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Race Report
2016.09.30
【第7戦プレビュー】タイトルへのサバイバル!! タイでの熱き戦いに注目せよ!

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第7戦 タイ : プレビュー

いよいよ2016年シーズンも終盤戦へ突入し、10月8日(土)、9日(日)にAUTOBACS SUPER GT第7戦「BURIRAM SUPER GT RACE」がタイのチャン・インターナショナル・サーキットで開催される。シーズンも残り3レース(最終戦もてぎは2レースを実施)となり、このタイでの結果がチャンピオンシップをも左右する。
暑いタイで、各チームがさらに熱さを増したバトルを繰り広げるであろう。優勝争いはもちろん、随所で繰り広げられる1ポイントを巡る熾烈な戦いも注目してほしい。

 

タイでは互角のGT-RとRC F。今度こそ決着を!

 2014年に完成したチャン・インターナショナル・サーキット。タイの東北部ブリーラム県にあるこの国際サーキットで行われるSUPER GT公式戦も今年で3回目となる。高低差が約10mという非常にフラットな土地に、3本の長いストレートとバラエティに富んだ中高速コーナーを織り交ぜた、国内にはないタイプのコースだ。見た目は単純だが、多くのドライバーが「思ったよりチャレンジングで、走れば走るほどおもしろく感じる」と高評価を与えている。また、南国タイだけに、暑さも大きな敵となるであろう。タイヤやエンジンに負担を掛けない対策や走りも、このレースの勝敗を左右しそうだ。
 昨年の第3戦では、No.38 ZENT CERUMO RC Fの立川祐路とNo.46 S Road MOLA GT-R(昨年の車名)の本山哲というSUPER GTを代表するトップドライバーがサイド・バイ・サイドのトップ争いを繰り広げ、大いに観客を沸かした。
 チャンではこれまで2度のSUPER GTが行われたが、上記のバトルが象徴するように、2014年はGT-RがポールポジションでRC Fが優勝、2015年はRC FがポールでGT-Rが優勝と、この2車種が互角の戦いを繰り広げている。

 

 

 本命は、2014年がポール、昨年は優勝とチャンを得意とするNo.46 S Road KRAFTSPORTS MOLA GT-R(本山哲/千代勝正)であろう。他のGT-Rが優勝を挙げている中、未勝利という悔しい状況であり、優勝すれば最終戦でのタイトル争いにも加われるだけに、ここは必勝の場面だ。No.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は100kgのウエイトハンディが厳しいが、表彰台に上がればタイトルをグッと引き寄せられる。
 RC F勢では前戦鈴鹿で優勝したNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)がここを得意とするが、90kgのウエイトハンディが苦しいところ。タイトル争いのライバルである1号車の前でのゴールが必須であろう。一昨年の優勝マシンであるNo.36 au TOM'S RC F(伊藤大輔/ニック・キャシディ)も、もう一度タイ戦を制覇して、ランキングをさらに上げたいところだ。また、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)にとっても、悲願のタイトル獲得に向けて正念場の一戦であろう。

 

 

調子上昇中のNSX CONCEPT-GTが狙うタイ初制覇

 シーズン序盤は厳しい状況だったNSX CONCEPT-GT勢。だが、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史)が第4戦SUGOで予選2位、第5戦富士では決勝2位となり、前戦鈴鹿でもNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTの武藤英紀がポールポジションを得るなど、速さの面ではライバルに追い着いてきた。ミッドシップレイアウトのNSX CONCEPT-GTなら、チャンのようなフラットなコースは本来得意なはずなので、今季は初のタイ戦制覇といきたいところだ。昨年はNSX CONCEPT-GTの予選最上位となったNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)の活躍に期待したい。

 そしてタイ戦を前にビッグニュースが飛び込んできた。FIA-F4出身の牧野任祐がNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTのセカンドドライバーに大抜擢され、GT500デビューを果たすのだ。前戦鈴鹿でGT300クラス初参戦ながら予選Q1を1位、しかもレコードタイムという衝撃デビューを果たした牧野。初のGT500マシン、初のコースと楽ではないデビュー戦だが、19歳の若武者の挑戦にぜひ注目してほしい。

 

 

 

GT300はGT-Rのタイ3連覇か!? それとも新たな勝者誕生か?

 チャンでのGT300クラスはNo.3 B-MAX NDDP GT-Rが連勝している。エースの星野一樹としては3連勝し、相棒のヤン・マーデンボローとともにランキングトップに躍り出たいところだ。
 そして今季のGT300で好調なのが、マザーシャシーを含むJAF-GT300勢。前戦の優勝でランキングトップに立ったNo.61 SUBARI BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)、ランキング2位のNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)にしてみれば、表彰台に上がってポジションを固めたい。また、ここ2戦ノーポイントが続いているNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允)としても大きなポイントを手にして、最終戦でタイトルに挑みたいであろう。

 

 

 FIA GT3勢でも、No.55 ARTA BMW M6GT(高木真一/小林崇志)、No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)、No.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井 誠暢)のランキング上位陣にとっては、正念場、タイトルへのサバイバルとなる一戦。レース巧者揃いのこれらのマシンの逆襲も楽しみである。
 また今回のタイ戦では、ワイルドカード(特別推薦)としてBMW M6 GT3のNo.28 Vattana BMW M6 GT3、トヨタ86マザーシャシーのNo.35 Arto 86 MCという2台が登場する。過去のタイ戦でも地元の声援を背に、ワイルドカード勢が上位を走行する活躍を見せた。今回もレギュラー組を大いに悩ます存在になるかもしれない。

 

   

 

 

 シーズン終盤戦となる第7戦。両クラスとも佳境に入ったタイトル争い、そして今季の自己最高位への挑戦と、よりレースは激しくなるだろう。チャレンジングなチャン・インターナショナル・サーキットで、今年はどんなバトルが繰り広げられるのか? 今季、もっとも注目すべき一戦になることは間違いない。

 日本から遥か離れた南国タイで開催される第3戦。ぜひ、J SPORTSのLIVE中継やパブリックビューイング、そしてテレビ東京系の「SUPER GT+」でお楽しみください。

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