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Race Report
2024.11.03
Rd.8 決勝GT500:昨年王者のau TOM'S GR Supraが今季2勝目!タイトル連覇に王手を掛ける

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第8戦 モビリティリゾートもてぎ:決勝 GT500レビュー

 2024 AUTOBACS SUPER GT第8戦『MOTEGI GT 300km RACE』の決勝レースが11月3日(日)午後に、栃木県のモビリティリゾートもてぎ(1周4,801m×63周)で行われた。この日は好天に恵まれたもてぎ。GT500クラスは、No.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が今季2勝目を挙げて、シリーズタイトルへ王手をかけた。GT300クラスはNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が予選17位から激走を見せて、大逆転で前戦に続き連勝。この2台は昨年のもてぎ戦でも優勝しており、もてぎ連勝となった。次戦、シリーズタイトルが決まる最終戦は、9月から延期となった第5戦鈴鹿で12月7、8日に開催される。

 

□天候:晴れ| コース:ドライ | 気温/路面温度 スタート時(13:00)21℃/32℃>序盤(13:30)21℃/33℃>中盤(14:00)21℃/32℃>終盤(14:30)21℃/31℃、ゴール時(15:00)20℃/29℃

 

 

 

 

■前日とは異なり好天となり、王者36号車の坪井が速さの本領を発揮する!

 第8戦もてぎは本来のスケジュールでは最終戦として予定されており、原則サクセスウェイト(SW)がないレース(参戦8戦に満たない場合は搭載)となる。だが、今季は9月に予定されていた第5戦鈴鹿が台風の影響で12月7、8日に延期されたため、7戦目の大会として行われるので、SWも獲得ポイント×1kgで搭載される。

 前日の予選は雨と厳しい路面コンディションとなったが、決勝日は爽やかな青空に恵まれ、気温は20度を超える晴天となった。注目の決勝は午後1時に栃木県警察の白バイ5台、パトロールカー5台の先導でこのレースを走る全GTマシンが連なって、交通安全啓発のパレードラップ1周を行い、フォーメーションラップの後に63周の熱い戦いがスタートした。

 スタートでトップに立ったのはポールポジションのNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)。予選2位のNo.8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)が2番手、No.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が3番手と上位は予選順位のままでオープニングラップを終える。

 64号車は5周目までに1.5秒のリードを築くが、6周目に入ったところでGT300車両のトラブルによりコース脇にストップしたため、この日最初のFCY(フルコースイエロー)が導入される。このFCYは7周目に解除されたが、これに合わせて8号車が追い上げを開始。接触も辞さない激しいバトルの末、8周目の5コーナーで遂に8号車がトップに躍り出た。しかし9周目に入ったところでGT300車両の右後輪が脱落するアクシデントが発生、ここで再びFCYが導入されることに。

 FCYは10周目に解除されるが、ここで8号車のドライバー、松下がFCYボタンを解除するのが遅れて暫しスロー走行。この隙を見逃さなかった64号車と36号車が90度コーナーの立ち上がりで先行する。さらに16周目にはNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)に90度コーナーでインを刺されて4番手に後退してしまった。

 2番手に上がった36号車の坪井は53kgものSWをものともせず、11周目の5コーナーで早くも64号車をとらえ、トップに浮上する。すると一気に後続を引き離しにかかり、15周目には6.2秒、20周目には10.1秒の差を後続につけた。3番手に浮上した38号車も17周目に64号車を捕らえて2番手に浮上するが、36号車との差を詰めるまでには至らない。逆に21周目に64号車を捕らえて3番手まで順位を戻した8号車が38号車の背後に迫ってきた。

 

 

 

 

 

 

■終盤は38号車GR Supraと16号車CIVICが表彰台を懸けて激戦を展開

 22周目に入るとGT500クラスの各車は相次いで規定のピットインを始める。2番手の38号車と3番手の8号車は22周目に。4番手に後退した64号車は23周目。そしてトップの36号車は24周目にピットイン。坪井から山下健太に交代したが、ここで10秒以上のマージンを得てトップのままコースに復帰することに成功する。

 レース後半を担当した36号車の山下は走り始めから1分41~42秒台のハイペースでリードを広げる。35周目までに2番手に17秒以上の差をつけると、その後は1分43~44秒台の安定したペースでその差を保ち、最後は2番手に20秒以上の大差をつけて63周を走り切り、開幕戦岡山以来の今季2勝目をものにした。

 その後方では一時4番手まで後退した8号車が38号車を追い上げ、後半を担当した野尻智紀が53周目の3コーナーでついにこれを捕らえて2位でチェッカーを受けた。

 38号車は終盤No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)の佐藤に猛追されたが、後半を担当した大湯都史樹が巧みなライン取りとブロックで若い佐藤のアタックを退け、3位表彰台の座を守り切ってみせた。一方、ポールポジションからスタートした64号車だったが、レース後半はペースに苦しんで大きく順位を落とし、10位でレースを終えている。

 また、予選で下位に沈んだNissan Z NISMO GT500勢は、予選11位からスタートしたNo.3 Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)が中団グループの激しいバトルの中で着実に順位を上げ、最後は7位でフィニッシュしたのを筆頭に、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)が8位、No.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)も9位でポイントを獲得している。

 この結果、2024年のドライバーズランキングは、トップの36号車・坪井/山下組が73ポイントとさらにリードを広げた。一方で、このレースを6位で終えたNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTの山本尚貴/牧野任祐組が56ポイントでランキング2位、レースで3位となった38号車の石浦/大湯組は52ポイントでランキング3位に浮上した。さらにマシントラブルでノーポイントだったNo.37 Deloitte TOM'S GR Supraの笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組も微かではあるが可能性を最終戦に残し、この4チームが12月7、8日の最終戦、第5戦鈴鹿で2024年のGT500クラスタイトルを争うことになる。

 

 

 

 

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