混乱のレースを制したのは デンソーサードスープラ! ユニシアジェックススカイライン追い上げ及ばず 不安定な天候に300ZXとNSXは沈む... 朝から小雨が降り、時に止むものの非常に不安定な天気が続く。朝のフリー走行では、雨自体は降っていなかったが路面は完全にウェット状態。そのような状態の中、75 NISSAN 300ZX-GTSが300Rの水たまりに乗ってしまってクラッシュ。フロント部分を大破して、決勝レースに参加することが出来なくなった。 午後になり、雨は止むものの空には黒い雲がかったままで、いつ本格的な雨になってもおかしくない。各チームともタイヤ選択に頭を悩ませた。スタート直前には、霧が発生し視界が著しく悪くなったために、45分間スタートが順延された。フォーメーションラップも2周行われ、決勝周回数が66周と1周減らされた。 スタートで飛び出したのは、レインタイヤを選択した2 ZEXELスカイラインの鈴木亜久里と36 カストロール・トムス・スープラのミハエル・クルムだった。だが、中途半端に濡れた路面と再び発生した霧によって、あちらこちらでスピンやクラッシュが続いた。スタート直後の1コーナー手前で37 カストロール・トムス・スープラ 鈴木利男がコースアウト。辛くも他車との接触やウォールへのクラッシュは避けたがほとんど最後尾まで落ちる。また、デビュー戦で期待された18 avex童夢無限NSX 黒澤琢弥は2周目に100R出口で、他車のスピンを避けようとしたマシンと接触しコースアウト。ピットまで戻ったがダメージが酷く結局リタイア。100 RAYBRIG NSX 飯田章も3周目の100Rでクラッシュしレースを終えた。 3周終了時点で、霧とクラッシュの残骸の除去のためにセーフティカーがコースに入り、6周に渡ってパレードラップになった。この時、混乱を巧みに避けストレートスピードを活かして予選17位から一時は5番手までジャンプアップした88 JLOCディアブロGTR 和田孝夫だが、マシンにバイブレーションを感じてピットイン。結局トラブルでリタイアとなる。 サバイバル。そしてラストスプリントは大激戦!! 再スタート後には、路面が乾きほぼドライコンディションとなり、レインタイヤの2 ZEXELと36 カストロールはペースダウン。15周目には31秒台とひとつ抜けたスピードを見せる5 5ZIGEN SUPRAの田嶋栄一が、2 ZEXELと36 カストロールを一気に抜きはなってトップに立つ。たまらず36 M.クルムはピットに戻りタイヤをスリックに交換。また、39 デンソーサードスープラの影山正美もレインのままがんばる2 ZEXELをかわし、2番手に上がる。そして、3番手に付けたのは13 エンドレスアドバンGT-R 木下みつひろ、そして4 アルファコンピュータポルシェ 金海辰彦だった。4 アルファコンピュータポルシェは追い上げる556 KURE R33 影山正彦、3 ユニシアジェックススカイライン 長谷見昌弘にかわされる。だが、13 木下みつひろは2 ZEXEL 亜久里をも抜いて3番手を走行し、スタンドをわかせた。だが、25周を過ぎる頃からオイル漏れを起こしピットに。デフにトラブルが起きたらしく、表彰台を目前にして無念のリタイアとなった。 30周時点でトップに5 5ZIGEN、2番手に39 デンソーと2台のスープラ、以下556、3、12 カルソニックスカイラインとスカイライン勢、6番手に30 綜合警備PORSCHEが続く。この頃から各車ルーティンのピットインとなる。35周目に5 5ZIGEN SUPRAは田嶋からグーセンに交代。だが、そのわずか4周後にグーセンは1コーナーでスピンアウト。グラベルにはまり込んでリタイアとなった。これで、トップは39 デンソーサードスープラ。そして42周目には、やはり影山正彦から代わったばかりの556 KURE R33 近藤真彦が同じ1コーナーでグラベルに捕まり、レースを終える。 この頃、またもや霧が濃くなりセーフティカーがコースに。7周に渡ってパレードラップとなる。この時点の順位は39 谷川達也、3 田中哲也、そして、タイヤ交換で1回よけいなピットインをした36 トムス・スープラが、クルムから引き継いだデ・ラ・ロサの驚異的な追い上げで3番手に。4番手もレインタイヤ選択で遅れた2 ZEXEL 亜久里/アピチェラが盛り返している。 再々スタートは59周目。残りはわずか7周のスプリント。トップの39 谷川と2番手 3 田中の差は約6秒ほど。2台の間には、数台の周回遅れがいたが、田中はわずか1周ですべてを抜き、39 谷川との間が一気に4秒となる。だが、ここで谷川も最後のガンバリを見せ、互いに32秒台を叩き出す好走をみせる。結局、わずか3秒差で39 谷川が逃げ切り、トヨタチームサードにGTC初優勝、スープラに今季初勝利をもたらした。3位は36 デ・ラ・ロサと2 アピチェラがバトルを繰り返すが、こちらもスープラのデ・ラ・ロサに軍配が上がり36 カストロール・トムス・スープラが表彰台の最後を手に入れた。 タイサンスターカードRSR 巧みなレース運びで今季初勝利! 健闘!!フェラーリF355が4位入賞で初ポイントを挙げる GT300クラスは、まず予選クラス2位の25 つちやMR2 土屋武士がレインタイヤの強みで飛び出し、なんとGT500クラスをも喰って総合8位にジャンプ。2番手には71 シグマテック911の星野薫。そして、レインコンディションを得意とする7 RE雨宮SuperG RX7 山路慎一がスリックタイヤながら続く。クラスポールの19 RS☆Rシルビア 福山英朗は出遅れ、クラス7番手と順位を大きく下げてしまう。 だが、路面の乾燥と共にレインタイヤの25 土屋は辛くなり、スリックへの交換のためにピットストップ。ここでトップに立ったのは71 星野薫。10周目、再スタートで7 山路がトップに。だが、51 コブラポルシェ 池谷勝則、71 シグマテック911、そしてディフェンディングチャンピオンの26 タイサンスターカードRSR 鈴木恵一が予選クラス9位から巧みに順位を上げ、トップ争いに加わる。 35周目に急にペースが落ちた25 つちやMR2はピットインするもののドライブシャフトトラブルでリタイヤ。36周で7 RX7は、山路から松本晴彦へとドライバー交換を行う。40周目の段階では51 コブラポルシェがトップを走っていたが、黄旗追い越しのペナルティで10秒のピットストップ。代わってトップには26 タイサンスターカードRSRが浮上。 42周目から再び天候が悪化し霧が濃くなり、セーフティカーランに。そしてラスト7周のスプリントレースとなり、約1周のマージンを得ていた26 タイサンが今季初優勝を遂げた。2位争いは7 松本とトラブルながらマシンを巧みに操り序盤の遅れを盛り返した開幕戦の覇者19 RS☆Rシルビア 織戸が激しくバトルを行う。結局19 織戸がこの激戦を制し2位となる。そして、終盤のスプリントで51 コブラ、72 シグマテックの2台のポルシェを抜き、27 TEAM FCJフェラーリが4位に入り、スタンドを大いにわかせた。 No.39 DENSO SUPRA ■影山正美:「スタート前からスリックを履いて行くつもりで、待たされているときは結構怖かったですよ。でも、みんなスリックに変えちゃったから(笑)。 途中、田嶋君に抜かれたけど向こうはソフト目のタイヤだと、路面のコンディションが良くなれば絶対挽回できると自分に言い聞かせて我慢しました。自分でも冷静に行けたと思います。 谷川君に代わるときは45秒のマージンがあったし、彼はテストでもいいタイムを出していたので心配はしてなかった...。でもペースカーが入って差が詰まったときは、シビレましたけど(笑)。 ハンデについては、珍しく兄貴(正彦)に聞いたんです。そしたら50kg超えたら効くぞって言われまして...。次は4位、4位で行って少し軽くしようかな(笑)。昨日誕生日だったんで、ホント最高の日でした。これまで誕生日のレースって、ロクなことなかったからね(笑)」 No.39 DENSO SUPRA ■谷川達也:「このチャンスを与えてくれたサードのみなさんにお礼を言いたいです。でも、今日、僕はレースをしてません。なんかずーっとペースカーの後ろに付いて走ってただけです(笑)。 最後、田中さんが追っているのは、ミラーで見えて分かってました。思ったほど詰まってこないから大丈夫と思ってました」 No.26 TAISAN STARCARD RSR ■鈴木恵一:「最初からスリックでいった。だから、5、6周は我慢の走りをした。8周もすると路面も良くなってきたんで、ペースアップできた。前の方でスピンしてたクルマもいたしね。クルマもタイヤも問題ないよ。とりあえず勝てたけど、まだ鈴鹿の汚名を晴らしたわけでないから。次、勝ってからだね。そう、去年は90kgっていう最大ハンデを背負ったけど、今年は限度いっぱいの100kgのウエイトを早く背負ってみたいね(笑)」 No.26 TAISAN STARCARD RSR ■新田守男:「回りがドタバタして、ノーミスだったウチがトップになったって感じです。前回の鈴鹿は、福山さん(No.19 RS☆Rシルビア)の呪いに負けたから、今度は呪い返して上げました(笑)。1勝1敗でこれで五分ですね。車も恵一さんとのコンビも2年目でとても良く分かってます。今年も2人でチャンピオンになれるようがんばります」 |