではあったが、少しずつタイムも上がっていった。序盤、ベストタイムをマークしていたのは、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT（伊沢拓也）。しかし開始13分には、ポールポジションのNo.12 カルソニックIMPUL GT-R（ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）が1分30秒986でベストタイムを更新していく。
　GT500クラスでは、多くのマシンが1分31秒台から32秒台というところで周回を重ねていたが、コンディションの良化からか終盤に向けタイムが向上していく。開始20分というところで、No.37 KeePer TOM'S RC F（ジェームス・ロシター）がタイムを上げ、1分30秒954でNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rのタイムを上回る。

 

 

　さらに、残り5分というところで、No.19 WedsSport ADVAN RC F（関口雄飛）が1分31秒203をマークしポジションを3番手に上げると、No.1 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生）が1分31秒159でそのタイムを更新していく。
　また、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC F（ヘイキ・コバライネン）も1分30秒939に入れ、タイミングモニターのトップへ。最終的にはチェッカー周にNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rを駆る松田がさらにタイムを上げ、1分30秒689でこの朝のフリー走行を首位で終えた。
　2番手につけたのは、こちらも終盤にタイムを上げたNo.6 WAKO'S 4CR RC F（アンドレア・カルダレッリ）。ただし、No.6には走行中にスポーティングレギューレーション第27条14.（ピットレーンにおける優先権はファストレーンを走行している車両が有する）違反として、ペナルティ（訓戒）が課されている。3番手はNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fとなった。Honda NSX CONCEPT-GT勢では、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが1分31秒684をマークし、8番手で朝の走行を終えている。ポールポジションのNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rはセッション中盤にデ・オリベイラが出した1分30秒973がベストで6番手で終えた。

　GT500クラスでは終盤、セッション残り2分というところでNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R（柳田真孝）が、左フロントタイヤにトラブルがあった様子で、コカ・コーラ コーナーでマシンを止めている。
　この後、富士スピードウェイではFIA-F4第4戦、ポルシェカレラカップ ジャパン第4戦の決勝レースが行われ、14時に110周の決勝レースの火ぶたが切られる予定だ。

 

 

 

 

　雲が流れていくと日差しも強くなり、強い風もあってコースはみるみるうちに乾いていく。最初こそ慎重な走りだった各車も6分を過ぎるとペースが上がっていく。開始から10分過ぎにはNo.51 JMS LMcorsa 488 GT3（新田守男）が1分39秒102と最初に39秒台に突入すると、No.88 マネパ ランボルギーニ GT3（平峰一貴）、No.3 B-MAX NDDP GT-R（ヤン・マーデンボロー）も1分39秒台で続いていく。51号車は次のラップで1分38秒546までタイムを刻む。高速コースの富士で、しかもまだ濡れた部分もあるだけにストレートでタイムを稼ぐFIA GT3車両が優位かと思われた。
　だが、この日はJAF－GT300車両のNo.61 SUBARI BRZ R&D SPORTが快速を見せた。13分過ぎに61号車の山内英輝が1分38秒429を記録し、計時モニターのトップに上がる。山内はそのまま38秒台を2周記録し、1分37秒848までトップタイムを延ばしてみせる。このタイムを確認すると、61号車はピットインして井口卓人がステアリングを握る。この後、井口もコンスタントに1分38秒台を刻み、山内と同等のベスト1分37秒858を記録した。
　61号車に続いたのはNo.7 Studie BMW M6（ヨルグ・ミューラー）で1分38秒446。後半は荒聖治が走り、1分39秒台のペースで周回していた。もう一台のBMW M6 GT3、ポールポジションのNo.55 ARTA BMW M6 GT3は、セッション序盤にスローペースで周回してピットへの出入りも頻繁で、昨日朝のトラブルを心配させた。だが、18分経過時点で5番手タイムとなる1分39秒009を小林崇志が記録してみせた。また、予選は18位だった前戦岡山優勝のNo.65 LEON CVSTOS AMG-GT（蒲生尚弥）も1分39秒438で9番手（最終的には10番手）につけた。
　ラスト10分は上位各車がタイヤ、セッティングの確認に終始したのか、大きなタイムアップを見せる車両はなかった。

　これで、フリー走行のクラストップはNo.61 SUBARI BRZ R&D SPORT、2番手にはNo.7 Studie BMW M6、3番手がNo.51 JMS LMcorsa 488 GT3。開幕戦は苦労したNo.3 B-MAX NDDP GT-R（マーティンボロー）も1分38秒594までタイムを上げて4番手となった。そしてポールのNo.55 ARTA BMW M6 GT3は5番手となった。予選2位のNo.25 VivaC 86 MCは18番手に留まった。
　天候は回復方向だが、風が強く雲が頻繁に流れるため、突然の雨も心配される今日の富士スピードウェイ。各車種の基本特性以上に、500kmの長丁場だけにコース状況の変化による波乱もありえるだろう。興味が尽きない第2戦富士の決勝レースは午後2時ちょうどにスタートとなる。

 

 

 

 

「しっかりポジションを上げていけるようにがんばる」

最初にロニー（クインタレッリ）が走り始めたときは、コース上に若干ウエットパッチが残っているような状態でしたが、ドライタイヤでコースインしています。僕が走ったときはもう完全ドライでしたね。最後のベストタイムが出たときのタイヤは、古いものでしたが、長いレースでどのくらいいけるかを確認していたんです。タイヤはすごく安定していたし、クルマも調子いいですね。
（決勝は）周回数が長いぶん、40kgのウェイトハンディがどういう風に影響してくるのか、どこまで耐えられるかが僕たちの勝負になると思います。朝のセッションではタイヤ、クルマのフィーリング、全部つかむことができました。今回は（レース距離が）500kmあるので、「焦らず急がずじっくりと」しっかりポジションを上げていけるようにがんばりたいですね。

 

「決勝は言い訳せずにガンガン抜いていく」

決勝に向けた良いチェックをしていました。前回の岡山ではちょっとうまくいかない部分もありましたが、その部分も考慮したタイヤ選択やセットアップを進めてきたので、それをレースの結果につなげられるようにしたいですね。
僕たちのBRZは（クルマの特性上ストレートスピードが遅く）前のグリッドからスタートしないとキツイんですけど、決勝は8番手スタートですから、前にクルマがいる限り抜いていかなければならないので、言い訳せずにガンガン抜いていけるようにがんばりたいと思います。

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