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Race Report
2016.08.27
Rd.6 公式練習:ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTが最速!GT300はロータスがトップ

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第6戦 鈴鹿サーキット:公式練習レビュー

夏休み最後の週末となった8月27日(土曜日)、鈴鹿サーキットでは2016 AUTOBACS SUPER GT第6戦「45th International SUZUKA 1000km」が開幕した。鈴鹿1000kmと言えば“酷暑”のイメージだが、上空は雲が多く29度とこの時期としては過ごし易い気温となった。午前9時20分から1時間45分に渡って行われた公式練習では、GT500クラスのNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀)が1分47秒910のトップタイムを記録。GT300クラスではNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規)が最速タイムを記録した。

 

□公式練習  天候:曇り | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始29度・終了31度/開始33度・終了38度

 

GT500 Class
NSX CONCEPT-GT勢が好調!15号車と100号車でワン・ツー

 SUPER GTの2016年シーズンは真夏の3連戦の最後のラウンドにして、シーズンを占う上でも非常に重要なレースとも言える第6戦鈴鹿1000kmを迎えた。西日本には台風10号が接近しており、決勝日となる8月28日は雨の予報も出ているが、この予選日、8月27日(土)は朝から曇天。早朝からグランドスタンドには多くのファンが詰めかけ賑わいをみせていたが、午前9時20分の公式練習走行開始直前にわずかに雨が落ち、WET宣言が出された。ただ、これは路面を濡らすほどではなく、ドライでセッション開始を迎えた。

 GT500クラスでは、第5戦富士でクラッシュを喫したNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代勝正が胸椎に軽度の骨折症状が見つかり、大事を取って第6戦鈴鹿を欠場となった。今シーズンのSUPER GTでは、第5戦でGT300クラスのNo.48 DIJON Racing GT-Rをドライブしていた高星明誠が代役と、初のGT500参戦となった。
 曇天のもと迎えた午前9時20分からの公式練習では、各車が続々とコースイン。46号車の高星も早々にステアリングを握り周回を重ねていった。
 途中、開始20分ほどでGT300クラスのNo.5 マッハ車検 MC86がデグナーカーブでクラッシュ。車両回収のために赤旗が提示される。また、開始から1時間23分というところでNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平)がS字カーブ付近でコースオフ。ふたたび赤旗が提示されたが、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fは大きなダメージなくピットに戻ることができている。

 

 

 長丁場のレースとはいえ、レースを占う際に重要なのは各車のペースなので、この公式練習でのタイムには注目が集まったが、好調さをみせたのはHonda NSX CONCEPT-GT勢。No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀)が10周目に1分47秒910というタイムをマーク。これにレクサスRC F勢が続く展開となった。
 GT500クラスでタイムが更新されたのは、午前10時55分からの専有走行。ここでタイムを上げたのはNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴)。1分48秒071というタイムで武藤に続く2番手に飛び込んだ。3番手につけたのはNo.19 WedsSport ADVAN RC F。関口雄飛が序盤にマークしたタイムがベストとなっている。
 4番手に続いたのはNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R。初めてのGT500でのレースとなる高星が1分48秒322というタイムをマークした。5番手にはNo.36 au TOM'S RC Fが続き、レクサスRC F勢は5〜7番手を占めた。
 一方で、ランキング上位のNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rは13番手、2位のNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fは14番手、4位のNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが12番手と、ウエイトハンディの厳しさを感じさせるような順位となっている。この公式練習のタイムが直接予選に繋がるわけではないが、気になる結果と言えるだろう。
 SUPER GT第6戦鈴鹿1000kmの公式予選は、午後2時30分にスタートする。ポールポジションはどのチームが獲得するだろうか。

 

 

 

GT300 Class

 

シンティアム・アップル・ロータスの加藤と牧野が58秒台

 走行開始前後には一時的にパラパラと雨粒が落ちたが、路面を濡らすまでには至らず。午前の練習走行は曇り空ながらも終始ドライコンディションで行われた。開始から10分弱、早くもNo.25 VivaC 86 MC(松井孝允)が2分を切る1分59秒369を記録する。続いて17分経過で2分を切ったのは、昨年の鈴鹿ポールシッターであるNo.2 シンティアム・アップル・ロータスの加藤寛規で、1分58秒870と一気に58秒台に突入。トップ2台はマザーシャシー勢で、この時点の3番手にはFIA GT3勢のNo.26 TAISAN SARD FJ AUDI R8(元嶋佑弥)が2分00秒001でつけ、4番手には開幕戦優勝のNo.65 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹)と続く。
 まもなく開始から20分となろうという9時39分。No.5 マッハ車検 MC86(影山正美)がテグナーでクラッシュ。これで赤旗が提示され、走行は一時中断。5号車はマシンの後部がウォールにヒットするが、大きなダメージはなく自走でピットに戻り、7分ほどで走行は再開となった。
 再開から6分で2号車の加藤はトップタイムを1分58秒712に書き換えると、次の周には58秒603まで刻んで見せた。そして、もう1台のマザーシャシー、No.18 UPGARAGE BANDOH 86(山田慎之介)も1分59秒782として3番手に浮上してくる。その直後、No.0 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎)が1分59秒900とし、FIA GT3勢で最初の2分切りで4番手に。No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝)、No.61 SUBARI BRZ R&D SPORT(山内英輝)も2分を切って5、6番手とする。この頃は、セカンドやサードドライバーの走行や決勝向けた確認をするチームが多かったか、上位のタイム更新はなかった。
 10時23分にGT500車両がS字コーナーでスピンし、赤旗となり5分ほどの中断があったが、その後はオンタイムで進み、10時45分から10分間のGT300占有走行となった。ここでタイムを上げたのは65号車(蒲生尚弥)で1分59秒360を出して2番手にジャンプアップ。マザーシャシー勢の上位独占に待ったを掛けた。またポジションは4番手と変わらなかったが、4号車(片岡龍也)も1分59秒875までタイムを短縮。2分は切らなかったがNo.3 B-MAX NDDP GT-R(ヤン・マーデンボロー)が8番手に、No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(中山雄一)も占有直前に10番手に上がってきた。
 結局、トップはNo.2 シンティアム・アップル・ロータスでセッションは終了。終盤の占有時間に2度目の走行となった牧野任祐は1分58秒844の自己ベストを記録。エースの加藤には及ばなかったが、彼のタイムでもトップ変わらずと言うSUPER GTデビュー戦とは思えない快走だ。2番手はNo.65 LEON CVSTOS AMG-GT、3番手No.25 VivaC 86 MCとなった。
 なお、この練習走行でわずか9周しか走れずに最下位の29番手で終わったのは、No.7 Studie BMW M6はエンジントラブルがあったようで、予選に向け修復を急いでいる。

 

  

 

 

GT500クラス・トップタイム

武藤英紀(No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT)

「鈴鹿のテストからクルマの調子はいい」

決勝が長いレースだけに、まずクルマのセットアップが大事になってくるということで、セッション中は決勝で安定して走れるようなクルマ作りに重きを置いてやっていました。前回、鈴鹿のテストから引き続いてクルマの調子はいいですね。ベストタイムはセッションの途中くらい。ある程度予選に向けてのセットアップを試している段階で出たものです。燃料は軽く、予選に近い状態でした。そのあともうちょっとセットを煮詰めて、オリバー(ターベイ)さんに繋ぎました。
明日の天候も考えてのタイヤ選びになるので、そんなに硬めのタイヤを選ぶチームもあまりないとは思いますが、すごく難しいところではありますね。ただ、タイヤに関しては、どのコンディションでも戦えるようなものを持って来ています。幅を持たせていますので、心配はしていません。まずは予選のコンディションがどうなるか、そしてそこにうまく合わすことができるかがポイントでしょうね。クルマの状態もいいし、大量得点を狙いたいというチームの思いもあります。Q1はオリバーさんを予定しています。

 

GT300クラス・トップタイム

加藤寛規(No.2 シンティアム・アップル・ロータス)

「予選シミュレーションをしてトップタイムを出せた」

この時期としては思っていたより低い気温からのスタートだったんですけど、僕たちはQF(予選)シミュレーションをしていました。途中、雨が降った時もありましたけど、きちんとタイムが出てくれたんで、ポールは分からないですけど、とりあえず上の方にはいられるんじゃないかなと思っています。(午後の予選で)気温が上がっても、いいタイヤがあるので問題はないです。ほかのチームがQFシミュレーションをしていないと思うので分からないんですけど、ポールポジションを狙います!
今回、第3ドライバーに登録されている牧野(任祐)選手もいいタイムで走っていたし、ちゃんと期待に応えて走ってくれているので、あとは本番でミスなく力を発揮してほしいですね。

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