スープラ、圧倒的な速さを魅せる
予選で無敵!?
Castorl TOM'S SUPRAが4連続ポール獲得
5、6位は2台のNSXが滑り込む
Round 4 JAPAN SPECIAL GT Cup
9 Aug '97
Practice Report
8月9日、全日本GT選手権第4戦JAPAN SPECIAL GT CUPの予選が富士スピードウェイで行われた。当初からトヨタ・スープラの優勢が予想されていたが、前評判通り1位から4位までを独占。これに対抗するように2台のNSXが続いた。一方、スカイラインGT-Rの最上位は10位と思いの外に苦しい状況に追い込まれた。
スープラ!スープラ!!スープラ!?
折から接近中の台風の影響からか、富士スピードウェイには強い風が吹き、黒い雲が通りかかる微妙な空模様。そのため、予選の序盤から各車早めのアタックに入っていった。まずは5分ほどで、No.38 カストロール・セルモ・スープラの竹内浩典が早くも1分30秒を切る29秒8を記録。そして、28秒台へとタイムを上げていく。すると10分後には第2戦富士のポールシッターであるNo.36 カストロール・トムス・スープラのミハエル・クルムが1分28秒625と、自らが第2戦で記録したコースレコードをコンマ187秒上回るタイムを記録しリーディングボードのトップに立った。3番手にもNo.8 POWER CRAFT SUPRAのワイン・ガードナーが付け、それに続くのはNo.510 RH CERUMO SUPRAのベルトラン・ガショー。スープラの優勢が伝えられてはいたが、早くもその速さを見せつける様相を呈してきた。
スープラ打倒にはNSXが名乗り
このスープラ勢に続いたのは、ホンダNSXの2台。前回の仙台ハイランドでは、ミッショントラブルで早々に戦線を離脱したNSXだが、今回はその対策も十分に行い、大きなトラブルもなく予選を進める。その中で、まずNo.100 RAYBRIG NSXの飯田章が1分29秒800で4台のスープラに続く5番手に進出。そして、No.18 avex童夢無限NSXもそれに続く6番手につける。そして、No.18 黒澤琢弥はアタックのタイミングを掴んで1分29秒780でNo.100を抜いて5番手となった。
苦戦必死か。トップスピード不足に悩むGT-R
前戦仙台ハイランドでは、97年式スカイラインGT-Rがデビュー。その1台であるNo.2 ZEXELスカイラインは、あと一歩で優勝というパフォーマンスを見せた。だが、この富士ではその片鱗をわずかにも見せることが出来ない。1回目の予選中盤では8番手ほどに付けているが、終わってみれば、最上位はNo.2 ZEXELスカイライン。その順位はなんと10位。40kgのウエイトを積みタイムアップに悩むNo.39 デンソーサードスープラGTを除くすべてのスープラがその上に居る。さらにはNSXにも先を越されてしまった。
午後。スカイライン勢はより上位への進出をもくろんでいたが、なんと予選2回目が始まったころから、雨粒がコースに落ち始める。5分を過ぎる頃には路面はうっすらと水を帯び、タイムアップを見込める状態ではなくなった。結局、午前に出走できなかったマシンを除きタイムを更新はなく、上位陣は午前の結果のまま予選順位を確定。ポールは、第2戦の富士同様にNo.36に。そしてカストロール・トムス・スープラとしては4戦連続ポールポジションの快挙である。
一方、予選10位に甘んじたNo.2 鈴木亜久里は「予選の一発では勝てない。でも、レースでのアベレージスピードはそれほど差はない」と言うが、その差は1秒以上。そして今回のレースは56ラップ、250kmとやや短め。このレースでのグリッド5列目はかなりのハンデといえる。
2位になんと2秒差!?
GT300はつちやMR2が今季初ポール
GT500でのスープラの強さが目立ったように、GT300では前戦仙台ハイランドで初優勝を飾ったNo.25 つちやMR2が圧倒的な速さを見せた。そのラップタイムは1分35秒197。2番手につけたNo.81 ダイシンシルビアを2秒以上引き離す快走だった。3番手には、このところ徐々に実力を発揮しつつあるNo.27 TEAM FCJ フェラーリの太田哲也が入る。しかし、セカンド・ドライバーのアンダース・オロフソンが乗った直後にマシントラブルを起こし、彼は1回目の予選でタイムを記録できなかった。そして、2回目は雨。規定タイム更新ができないとせっかくの順位が取り消されてしまう。すでにレインコンディションに入ったコースをオロフソンは攻め、1分47秒958をたき出す。このタイムがラップモニターに表示された時、ピット内では安堵の大きなため息が漏れた。
ミハエル・クルム Michael Krumm
Time - 1'28.625 (Course Record)
No.36 Castrol TOM'S Supra
「今日の予選結果は、カストロール・トムス・チームにとって今季4回目のポールポジションであると共に、スープラの強さを証明できた素晴らしい予選だった。マシンも完璧でしたし、アタックのタイミングも、コンディションも完璧でした。このままの勢いで決勝も終われれればと思います。明日はチャンピオンシップにとって大変重要なレースですが、すべてうまくいけば、自分たちに一番チャンスがあると思う。心配なのは、明日の天気と自分のミスだけ。40kgの重量ハンデについては。(以下日本語で)スゴクイイバランスニナッタトオモイマス(笑)。ホント!」
GT300 TOPDRIVER
土屋武士 Takeshi Tsuchiya
Time - 1'35.197
No.25 TSUCHIYA MR2
「アタックラップはコースもクリアで、ほんと完璧な状況でしたから、2位に2秒近い差がつけられたのだと思います。この結果にはとても満足です。でも、こんなにタイム差が付くとは予想もしていませんでした。でも、車には元々ポテンシャルがあるんです。NAの時からストレートが遅くてもコーナーで詰めて、シルビアなどのコンマ数秒落ちでしたから。ターボが付くことでストレートでも付いて行けるようになってタイムも同等になったんです。前戦ではまだターボラグが大きかったんですが、今回対策してきてパワー自体は少し落ちましたがとても良くなったんです」
JAPAN SPECIAL GT CUP Qualify Certifications
Fuji International Speedway (4.470km)
8.9 Sat. | Wether: Cloudy/Rain | Course: Dry/Wet | SEIKO TIMING
Po |
No |
C-Po |
Driver |
Machine |
Time |
1 |
36 |
500 |
1 |
M.クルム/P.デ・ラ・ロサ |
Castrol TOM'S SUPRA |
1'28.625 R |
2 |
38 |
500 |
2 |
竹内浩典/金石勝智 |
Castrol CERUMO SUPRA |
1'28.783 R |
3 |
8 |
500 |
3 |
W.ガードナー/T.クリステンセン |
POWER CRAFT SUPRA |
1'29.161 |
4 |
510 |
500 |
4 |
B.ガショー/P.ベルモンド |
RH CERUMO SUPRA |
1'29.607 |
5 |
18 |
500 |
5 |
黒澤琢弥/山本勝巳 |
avex 童夢 無限 NSX |
1'29.780 |
6 |
100 |
500 |
6 |
高橋国光/飯田 章 |
RAYBRIG NSX |
1'29.800 |
7 |
37 |
500 |
7 |
関谷正徳/鈴木利男 |
Castrol TOM'S SUPRA |
1'29.865 |
8 |
5 |
500 |
8 |
田嶋栄一/M.グーセン |
5ZIGEN SUPRA |
1'29.875 |
9 |
39 |
500 |
9 |
影山正美/谷川達也 |
デンソーサードスープラGT |
1'29.939 |
10 |
2 |
500 |
10 |
鈴木亜久里/E.コマス |
ZEXELスカイライン |
1'29.965 |
11 |
556 |
500 |
11 |
影山正彦/近藤真彦 |
KURE R33 |
1'30.157 |
12 |
3 |
500 |
12 |
長谷見昌弘/田中哲也 |
ユニシアジェックススカイライン |
1'30.438 |
13 |
13 |
500 |
13 |
木下みつひろ/藤村満男 |
エンドレス アドバン GTR |
1'30.633 |
14 |
12 |
500 |
14 |
星野一義/本山 哲 |
カルソニックスカイライン |
1'31.015 |
15 |
10 |
500 |
15 |
飯田 薫/R.ファーマン |
シャトレーゼ・ポルシェGT2 |
1'31.548 |
16 |
30 |
500 |
16 |
山田洋二/茂木和男 |
綜合警備 PORSCHE |
1'31.889 |
17 |
34 |
500 |
17 |
土屋圭市/松田秀士 |
STPタイサンアドバンGT-2 |
1'32.311 |
18 |
4 |
500 |
18 |
金海辰彦/駒 光武 |
ダンロップ ポルシェ |
1'34.004 |
19 |
25 |
300 |
1 |
土屋武士/長島正興 |
つちやMR2 |
1'35.197 |
20 |
7 |
300 |
2 |
山路慎一/松本晴彦 |
RE雨宮SuperG RX7 |
1'37.371 |
21 |
27 |
300 |
3 |
太田哲也/A.オロフソン |
TEAM FCJ フェラーリ |
1'37.646 |
22 |
81 |
300 |
4 |
大八木信行/木下隆之 |
ダイシンシルビア |
1'37.696 |
23 |
19 |
300 |
5 |
織戸 学/福山英朗 |
RS☆Rシルビア |
1'37.743 |
24 |
26 |
300 |
6 |
鈴木恵一/新田守男 |
タイサンスターカードRSR |
1'37.796 |
25 |
6 |
300 |
7 |
加藤寛規/藤田孝博 |
ワイズダンロップBP MR-2 |
1'37.841 |
26 |
21 |
300 |
8 |
一ツ山康/水野文則 |
ダンロップ-BP-BMW |
1'37.872 |
27 |
51 |
300 |
9 |
石原将光/池谷勝則 |
コブラポルシェ |
1'38.512 |
28 |
71 |
300 |
10 |
星野 薫/城内政樹 |
シグマテック 911 |
1'38.926 |
29 |
910 |
300 |
11 |
袖山誠一/玉本秀幸 |
ナインテンポルシェ |
1'39.006 |
30 |
72 |
300 |
12 |
牧口規雄/浅見 武 |
WAKO'S BMW M3 |
1'39.266 |
31 |
55 |
300 |
13 |
深沢寿裕/長島正明 |
Castrol SF RX7 |
1'39.467 |
32 |
91 |
300 |
14 |
松永雅博/三原じゅん子 |
バーディークラブ・MR-2 |
1'40.176 |
33 |
20 |
300 |
15 |
高橋健二/須賀宏明 |
アイ・オートGABポルシェ |
1'40.612 |
34 |
88 |
500 |
19 |
和田孝夫/和田 久 |
JLOC ディアブロGTR |
1'40.678 |
35 |
79 |
300 |
16 |
杉山正典/青柳裕易 |
ナックウエストシルビア |
1'41.043 |
36 |
28 |
300 |
17 |
山崎正弘/杉山正巳 |
TEAM FCJ フェラーリ |
1'41.940 |
37 |
60 |
300 |
18 |
佐藤久実/田中 実 |
ワイズダンロップBPキャバリエ |
1'42.126 |
38 |
16 |
300 |
19 |
関根基司/藤島敏也 |
YB BMW 325iクーペ |
1'42.318 |
39 |
70 |
300 |
20 |
石橋義三/小宮延雄 |
外車の外国屋アドバンポルシェ |
1'42.357 |
40 |
17 |
300 |
21 |
野上敏彦/細野智行 |
東京科芸専:REロードスター |
1'44.129 |
41 |
47 |
500 |
20 |
山本正人/岡本克彦 |
アドバンスオートGTカマロ |
1'44.764 |
42 |
333 |
300 |
22 |
清水正智/佐伯重和 |
ポルシェ |
1'45.504 |
43 |
15 |
300 |
23 |
小田切毅/小野田貴俊 |
カムコワークステーションGTR |
1'46.927 |
|
|
23 |
300 |
24 |
平野敏行/久保山久徳 |
ヒラノモータースポーツR32M |
出走せず |
参加台数:44/出走台数:43
予選通過基準タイム (130%) 1'55.513
'R'マークの車は,コースレコードを更新しました 従来のレコードタイムは 1'28.812
提供 : Fuji International Speedway
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