News

Race Report
2016.07.24
Rd.4 フリー走行:小雨の中、KEIHIN NSX CONCEPT-GTとNo.31 TOYOTA PRIUSがトップタイム

Rd.4 フリー走行:小雨の中、KEIHIN NSX CONCEPT-GTとNo.31 TOYOTA PRIUSがトップタイムの画像

第4戦 スポーツランドSUGO:フリー走行レビュー

2016 AUTOBACS SUPER GT第4戦「SUGO GT 300km RACE」のフリー走行が、決勝日の7月24日午前9時から30分間行われた。昨晩から雨が降ったり止んだりで、走行中も小雨模様でコースはウエット状態だった。その中、GT500の最速タイムはNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大)が、GT300はNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(中山雄一)が記録した。

 

□フリー走行 天候:曇り | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始時:19度/22度

 

GT500 Class
ウエットのフリー走行でNSX CONCEPT-GTがトップ3を独占!

 白熱の予選から一夜明け、迎えた7月24日(日)のSUPER GT第4戦決勝日。ただ、スポーツランドSUGOは予選日の夜から雨が降り、朝はウエットパッチ(湿った部分)が残る曇り空。さらに、午前9時からのフリー走行に向けてエンジンの暖機が終わった頃から、少しずつミストのような雨がサーキットに注ぎはじめた。
 接戦が予想されるGT500クラスの各陣営にとっては、朝のフリー走行のなかで決勝レースに向けて少しでもドライタイヤでの評価、ロングランの確認を行いたいところだったが、午前9時のコースインとともに、雨粒が強くなりはじめる。

 その影響もあったか、開始3分にNo.19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛)がコースアウト。すぐに赤旗が提示されてしまう。No.19 WedsSport ADVAN RC Fはすぐにコースに戻ることができ、9時6分には赤旗が解除された。
 セッション再開とともにふたたびGTマシンたちが一斉にコースに入っていったが、この頃にはさらに雨脚が強くなり、早朝こそウエットパッチが残っていた程度だったものの、一気にウエットコンディションに転じていく。スリックタイヤを履いてコースインしたマシンたちはすぐにピットに戻り、ウエットタイヤに交換した。

 各陣営はウエットのなかでメニューをこなしていくが、少しずつコースの水量が増えはじめるコンディションのなかで、ダンロップタイヤを装着するNo.64 Epson NSX CONCEPT-GTがライバルを1秒以上離すタイムをマークする。以前からダンロップはいわゆる“チョイ濡れ”を得意としており、GT300クラスでもダンロップ装着車が上位タイムをマークしている。
 なお、開始19分にはポールポジションのNo.6 WAKO'S 4CR RC F(アンドレア・カルダレッリ)が1コーナーでGT300クラスのNo.26 TAISAN SARD FJ AUDI R8と接触しスピンを喫する場面も。ただ、大きなダメージなくコースに復帰。走行を続けている。

 

 

 セッションも残りわずかというところでは雨が上がり、コース上の水量が減っていくと、予選2番手のNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大)、さらにチェッカー間際にはNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮)がタイムを上げている。最終的に、この朝のフリー走行はNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTが1分20秒951で最速。No.8 ARTA NSX CONCEPT-GTが2番手、No.64 Epson NSX CONCEPT-GTが3番手と、Honda NSX CONCEPT-GT勢がトップ3を占める結果となった。
 4番手には予選3番手のNo.38 ZENT CERUMO RC Fが、5番手にはNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが続き、ニッサンGT-R NISMO GT500勢ではNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが7番手で最速となった。なお、前日の予選Q1でクラッシュしたNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rはマシン修復を終え、このフリー走行で13周を周回。8番手で終えている。

 注目の決勝レースは午後2時スタート。結局このフリー走行ではドライでのロングランを試すことはできなかったが、決勝の天候、そしてロングランのペースがどうなるのか、大いに注目と言えるだろう。

 

 

 

GT300 Class

 

No.31 TOYOTA PRIUS apr GTが好タイムもウエットではFIA GT勢も速い

 セッション直前は霧雨で、路面も一部乾いていたが、開始直後のGT500車両のコースアウトによる中断4分から走行再開の頃には雨粒もはっきりして、コースあっという間に完全なウエットコンディションとなった。このため、セッション前半の各車はピットインを繰り返し、セッティングやレインタイヤの確認が主となり、タイム的には伸び悩む。
 セッションも半ばの9時15分には、No.11 GAINER TANAX AMG GT3(ビヨン・ビルドハイム)が1分30秒台に入る30秒267を記録しトップに。この後ろにはNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS、No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG、No.3 B-MAX NDDP GT-Rと直線スピードに優れるFIA GT3勢が並で、ウエットは彼らに利があるように思えた。

 だが、ウエットセットも決まりだしてきたのか、セッション残り14分でJAF GT300車両のNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀)が1分29秒251でトップに。この31号車がブリヂストンタイヤ、続く11号車、21号車、No.61 SUBARI BRZ R&D SPORTの3台がダンロップと、タイヤの面ではこの2メーカーのウエットが好調だった。そして、No.11 GAINER TANAX AMG GT3(平中克幸)が1分28秒555で再びトップを奪い返す。この直後、ポールポジションのNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士)も1分30秒009までタイムを刻んで5番手まで上がってくる。また、No.48 DIJON Racing GT-R(青木孝行)も3番手に飛び込む。雨も一段落したコントもあり、上位各車のタイムがグッと上がり出す。その中、ラスト2分で31号車の中山が1分28秒089とタイムアップして3度のトップに。その後ろには21号車(藤井)も28秒289で2番手と追いすがるが、31号車には届かず。
 最終的にはNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTがウエットのフリー走行でのトップタイムとなった。これにダンロップタイヤの21号車、11号車、61号車の3台が続くことになった。ポールの25号車は5番手。6番手には予選では不本意な21位で終わった3号車となった。

 走行終了後には雨も上がり、路面も徐々に乾いていく状態。とは言え、まだ雨の不安も残り、14時からの決勝レースのコンディションは予想しきれない。

 

  

 

 

GT500クラス・トップタイム

塚越広大(No.17 KEIHIN REAL RACING)

「雨でも戦えるという手応えをつかんだ」

鈴鹿の公式テストが雨だったので、その結果を参考にしましたが、ウエットでの雰囲気はすごく良かったです。このまま雨でも戦えるという手応えをつかむことができました。最初、小暮(卓史)さんがスリックで出て行って、ウエット(用タイヤ)に交換。僕に変わってからもウエットの皮むきを一度しています。
今日(の決勝)は僕らがそれぞれキチンと仕事をすることができれば、結果も良くなると思います。まずはそれぞれがベストを尽くせるよう、集中したいですね。SUGOとの相性ですか? そうですね、いいのかな(笑)。タイミングにもよりますが、その時に自分が勝負できるようにがんばりたいですね。

 

GT300クラス・トップタイム

中山雄一(No.31 TOYOTA PRIUS apr GT)

「ウエットでもドライ、どっちでもイケる」

昨シーズンからブリヂストンタイヤのレインコンディションのパフォーマンスが高いことは分かっていたので、今日もそれを再確認した感じです。昨日のドライでも良かったので、決勝は(雨、晴の)どっちでもイケると思いますけど、ただ雨なら雨、ドライならドライと安定していてほしいですね。どんなコンディションでも速く走る自信はあるので、あとはそのコンディションにタイヤがどれだけ合うか、そしてチーム全員が自分の仕事をしっかりやり切ることが大事だと思っています。
もちろん狙っているのは優勝です。フロントロウにいるのでスタートでFIA GT3勢に飲み込まれることもないでしょうし、25号車と戦っていくことになると思います。夏の3連戦ですがら、(ボーナス点もある3連戦最後の)鈴鹿1000kmに向けても、今回のレースをしっかり戦っていきたいですね。

Page Top