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Race Report
2017.05.12
【第3戦プレビュー】待望のオートポリス! 2年ぶりのSUPER GT九州開催

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第3戦 オートポリス : プレビュー

昨年は熊本地震の影響により開催ができなかったオートポリス戦(大分県)が、今年は第3戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」として5月20日(土、予選)、21日(日、決勝)に開催される。地元ファンにとっては九州唯一のSUPER GT開催であり、ドライバーからも好評なコースだけに、誰もが待望していた一戦である。また序盤戦の山場となり、今後のチャンピオンシップを展望するにも重要なレースだ。ここまで苦戦の続くチーム、車種には巻き返しのチャンスであり、好調なものは流れを完全に握りたいところ。必見の一戦になりそうだ。

 

 

 

■LC500勢の好調は続くか? レクサスチーム間の争いも熾烈に

 開幕戦岡山、第2戦富士とSUPER GT史上初となる2戦連続表彰台独占を果たしたレクサスLC500。この車両的アドバンテージが今後も続くのか、正念場となるのが第3戦オートポリスとなるだろう。ここまでの2戦はテクニカルなコースの岡山、長い直線を持ちハイスピードの富士と性格の違う2戦であった。そして、オートポリスはきついアップダウンがあり、中高速コーナーが多いというまた違ったキャラクターを持つ。ここでも結果を残せれば、チャンピオンシップの主導権はLC500勢が握ることになるだろう。
 一方で不安材料もある。それは、LC500のチーム同士の戦いが過熱すること。実は第2戦富士は「レクサス/トヨタのホームコース富士で4年ぶりの勝利を!」というスローガンがあって、LC500のチーム間にはまとまりがあった。だが、ここからは各チームがチャンピオンを狙って“仁義なき戦い”に入る。この2戦、悔しい2位で終わっているNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ)や昨年の王者であるNo.1 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)は、この第3戦で優勝という結果が欲しいところ。また、自らのミスで開幕戦の上位を逃した中嶋一貴のNo.36 au TOM'S LC500(中嶋/ジェームス・ロシター)も気合いが入っているだろう。まして、一貴は世界耐久選手権(WEC)を連勝、スーパーフォーミュラ開幕戦でも優勝と、今絶好調の注目選手である。さらに、ヨコハマタイヤのNo.19 WedsSport ADVAN LC500(関口雄飛/国本雄資)も気になる存在だ。

 

 

■オートポリスが得意のGT-Rが逆襲を狙う!? NSX-GTにもチャンスあり

 対して、苦戦が続く日産GT-R勢とHonda NSX-GT勢は、このオートポリスでの逆襲を狙っているはずだ。特にGT-Rはオートポリスの最近7戦で、5勝と得意としている。第2戦富士ではNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が予選2位、決勝でも4位とLC500の牙城に食い込み、進化の証を見せた。そしてオートポリスはタイヤに厳しいコースなだけに、タイヤを上手く使うことを重視するGT-Rには向いているのだ。そういった追い風もあるだけに、ここで一矢報いたい。ここでは23号車に加え、ミシュランタイヤを使うNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/千代勝正)も注目だ。

 そしてNSX-GTも中高速コーナーが多いコースは、本来得意である。結果としてオートポリスでは目立った成績には繋がっていないが、昨年型のNSX-CONCEPT-GT以上に“コーナリングマシン”として際立ってきたNSX-GTだけに、ここでは期待したい。ヨコハマタイヤのNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐)や、ドライバー2人がここを得意とするNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)の活躍に期待だ。

 

 

 

■GT300ではレイアウト的にJAF-GT300やマザーシャシーが活躍か?

 GT300クラスの車種を大きく分けると3つのグループがある。簡単に言うと改造やセッティングの範囲が広いがパワー面では劣るJAF-GT300車両、ボディの中身やエンジンは同じでセッティングに工夫ができるマザーシャシー車両(車両規定上はJAF-GT300車両に属するJAF-GT300MC)、そして現在最多のFIA GT3車両は、パワーはあるがメーカーが販売する時点で性能調整されており、セッティング範囲もあまりない。と言ったようにそれぞれ一長一短だ。このため、テクニカルコースや、ハイスピードコースなどで得意不得意がはっきりする。
 第3戦のオートポリスは、中高速コーナーが多いためコーナリングを得意とする車種が優位になる傾向を持つ。それもあって一昨年はJAF-GT300車両やマザーシャシーが速さを見せた。一方、FIA GT3車両の主だった車種は昨年デビューの為、昨年開催できなかったオートポリスでの状況は見えていない。

 

 

 そこから優勝候補を見いだすとすれば。JAF-GT300とマザーシャシー車両では、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)やNo.25 VivaC 86 MC(松井孝允/山下健太)、ハイブリッドのTOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/久保凜太郎)、そして一昨年のポールシッターであるNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規)あたりか。FIA GT3車両では今季好調で、コーナリングが得意なメルセデスAMG GT3が挙げられるが、No.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥)、No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)らは上位入賞の代償であるウェイトハンディが40kg台なのが少々きついか。この他には、GT500同様にオートポリスを得意とするGT-RのNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)も注目だろう。そして、前戦優勝したNo.51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3(中山雄一/坪井翔)と同じRC Fを使うNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田章/吉本大樹)も気になる存在だ。

 

   

 

 

 オートポリスは、飛び込んでスピードを保てる中高速コーナーが多いこともあって“チャレンジングで好き”と言い、オートポリス戦を楽しみにしているドライバーも少なくない。もちろん、「僕たちの走りと白熱のレースで九州の皆さんを元気にしたい」と言うことはSUPER GTドライバー全員が一致するところ。それだけに第3戦オートポリスはいつも以上に盛り上がりそうだ。これは九州の皆さん以外でJ SPORTS中継やGTプラスを楽しみにしている方にも大いにプラスである。5月20、21日は第3戦オートポリスをお見逃しなく。

 

 

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