2024年も2月となり、チームや参戦メーカーはテストや体制発表などの開幕戦に向けた準備が進んでいる。先日、SUPER GTを運営するGTアソシエイションは2024年のスポーティングレギュレーション(競技規則)と付随規則を公開した。
今季は『SUPER GT Green Project 2030』に則り、使用タイヤの持ち込みセット数を削減し、公式予選の方式を変更して大会が行われる。また、GT300クラスへのカーボンニュートラルフューエル(CNF)の導入も推進される。
他にも、義務ピットイン回数を消化せずに決勝レースが途中終了となった場合の扱いが競技規則において明文化された。これらの内容について、簡単に紹介しておこう。
※競技規則抜粋、各大会表の赤字は今季の変更点です。
※本記事は2024年SUPER GTスポーティングレギュレーション(競技規則)などを基にSUPERGT.net編集班が解説したものです。
※掲載の写真は記事のイメージを表したもので、内容とは直接関係ありません。
公式予選はQ1とQ2のタイム合算方式に。予選2、3位にもポイントを付与。
変更点概要(2024競技規則付則-8を改定して、改めてブルテンで公示)
・GT500クラス/300クラスともQ1/Q2の「タイム合算方式」とする。両クラスともQ1/Q2に全車が走行。
・Q1/Q2を通じて使用できるタイヤセット数は1セット。このタイヤセットを決勝スタートで使用する。
・予選上位にポイントを付与する(1位3ポイント、2位2ポイント、3位1ポイント)。
・予選時間はGT500/GT300ともQ1:10分間、Q2:8分間とする。
・Q2基準タイムを定め、未達車両は決勝レースをピットスタートとする。
※以上は2月22日時点のもので、詳細は後日該当ブルテンにより公示されます。
公式予選だが、昨年来のQ1とQ2の2回、それぞれ別のドライバーによるタイムアタックであることは変わらない。だが、今季は最終的な順位付けにおいてQ1とQ2、2人のドライバーの記録を合算したタイムで争うこととなった。したがってQ1とQ2を全車が走行することになる。予選時間は、GT500クラスとGT300クラス(2組)共に同じで、Q1が10分間と変わらないが、Q2は8分間(従来は10分間)となった。
また、昨年はQ1とQ2で違うタイヤセット(2セット計8本)を使うことができたが、今季はQ1とQ2で同じ1セット(計4本)のみを使用することとなった。決勝スタートタイヤはこれまでと同様に、予選で使用したセットを使用する。
加えて、シリーズポイントでも従来は予選1位(ポールポジション)のチームの選手のみに1ポイントを付与されていたが、今季は予選1位には3ポイント、同2位は2ポイント、同3位は1ポイントと予選上位3チームのドライバーにポイントが付与されることとなった。またポールポジション記録はQ1とQ2走行の2選手に加算される。
この新たな予選方式によって、予選Q2まで全車が走り、ドライバー2名が協力して勝利を目指すSUPER GTの魅力をより特徴づけ、Q1敗退車両を無くすことで全車のタイヤ使用条件を均等化し公正な競技を目指すようにしている。
1大会の持ち込みタイヤ(ドライ用)は300kmレースで4セットに。昨年より1セット減。
2024 SUPER GT Sporting Regulations(抜粋)
第21条 タイヤ
1. 公式練習に先立ち、最大4セット(16本)のドライタイヤがマーキングされる。
プロモーションイベントを含み公式練習開始から決勝レーススタートまでに1競技車両が使用できるドライタイヤは、マーキングされたタイヤ(以下「マーキングタイヤ」という)4セット(16本)とする。
13. タイヤメーカーがサーキットに持ち込めるタイヤの本数は、1台当たりドライタイヤ4セット、ウェットタイヤ5セットまでに制限される。ただし、前年度優勝できなかったタイヤメーカーは、第1戦から、その供給先競技参加者のいずれもが当該シーズン中未勝利である場合、1台当たりのドライタイヤ持込み本数を1セット追加できる。
昨年は1大会(公式練習から予選、決勝終了まで)に持ち込んでマーキングできるタイヤは、ドライ(乾いた路面用)タイヤは5セット(前後計4本が1セット)、ウエット(濡れた路面用)タイヤは6セットだったが、今季は各タイヤを1セット削減した。なお、決勝距離が300km以上の場合は、各大会の走行距離によって、別途定められる。
これにより、SUPER GTにおける環境コストの削減に貢献する。
GT300クラスにもカーボンニュートラルフューエルを導入
2024 SUPER GT Sporting Regulations(抜粋)
第28条 燃料
10. 本シリーズに使用される燃料はGTAが販売する燃料に限られる。ピットにはGTAが販売した以外の燃料の持ち込みを禁止するが、発電機等に使用する燃料についてはその限りではない。
11. 前項に規定される燃料の性状表は、SUPER GTレースブルテンで公示される。競技参加者は、競技会期間中にGTAから配布された指定燃料を使用すること。複数の燃料を混ぜて使用することを含み、空気を除き、指定された燃料にその他の気体・液体・固体を混入して使用することは一切禁止される。
GT500クラスは昨シーズンからCNF『GTA R100』が使用されているが、GT300クラスは多様な車種の参戦により昨シーズンの採用は見送られていた。2024年シーズンからはGT300クラスにもCNF『GTA R50』が使用されることとなり、競技規則の『燃料』の項目にも「本シリーズに使用される燃料はGTAが販売する燃料に限られる」と変更された。
昨年発表した『SUPER GT Green Project 2030』に基づき、社会情勢に適したモータースポーツの実現する歩みを進めている。
レース終了時のピットイン義務回数未消化における対応を競技規則に明文化
2024 SUPER GT Sporting Regulations(抜粋)
第38条 レース終了
7. チェッカーフラッグを受けた時点で当該競技会において義務付けられたピットイン回数を履行しなかった場合、当該車両は失格とする。
但し、先頭競技車両が2周回を完了し、当初のレース距離(時間レースの場合は「当初のレース時間」)の75%(小数点以下切捨)未満でレースが終了する場合、当該競技会において義務付けられたピットイン回数の履行が免除される。当初のレース距離(同上)の75%(小数点以下切捨)を超えた時点で、セーフティカー活動中あるいは赤旗中断のままレースが終了する場合、当該競技会において義務付けられたピットイン回数を履行していない車両は競技結果に対して1周減算とする。
決勝レースが不可抗力で途中終了になった場合に、義務とされているピットイン回数が未消化の車両に対する対応が、競技規則に明文化された。所定のレース周回数(時間)でピットイン義務回数の未消化でチェッカーフラッグを受けた場合は失格に、当初のレース距離数が75%未満で終了した場合は回数義務の免除、レース距離数が75%を超えた時点でセーフティカーあるいは赤旗で終了した場合は競技結果に対して1周減算となることが明記された。
上記の他にも変更となった内容があるが、今後関連するブルテンなどの発行が予定されており、そのタイミングで改めてご紹介をしていくので、お待ちいただきたい。
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
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