公式テスト・スポーツランドSUGO 6月18日(土)
梅雨も中休みで、ひと足早く夏日となった6月18日、スポーツランドSUGOでは今年3回目となるSUPER GT公式テストが始まった。第3戦に予定されていたオートポリス大会が熊本地震の影響によりキャンセルされたため、テストではあるが第2戦富士から1ヶ月半ぶりのGTマシンの走行となった。なお、6月7日に行われた鈴鹿サーキットでのタイヤテストでクラッシュしたNo.64 Epson NSX CONCEPT-GTとNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMGは修復が間に合わず、残念ながら参加を取りやめ。今回はGT500が14台、GT300が23台の計37台がスポーツランドSUGOに集結した。
◎走行1回目 10:00-12:10(赤旗中断で10分延長)
天気/快晴 路面/ドライ
気温/25℃〜28℃ 路面温度/39℃〜47℃(開始時は25℃/39℃)
◎走行2回目 14:30-16:40(16:20-16:30はGT300専有走行、16:30-16:40はGT500専有走行)
天気/晴れ 路面/ドライ
気温/28℃〜30℃ 路面温度/46℃〜50℃(開始時は30℃/50℃)
■夏の日差しとなった午前、RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが最速に
午前のセッション開始時点で気温と路面温度は、それぞれ25℃/39℃だったが厳しい陽射しが照りつけてぐんぐん上昇。セッション終了時点では28℃/47℃に達していた。この時期にしては高めだが、ブリヂストンでSUPER GTのタイヤ開発を統括している松本真幸課長は「(気温/路面温度が)高くなりましたが、ともに想定内。7月の本番を考えたら、テストとしてはベストなコンディションです」とコメント。
午前のセッションでは、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(伊沢拓也)が終盤に1分12秒124のトップタイムを記録。これにNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲)、No.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路)が、僅差で続いた。トップ10には、NSX CONCEPT-GT、GT-R、RC Fが混じるように並び、次戦SUGOでのハードなレースを予想させる。ただ、このトップ3は100号車がウェイトハンディ2kg、38号車が10kg、46号車が30kgとウェイトが少ない。
連勝して最大値のハンディ80kgを背負うNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)は、ポジションこそ9番手だったが、その差はトップから0.952秒と1秒以内というのは驚きに値する。日産系チームを統括する田中利和総監督も「1号車は、正直なところ一発の速さではライバルに叶わないでしょう。だからレースセットを追求し、タイヤとかブレーキのマネージメントで決勝では1ポイントでも多く獲る作戦。一方、(日産陣営では比較的)軽い46号車や12号車、24号車に上位に着けてもらって(ライバルに)多くのポイントを与えないようにしたい」とシリーズ中盤戦の作戦を構想していた。
■最後の占有走行でカルソニックIMPUL GT-Rが驚異のタイムを記録
午後のセッションは午後2時30分から始まる。気温と路面温度が、それぞれ30℃/50℃と、この日一番の暑いコンディションで始まった。午前のセッションは3度も赤旗で中断したが、午後は一度の中断だけでほぼ順調に進み、多くのチームは次戦SUGOの決勝を見据えてのロングランが行われたようだ。セッションの最後はGT500クラスとGT300クラスごとに10分間の専有走行となる。そこまでのトップタイムは、No.38 ZENT CERUMO RC F(立川)の1分12秒140。だが、この占有走行で38号車のベストはあっさりと塗り替えられた。
最後にトップタイムをマークしたのはNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)で、これまでのコースレコード(1分11秒607)を上回る1分11秒367を叩き出して見せた。さらにNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹)も、レコードを切るタイムで、GT-Rがワン・ツーに。3番手は、午前トップだったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴)がベストタイムをマークした。
HondaのGTプロジェクトを統括する松本雅彦プロジェクトリーダー(PL)は、「チームによってメニューが違うので判断は難しいですが(Hondaの4台は1分)11秒台はマークできると思います。その手応えはありましたが、(12号車の)11秒3は見えないですね」としながらも、反撃に向け確実な手応えをつかんだようだった。
■SUGO得意のマザーシャシー!シンティアム・アップル・ロータスがGT300トップ
コーナリングに優位性があると言われるマザーシャシー(MC)勢。中高速コーナーが多いスポーツランドSUGOはベストマッチのコースだ。午前のトップはNo.25 VivaC 86 MC(松井孝允)の1分18秒737で、こちらは午前にしてレコードブレイクを達成。エースドライバー兼エンジニアの土屋武士がクルマを仕上げ、若い松井がアタックというコンビネーションも自信ありと言えそう。
午後のセッションでは早い段階でNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規)が計時モニターのトップに立ち、セッションの中盤には1分18秒676と午前の25号車を上回るクラス最速タイムを打ち立てた。ラスト10分の専有走行枠では、No.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(藤井誠暢)が1分19秒229を出すも、2号車、25号車には及ばず3番手となった。
■オープンピットやイベントも盛りだくさんの公式テストは19日も開催
7月の第4戦SUGOに向けて各チーム&ドライバーの緊張感が増す公式テスト。だが、ファンにとってはパドックへの入場無料で、昼にはオープンピットやコース体験走行など、普段のレースとはまた違ったアトラクションが盛りだくさん。また、テストながらレースグッズや飲食のショップも多く用意され、18日も多くのファンがこの日を満喫していた。
6月19日(日曜)も午前9時からと午後1時半から、それぞれ2時間の走行セッションが予定されている。入場料と駐車料金、イベントの内容、サーキットへのアクセスなどは スポーツランドSUGO公式ウェブサイト でチェックしてほしい。
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(No.12 カルソニック IMPUL GT-R)
今日のテストでは、新しいタイヤも何種類か試すことができた。クルマのセットアップも進んでレスポンスが良くなったし、とてもポジティブな1日になったと思う。ただひとつ、タイヤのロングランが完璧にはできなかった。だから100%、タイヤ(の良し悪し)を判断できないのが、少し残念だね。ロングランのテストでは、本当なら15周くらい連続して走って、タイヤ(のグリップとライフ)をチェックするのだけれど、赤旗の影響で7〜8周しか連続して走ることができなかったんだ。それでも、それ以外のメニューは順調に消化できたと思う。
実は、午前中にクルマのバランスが良くなくてテストどころじゃなかったけど、インターバルにセットに手を入れてもらってバランスが良くなった。明日も同じようなメニューになると思うので、タイヤのロングランも行って、ちゃんと(第4戦に向けたタイヤを)判断できると思うよ
加藤寛規(No.2 シンティアム・アップル・ロータス)
元々うちのクルマというか、マザーシャシーはSUGOを得意としていて相性もいい。何より、気温や路面温度が予想していた以上に上がり、(7月の第4戦SUGOの)レースに近いコンディションになり、タイヤテストとして充分なデータを蓄積することができたのが大きいですね。ただ、タイムが出たタイヤは、(ライフに課題があり)決勝では使えないかな? (クルマのセットを詰めて)これが使えると楽になるんですけどね。高橋さんも良いフィーリングだったようで、それも大きな収穫です。
ともかく、このところトラブル続きで、テストでも完走できないことが続いているので、今回は何とか完走したいです
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
10/19-20 | Round7 AUTOPOLIS | |
11/02-03 | Round8 MOTEGI | |
12/07-08 | Round5 SUZUKA |