2016.08.28

Rd.6 決勝GT500：予選8位から見事な逆転劇でZENT CERUMO RC Fが今季初勝利！

第6戦 鈴鹿サーキット : 決勝 GT500レビュー

8月28日午後、2016 AUTOBACS SUPER GT第6戦「45th International Suzuka1000km」の決勝レースが鈴鹿サーキット（三重県）で行なわれた。時折強い雨が降るなど、難しいコンディションで行われた伝統の一戦は、GT500クラスはNo.38 ZENT CERUMO RC F（立川祐路／石浦宏明）が、予選8位から素晴らしい逆転劇を見せて今季初優勝。GT300クラスではNo.61 SUBARI BRZ R&D SPORT（井口卓人／山内英輝）が勝利した。

 

 

 

 

　いよいよ迎えた第6戦鈴鹿1000kmの決勝日。朝から鈴鹿は雨模様だったが、ピットウォークが行われている頃から雨は止み、曇天ながら路面は少しずつ乾いていった。スターティンググリッドでは、各チームがタイヤ選択で悩み抜く様子が見られた。しかし、午後0時30分に三重県警によるパレードランがスタートするときには、GT500チームは全車がスリックタイヤを選択。
　迎えたスタートでは、ポールポジションスタートのNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT（武藤英紀）、2番手スタートのNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R（本山哲）が続く。一方、その後方から猛烈なスタートダッシュをみせたのは、8番手スタートのNo.38 ZENT CERUMO RC F（立川祐路）。5周目にNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT（松浦孝亮）をかわし4番手に浮上すると、7周目にはトップ3に接近していく。
　勢いに乗る立川は12周目の1コーナーでNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rをパスすると、15周目にはNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rとサイド・バイ・サイドの攻防を展開し2番手へ。さらに、一気に先頭のNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTに近づくと、22周目の日立オートモティブシステムズシケインで武藤のインを突き、8番手から一気にトップ浮上を果たした。
　GT500クラスの上位は、25〜28周終了時に最初のルーティンストップを終える。石浦宏明に交代したNo.38 ZENT CERUMO RC Fが首位、さらにNo.12 カルソニックIMPUL GT-R（安田裕信）、今回がGT500レースデビューとなる高星明誠のNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rというトップ3に変化していった。

　一方、中盤のバトルを勝ち抜きポジションを上げたのは、No.36 au TOM'S RC F。45周目のヘアピンカーブで伊藤大輔がNo.19 WedsSport ADVAN RC Fをかわすと、同じ周にNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rをオーバーテイク。これでNo.36 au TOM'S RC Fが表彰台圏内まで浮上した。 　2回目のルーティンストップが行われたのは52周前後から。上位陣では、58周を終えて首位を走るNo.38 ZENT CERUMO RC Fがピットイン。翌周には2番手を走っていたNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rもピットに入るが、ピットアウトした直後に左サイドから火災が発生してしまう。火はすぐに消し止められたが、No.12 カルソニックIMPUL GT-Rは痛いリタイアとなってしまった。
　さらに2番手を走っていたNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rに、黄旗区間での追い越しがあったとして、10秒ストップのペナルティが課されてしまった。このためNo.36 au TOM'S RC Fが2番手、さらに中団の戦いから抜けだしてきたNo.6 WAKO'S 4CR RC F（アンドレア・カルダレッリ）が3番手に。中盤戦はレクサスRC F勢が上位を占める展開となった。

 

 

　レースは中盤戦を迎えると、序盤やや苦しい走りだったNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが復調。82周目に2コーナー立ち上がりでGT300クラスのNo.2 シンティアム・アップル・ロータスがクラッシュし、この車両回収のために導入されたセーフティカーが明けた後、3番手につけていたNo.6 WAKO'S 4CR RC F（大嶋和也）をNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R（高星明誠）が99周目の130Rでアウトから豪快にオーバーテイクしてみせた。
　一方、首位争いはセーフティカー明けも序盤の立川の好走以降首位を守り続けていたNo.38 ZENT CERUMO RC F（石浦）がキープしていたが、素早いピット作業で差を詰めてきたのが、この鈴鹿1000kmを大いに得意とするNo.36 au TOM'S RC F。115周終了時にピットに入り伊藤大輔からニック・キャシディに交代すると、翌周にピットインしたNo.38 ZENT CERUMO RC Fを逆転。首位に躍り出た。
　その後10周あまりNo.36 au TOM'S RC Fは首位をキープしていたが、125周を過ぎたあたりで鈴鹿サーキットには雨が舞いはじめた。特に西コースの雨量が多く、スプーンカーブでは多くのマシンがコースアウト。ここでNo.38 ZENT CERUMO RC Fを駆る立川は、129周目のスプーンでNo.36 au TOM'S RC Fのキャシディをオーバーテイク。コンディションが刻一刻と変化しており、2台のレクサスRC Fは何度も首位を入れ替えるバトルを展開することになった。
　しかし、この戦いを制したNo.38 ZENT CERUMO RC Fはジリジリと差を広げ、142周終了時に行われた最後のピットストップでもNo.36 au TOM'S RC Fのタイムを上回り、チェッカーに向けてひた走った。
　残り5周というところで、東コースを中心にかなり強い雨が降り、各車とも慎重な走りを求められることになったが、石浦が駆るNo.38 ZENT CERUMO RC Fはなんとか首位を守り続け、トップチェッカー！　レクサスRC F勢の今シーズン初勝利を飾ってみせた。2位はNo.36 au TOM'S RC Fで、鈴鹿1000kmの三連覇はならず。3位はNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rで、高星はGT500デビュー戦で殊勲の表彰台を獲得した。

　4位にはハンディウエイトを感じさせないペースを披露したランキング首位のNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが入るかと思われた。だがファイナルラップに、まさかのガス欠でストップ。これでNo.6 WAKO'S 4CR RC Fが4位、No.19 WedsSport ADVAN RC Fが5位という結果となった。レクサスRC F勢は1-2-4-5位を占めた。
　一方、鈴鹿で速さをみせたHonda NSX CONCEPT-GT勢は、No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTが82周目に残念ながらガレージインしてしまったこともあり、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの7位が最上位となった。

 

 

 

 

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