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Race Report
2024.04.14
【Rd.1 決勝GT300】車両の特性を活かしたmuta Racing GR86 GTが、見事な逆転勝利を成し遂げる

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第1戦 岡山:決勝 GT300レビュー

2024 AUTOBACS SUPER GT開幕戦『OKAYAMA GT 300km RACE』の決勝レースが、4月14日に岡山国際サーキット(1周3,703m×82周)で行われた。スタート時の気温が27度と季節外れの夏日という好天のコンディションの中、GT500クラスはポールポジションから快走を続けたNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が完勝。GT300クラスはタイヤ無交換作戦を決めたNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)が開幕戦の勝利を掴んだ。

 

□天候:晴れ| コース:ドライ| 気温/路面温度 スタート前(13:30):27℃/41℃、序盤(14:00):26℃/40℃、中盤(14:30):26℃/39℃、終盤(15:00):26℃/38℃、ゴール時(15:30):26℃/37℃

 

 

 

 

■前半はポールスタートから逃げる65号車と僅差で追う2号車のマッチレースに

 前日と同様に晴天に恵まれ、決勝前には気温が27度となって夏の陽気となった岡山国際サーキット。午後1時30分に岡山県警察の白バイ5台の先導で始まったパレードラップを行い、82周の決勝レースの火ぶたが切って落とされた。

 GT300クラスは、前日の公式予選の結果でピットスタートとなったNo.30 apr GR86 GT(永井宏明/小林利徠斗)、No.777 D'station Vantage GT3(藤井誠暢/マルコ・ソーレンセン)の2台を除く、24台が1コーナーへと進入していく。

 最初に1コーナーを駆け抜けたのは、ポールポジションのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)の篠原。僅差でNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)の平良、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)の井口が続いた。しかし1周目、アトウッドカーブでNo.22 アールキューズ AMG GT3(和田久/加納政樹)とNo.48 脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R(井田太陽/柴田優作)が接触。これで22号車がコースアウト。さらにGT500クラスの複数台が絡むアクシデントも発生し、早くも1周目からセーフティカーランとなった。

 8周目にはレースが再開。65号車を先頭とした三つ巴のトップ争い、やや間隔をあけてNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)とNo.7 Studie BMW M4(荒聖治/ニクラス・クルッテン)の4番手争いとなっていく。14周を過ぎるころになるとGT500クラスの集団がGT300クラスの隊列と交わって大混戦に。それでも上位陣は膠着した戦いを続けて、順位の変動がないまま中盤を迎えていった。

 GT300クラスは24周を過ぎたあたりから早いチームが続々とピットに向かい始める。序盤7番手のNo.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が、得意のタイヤ無交換作戦を敢行。さらに2番手の2号車も33周を終えてピットイン。こちらもタイヤ無交換で、ピット作業時間を短縮して、後半での逆転の布石を仕掛ける。さらに61号車をかわし3番手に浮上した4号車もリヤタイヤだけ交換を行うなど、各チームが勝負を仕掛けていく。

 

 

 

 

 

■タイヤ無交換で稼いだマージンを上手く使った2号車が逃げ切って優勝

 ほとんどの上位陣は予定周回の半分までにピット作業を済ませたが、唯一ピットストップを引っ張ったのがトップを快走していた65号車だ。レース後半の49周にピットに戻り蒲生尚弥に交代した65号車は、FIA GT3車両らしくオーソドックスにタイヤ4本交換で後半のマシンスピード重視を選択。そして、このピットインの間に、2号車が作戦通りにトップに踊り出た。その後ろには52号車が続き、65号車は3番手でレースに復帰。4~6番手は7号車、タイヤ無交換で順位を上げたNo.31 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)とNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86マッハ号(藤波清斗/塩津佑介)がつけた。

 ただタイヤ無交換だったマシンは終盤になり、タイヤが消耗するとペース維持が厳しくなってくる。そして5号車の後方には7台が連なる大混戦となっていく。その5号車は、No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)に先行を許すと、後続にもかわされてしまう。その中、ダブルヘアピンふたつめで5号車と61号車が接触。5号車はスピンを喫し、コースサイドにストップし、自力では動けなくなる。これで今季初めてのFCY(フルコースイエロー)が導入された。

 終盤、タイヤ無交換でペースが落ちる車両と交換して追い上げる車両が接近。各所でさらなるバトルが展開される。特に注目なのは、2番手の52号車に急接近する65号車だ。しばらく粘りをみせていた昨年の王者・52号車だったが、ついに65号車にパスされてしまう。さらに65号車の蒲生は、トップをいく2号車の堤との差を詰めていくが、残り10周で、トップはまだ15秒も先だ。明らかに2号車の堤はそのマージンを活用してペースをコントロールしているようだが、それでも蒲生は追い上げを緩めない。

 65号車の追撃から見事に逃げ切ったNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)が、2024年の開幕戦岡山を制した。堤は通算3勝目。平良にとっては、勝てそうで勝てなかった昨シーズンを払拭する、嬉しいSUPER GT初勝利となった。

 あと5秒弱までその差を詰めたNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)は、昨年の岡山と同じ2位に。一方、3位は最後まで激戦となった。ペースに勝るNo.7 Studie BMW M4(荒聖治/ニクラス・クルッテン)が追い上げ、粘る52号車をパスして表彰台最後の席を掴み取った。

 

 

 

 

 

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