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2024.04.26
【第2戦プレビュー】何が起こるか未知の3時間レース!各チームの戦略にも要注目だ

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第2戦 富士スピードウェイ : プレビュー

ホットな2024年の開幕戦から2週間。その余韻も残る中、第2戦が近づいた。ゴールデンウィーク中、5月3日(祝/金)、4日(祝/土)に2024 AUTOBACS SUPER GT 第2戦「FUJI GT 3Hours RACE」が、静岡県の富士スピードウェイで開催される。これまで決勝レースは250〜1000kmの距離で戦われていたが、今回は“3時間”という時間レースだ。過去の富士戦から考えると、500km前後と予想される。距離的には未知ではないが、時間レースは先が見通せないので各チームが凝らす戦略に注目だ。給油を伴う義務のピットインは2回。第3ドライバーの起用も認められるので、GT300では車種の特徴や3人目の起用も含め、チーム独自の戦い方が見られるだろう。GT500では新型車Honda CIVIC TYPE R-GTが富士でどう戦うか? また戦闘力や戦術が均衡する中、奇抜な作戦を採るチームがあるのか? そして、どこが“3時間”の必勝セオリーを見いだすのか。見どころが尽きない、第2戦富士となりそうだ。

※上の写真は昨年の第2戦 富士

 

 

■開幕戦で好感触の38号車に期待大!36号車と同じTOM'Sの37号車にもチャンスあり!?

 昨年の第2戦富士では、前戦での悔しさを晴らす見事な勝利を挙げたNo.36 au TOM'S GR Supra。今季は幸先良く開幕戦で文句なしのポール・トゥ・ウイン。レース後の会見では坪井翔も山下健太も「目指すは2連勝」と勢いを感じさせた。ただ46kgのサクセスウェイト(SW)はかなり厳しいはず。現実的には表彰台を目指して、しっかりと大きいポイントを手にする形が連覇へのステップであろう。
 その36号車を別にしても、富士はTOYOTA GAZOO Racingのホームコースなので、陣営の各チームは勝ちたい1戦だ。中でも立川祐路監督の新体制で挑むNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)は、開幕戦で4位と手応えを得たはず。移籍の大湯もQ1で2位と本来の速さを示せた。第2戦富士では新エースの石浦と共に、2019年の第2戦富士以来の勝利を期待したい。
 さらに36号車がSW的に厳しいならば、同じトムスのNo.37 Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が、強みを見せる可能性もある。昨年の第2戦富士では予選11位から追い上げて、結果シーズン最高の6位になっている。2年目を迎えた体制で、この富士で大きな実績を掴みたい。

 

   

 

 

■長距離戦の富士では勝負強さの3号車と12号車に注目!

 今季のNissan Z GT500は、現行ZのNISMOバージョンをベース車両に空力を一新している。これまでのGT-R、Zは鈴鹿のようなダウンフォース重視のコースで本領を発揮したが、よりオールマイティ感のあるマシンであるようで、富士でも活躍を見せてくれそうだ。その中で、特に注目したいのが、No.3 Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)だ。3号車は2年連続でタイトルを争っているが、その中で高星の速さは際立つものがある。そして今季3号車のシートを得た三宅もGT500ルーキーながら注目の逸材だ。富士では昨年、雨の第4戦で優勝。確かにミシュランのレインタイヤに利もあったが、荒れた展開でしっかり結果を出した強さもある。すでに今季のブリヂストンタイヤのノウハウも3台で共有しているので、第2戦富士ではNo.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)と共に快走を見せてくれそうだ。
 また、ブリヂストンタイヤのユーザーとして先輩であり、ドライバーコンビも3年目に入ったNo.12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)こそ、長距離戦では安定感があるはず。タイトルを獲った2022年は序盤3戦で苦戦したが、富士での第4戦で2位となってタイトル獲得に繋げた。今季は第2戦富士で好結果を得て、タイトル奪還へ舵を切りたい。

 

   

 

 

■まだ進化途中のCIVIC TYPE R-GT。第2戦で連続表彰台、いや初優勝はなるのか!?

 今季Hondaが送り込んだ新型車CIVIC TYPE R-GT。これまでのNSX-GTとはスタイリングだけでなく、ラジエーターやインタークーラーなど外から見えない補器類のレイアウトも変わって、軽量化や低重心化が図られている。鋭い速さが強みのNSX-GTに対し、現状のCIVIC TYPE R-GTは“長距離や混戦模様”での強みがありそうだ。
 確かに、開幕戦を見れば、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が競り合いを制して3位に入った。もちろん、この100号車が第2戦でも優勝候補の1台だが、他車はまだスイートスポットを見つけられていない感もある。だが成功した100号車のデータは他チームにも反映され、第2戦では5台すべてが底上げされてくるはずだ。
 第2戦富士で注目したいのは、No.8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)だ。開幕戦ではQ1で失敗して最後尾からのレースだったが、それでも8位まで挽回。今回の第2戦は3時間の長いレースだけに、予選で上位につければ最後には優勝を争ってきそうだ。
 そして富士といえば、17号車も強い。それはNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)でも発揮されるはず。新鋭&新加入の太田の速さを塚越が引き出して要所をまとめる流れになれば、2020年・第2戦富士のような、混戦からの劇的な逆転劇の優勝を見せてくれるはずだ。

 

   

 

 

■GT300も富士の実績はGR Supra。しかしGT-R GT3やAMG、BRZも侮れない

 GT300クラスで富士を得意とするのも、やはりGR Supra勢だ。特に先の開幕戦は良い位置を走りながらも表彰台に届かなかったNo.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)は、昨年の富士2戦は第2戦で3位表彰台も未勝利で終わった。昨年チャンピオンとしては、今季最初の富士こそ必勝のレースであろう。その速さはもちろん、タイヤ交換を減らす作戦も採れるマシン特性&ドライバー技量もあるので、優勝争いの本命に挙げたい。また開幕戦を見事なタイヤ無交換作戦で制したNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)。その分サクセスウェイト44kgを積むため、この1戦は少々厳しい戦いかもしれない。だが長距離レースだけに、巧みな作戦と走りで十分表彰台、上位入賞はありえる。彼らがタイトルを目指す上で、重要な戦いになるだろう。

 また、昨年の第2戦富士を制したNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)も侮れない。今季開幕戦はマシンのセットが決まらなかったか、苦しい初戦となったが、近年2度の王者&元GT500のドライバー陣なので、GT-R NISMO GT3が得意とする富士では速さが復活しそう。そして表彰台、いや優勝も有り得そうだ。GT-R NISMO GT3などFIA GT3車両はその特性ゆえに、タイヤ無交換のような作戦は採りにくい。その中でもNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)やNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)などは、ピットタイミングをずらす作戦に出る可能性がある。彼らの動きにも要注意だ。

 

   

 

 また昨年の第4戦富士で天候に翻弄されるもしぶとく5位、富士とレイアウト特性が似ているオートポリスの第7戦で初の表彰台3位を得たNo.31 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁/根本悠生)も、このレースのダークホースと言えよう。SUPER GT唯一のハイブリッドパワーにマシン開発者でもある金曽監督が「このLC500hは富士の様なコースが得意」というだけに、驚く走りが出るかもしれない。そして、もう1台注目車を挙げるなら、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)か。2021年王者のBRZも、富士では速さと実績がある。王座奪還のためにも、ここで弾みとポイントを稼ぎたい。

 

   

 

 

 

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