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2014.01.09
2013年SUPER GTマシンを振り返る Part 2 GT500 “Honda HSV-010 GT”

2013年SUPER GTマシンを振り返る Part 2  GT500 “Honda HSV-010 GT”の画像


OFF SEASON SPECIAL -2-

細部が異なったシーズン当初から1つの形へ収れん

 

 

 2014年シーズンを前にSUPER GT参戦のマシンを振り返るというこの企画も第2回。今回はHondaのHSV-010 GTを取り上げてみたい。

 2013年のHSV-010 GTは、開幕戦岡山の優勝(No.100 RAYBRIG HSV-010)はじめ全8戦で3勝を挙げ、ドライバーズランキングでも2位(No.17 KEIHIN HSV-010)に入り、まずまずの結果となった。

 マシンとしては、2012年から見た目以上に中身が変わっていた。2011、2012年とチャレンジしたサイドラジエターから、デビュー年の2010年と同じフロントラジエターに戻した。これにより2012年マシンのセッティングのシビアさが安定方向に向いたと言われる。また、それに併せて、排気管の取り回しや空力面などを開幕前のテストから第3戦ころまでトライ、テストを行い、開幕戦では4台それぞれ微妙に見た目が違うこともあった。そして、第4戦以降は2013年HSV-010 GTの形が定まり、チームやドライバーのセッティング面以外では全車が同じとなった。

 

 

○排気管

 
Rd.1 OKAYAMA No.100 RAYBRIG HSV-010

 


Rd.1 OKAYAMA No.18 ウイダー モデューロ HSV-010

 


Rd.1 OKAYAMA No.32 Epson HSV-010

 

2013型HSV-010 GTの基本は、前輪の後ろからのサイド排気だ。だが、No.18 ウイダー モデューロ HSV-010は、この年からタイヤをミシュランに変更したため、前年とのデータ比較の面から変更点を増やさない方針を採り、後方排気1本出しのままだった。また、No.32 Epson HSV-010は、サイド排気であったが、開幕戦はドア下の部分に排気口を設けていた。開幕戦以降は、空力の効果が良かったフロントフェンダー後方からのサイド排気(No.100 RAYBRIG HSV-010)の形に全車が揃った。サイド排気となった車両でもリアウイングのステーの間にリア1本出しにもできるよう丸く抜ける部分があるのが興味深い。

 


Rd.5 SUZUKA No.18 ウイダー モデューロ HSV-010

 

 

○フロントフェンダー

 
Rd.1 OKAYAMA No.32 Epson HSV-010

 


Rd.2 FUJI No.32 Epson HSV-010

 


Rd.7 AUTOPOLIS No.8 ARTA HSV-010

 

排気管の出し方が変わったため、No.32 Epson HSV-010ではフロントフェンダーのサイド部分タイヤ後方のスリット形状も変わった。また、チームによってはタイヤ後方の斜めスリットが有るものと無いものを使い分けてもいる(第7戦のARTA HSV-010はスリットがある)。

テクニカルコースの第1戦岡山と高速コースの第2戦富士では、タイヤ上方のエア抜きのスリットも変えられている。やはりテクニカルな最終戦もてぎでも岡山同様のスリットのない物が使用されている。

 

 

○フロントミラー

 

Rd.2 FUJI No.32 Epson HSV-010

 


Rd.5 SUZUKA No.18 ウイダー モデューロ HSV-010

 


Rd.7 AUTOPOLIS No.8 ARTA HSV-010

 

フロントミラーは開幕戦では砲弾型の形状だったが、シーズン半ばには横からは鳥のくちばし状に見えるものになった。空力テストにより、わずかでも効率の良い物を追い求める姿勢が出たといえる。

 

 

○リアウイング&ステー

 
Rd.1 OKAYAMA No.17 KEIHIN HSV-010

 


Rd.5 SUZUKA No.18 ウイダー モデューロ HSV-010

 

開幕戦では下からウイングを支えるステーだったが、第3戦以降はウイング下部ではなく、上方から吊り下げる“スワンネック(白鳥の首)”タイプになった。リアウイングもステーの変更に併せて若干形状が変更されている。

 

 

○サイドビュー

 
Rd.1 OKAYAMA No.32 Epson HSV-010

 


Rd.5 SUZUKA No.32 Epson HSV-010

 

開幕戦岡山と第5戦鈴鹿のNo.32 Epson HSV-010を並べてみる。32号車は一番変化の大きかった車両だと思われるが、どう変わっているのか、探してみてほしい。

 

 

※次回は1月16日、Part 3 “LEXUS SC430”をお送りします。

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