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2021.02.26
【2021年SUPER GT規定改定】ウェイトハンディ制がサクセスウェイト制と名称変更。GT300のQ1組分けは全戦で実施

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2021年のシリーズエントリーも発表され、早くも新シーズンへの期待が高まっていることだろう。そこで今季のSUPER GTをより楽しむために、2021年スポーティングレギュレーション(競技規則)の主な改定や見直しなどを紹介しておこう。
※競技規則抜粋の赤字は今季変更点です。

※本解説は2021年スポーティングレギュレーション(競技規則)を抜粋したものであり、解説文はSUPERGT.net編集班によるものです。
 

 

 

「ウェイトハンディ」が「サクセスウェイト」へ名称変更

第23条 サクセスウェイト制

各競技会の競技成績により、各競技車両は次競技会に向け性能引き下げ措置が課される。
1. 1台の車両(競技車両ゼッケン番号単位)に登録されたドライバーが、それぞれの競技会において獲得したドライバーに対するシリーズ得点の累積を基準にウェイト積載が課せられる。
1) 参戦6戦目まで:

前戦までの各戦においてその車両を運転したドライバーが獲得したシリーズ得点の累積1ポイントをGT500クラスは2kg、GT300クラスは3kgに換算した重量のサクセスウェイトを積載しなければならない。
2) 参戦7戦目:
前戦までの各戦においてその車両を運転したドライバーが獲得したシリーズ得点の累積1ポイントをGT500クラスは1kg、GT300クラスは1.5kgに換算した重量のサクセスウェイトを積載しなければならない。
3) 参戦8戦目:
サクセスウェイトは撤回される。<以下略>

 

※2020年までは「ウェイトハンディ制」の名称だった。ルール内容は基本的に変更なし。

 1994年の全日本GT選手権(JGTC)初年度からレース結果によって、各車両に車両重量増加または相当のハンディを課す「ウェイトハンディ制」を実施してきたが、今季からこの名称を「サクセスウェイト制」に、ハンディ自体も「サクセスウェイト」と変更した。従来名称より“良い成績を挙げたチームに課せられるハンディ”であることを強調する意図があり、他の海外シリーズでも使われている名称でもある。
 なお変わったのは名称のみで、従来の両クラスに課せられるハンディの仕組み、重量は2020年から変更はない。

 

 

GT300クラスの車両規定がGTA策定となる

第25条 参加車両

1. 参加車両
1) GT500クラス:

(1)2021 SUPER GT GT500 Technical Regulation(以下「GT500車両規定」という)に従ったGT500クラス車両。<以下、略>
2) GT300クラス:
(1) GTAの定める2021年GT300車両規定(以下「GT300車両規定」という)およびGT300マザーシャシー車両規定(以下「GT300 MC車両規定」という)に従った車両。<以下、略>

 

※2020年までは「JAF-GT500」「JAF-GT300」「JAF-GT300MC」として「JAF国内競技車両規則」の各項に従った車両とされていた。

 GT300車両のうち、昨年までJAF国内競技車両規則の各項に従った車両として規定されていた「JAF-GT300」「JAF-GT300MC(マザーシャシー)」が、今季はGTAが定めるGT300車両規定によって製作される。したがって各車両規定の名称も「GT300車両」「GT300MC車両」となった。「FIA GT3車両」においては、従来通りFIAが定める車両規定が用いられる。

 

 

「GT300車両」「GT300MC車両」の空力パーツに規制

  

第22条 車両とエンジン

6. GT300、GT300 MC空力部品のシーズン中の仕様制限
下記の規制対象部品についてシーズン中の変更を規定する。
1) フロントカナード

第1戦の1ヶ月前までに2種類の写真と図面をGTAに届け出ること。
シーズン中に2種類の変更品の追加を認める。最初に使用する大会の1月前までに写真と図面をGTAに届け出て承認を得ること。
2) リアウイング
第1戦の1ヶ月前までに1種類の写真と図面をGTAに届け出ること。
シーズン中に1種類の変更品の追加を認める。
<途中略>
なお、1) フロントカナード、2) リアウイングについてシーズン中に新旧それぞれの部品の使用(組み合わせ含む)が認められる。
3) GT300のフロントディフューザー、リアディフューザーはシーズンを通して一仕様のみとし、第1戦の1ヶ月前までに写真と図面をGTAに届け出ること。
注)GT300 MCは指定部品のため変更不可。

 

※2020年までは「JAF-GT300」「JAF-GT300MC」に関しては特に規定はなかった。

 「GT300」「GT300MC」の車両は、今季からシーズン中の空力パーツの変更には規制が行われる。昨季までは空力パーツをレースごとに仕様変更できたため、登録状態から変更できないFIA GT3車両に対してアドバンテージがあるといえた。この点を改められ、今季からGT300車両ではフロントカナードとリアウイングは2種類のみ(2つの組み合わせは可能)、フロントディフューザーとリアディフューザーはシーズンを通して1種類のみとなった。また、GT300MC車両は指定部品からの変更ができなくなった。

 

 

GT300クラス予選のQ1の2組分けを全戦で実施

第29条プラクティスセッション(公式予選等)

2) 公式予選

オーガナイザーは、決勝レース出場車両の選抜およびグリッド位置の決定を行うため、ノックアウト予選方式による公式予選を行うものとする。GT300クラスの1回目の予選(Q1)は2組に分けて実施される。<以下略>
5) 公式予選が実施できない場合は公式練習のタイムでグリッドを決定する場合があり、その採択は審査委員会の決定によるものとする。

 

※2020年は「予選(Q1)は2組に分けて実施される場合があり」と各大会で選択できた。「公式予選が実施できない場合」は新規。

 昨年まではGT300クラスの予選Q1は全車が1回で走る方式と2組に分けてそれぞれ走る方式が、大会ごとに決められていた。原則は全車が走る方式で、コースや時間的な条件があるときは組分け方式を選んでいた。2020年は結果的に全戦で組分け方式となったが、今季は全戦での実施が明文化された。
 また公式予選の実施不能の場合のグリッド決定は「審査委員会の決定」のみだったが、今季より「公式練習のタイム」の採用が具体的に示された。

 

 

 

 2021年のスポーティングレギュレーションの主な改定は以上の通りだが、これ以外にもいくつかの細かな改定がある。それはより安全性を高め、競技の公正を保つために行われている。各ドライバーとチームは、この改定を十分に理解して開幕戦岡山に臨むだろう。
 SUPER GTファンもこの改定点を踏まえてレース観戦や、レース戦略の予想・妄想などで、さら楽しんでみてはいかがだろうか?

 

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