Round 4
JAPAN SPECIAL GT Cup in FUJI Speedway




Practice Day Report

Friday, 8 Aug 97


5 5ZIGEN SUPRA

 前回の富士のレースで一時トップを走り、惜しいレースを落としているだけに今回は気合いが入っている。田嶋栄一によれば、「ウチはテストを全然していないんで、他のチームより出だしは遅れているんですけどね。でも思ったよりパッパッと順調に来てますよ。最終コーナーがまだちょっと遅いんですけど、それが決まれば、かなりいけそうです。タイヤも悪くないんで、予選はひょっとしたら……」とのこと。もちろん決勝も、「相棒のグーセンは予選では2秒くらい違うんですけど、決勝レースのラップはそれほど差がないので問題ないです。前回落としたチャンスを引き寄せられれば、いい線いけるんじゃないですかね」と自信を見せていた。


39 デンソーサードスープラGT

 前回の富士で優勝し、現在ランキング2位。金曜日には40kgのハンデを背負いながら総合で8番手と、タイム的にもまずまずだった。だが影山正美は満足いかないようす。「ウチのクルマは97年型スープラの1号車で、テストなんかでかなり走り込んでるんで、もうそろそろ賞味期限切れかなって感じなんです。だから予選でフロントローをとるのはむずかしいでしょうね。でもここで勝たないとチャンピオンに近づけないからなぁ…。チームには新品シャシーにしてほしいって言ってるんですけど、ちょっとそれもむずかしいみたいだし…」と、ちょっとボヤキが入っている(?)。


2 ZEXELスカイライン

 現在ポイントリーダー。鈴木亜久里は、前戦の仙台ハイランドではあと少しのところで2勝めを逃しているだけに打倒スープラに燃えていると思ったのだが、金曜日のフリー走行では9番手と今ひとつ。しかし、「もうちょっとはいけたと思うよ。ただアタックに出ると遅いクルマにひっかかったりしたんで、こんなもんでしょ。え、それがなければ29秒台前半までいけたかって? それはムリ、ムリ。予選は30秒0くらいじゃないかな。スープラには:いつかないよ。でも決勝はゼンゼン大丈夫だよ。コンスタントなラップはスープラと変わらないから」と、自信は失っていないようすだった。


3 ユニシアジェックススカイライン

 ラリー・レイド・モンゴルで優勝を飾って帰国した長谷見昌弘。「いやぁ他が壊れたからだよ」と謙遜するが、「去年よりスピードは全然速かったからね。今度はパリダカでいい成績を残したいね」と、早くも次の目標を見定めていた。しかし、今回のレースはどうも調子が今ひとつ。「今回スカイラインは基本的に遅いよ。スープラはストレート速いし、NSXはコーナー速いし。しかも同じスカイラインでもNISMOの2台はいろいろと新しいことやってるんで、ウチと星野のところより速いんだよね。ウチが遅い直接の原因はアンダーオーバーがなおらないからなんだけど、コーナーのRの大小で挙動が違うんだよ。これがそう簡単になおる症状じゃなくてね。予選までにはなんとかしなくちゃいけないんだけど、ちょっと厳しいね」ということで、悩みは深いようだ。


47 アドバンスオートGTカマロ

 今回がデビューとなるニューカマー。クルマは元来はIMSA用で、'96年のJPレースで走行したものがベース。パイプフレームにカウルを被せたを構成で、今回は欠場している#75 300ZX GTSとよく似た造り。パイプフレーム製のボディは耐久性にも優れるが、車重が1027kgと軽いため100kg近いウエイトを搭載しなければならない。パワーユニットはシボレーの350と呼ばれる5.7LのNAのOHVエンジンだが、これにボーリングを施したため5886ccに拡大されている。リストリクターの装着でパワーは530psから400ps程度までダウンしているという。「クルマをGT用に改造するため、あわててエアジャッキと給油口の装着をしました。走っているカッコは円盤みたいで評判はいいと思う。リアバネが4kgの段階で1分38秒台のタイムが出ている」とはメインテナンスを担当するススキレーシングの須々木社長。オーナー兼ドライバーの山本正人氏は、「プライベーターなんで金銭的になかなか厳しく、3年がかりで2000万円ぐらいの予算でなんとかデビューにこぎつけました。今回は来シーズンへの準備といったところです。N1耐久でもGTRだと1年で同じぐらいの予算がかかるんで、プライベーターの範囲でできるIMSA仕様のクルマということで注目していただければと思います」。タイヤはGTCでは唯一のグッドイヤーで、16インチにフロント12J、リア14Jのホイールを装着する。シェイクダウンから使用しているが、「ソフトだと3周しか持たない。タイヤの特性がまだ把握出来ていないから苦戦しています」(須々木氏)。


60 ワイズダンロップBP キャバリエ

 こちらも今回がデビュー戦。今シーズンGTCに参戦しているクルマのなかでは唯一の前輪駆動となる。「スーパーツーリングスペックのマシンを、FFのまま耐久仕様にしてどこまで戦えるかでやってみようと言うことになりました。シャシーが重いんでボディも重い。全長は市販車と同じですが、60mmのワイドボディになっています。今回はスケジュール的にギリギリです」と言うのはクラフトの平岡監督。実際、マシンが出来上がったのは木曜の夕方で、ドライバーの佐藤久実は「ここまでの本格的なレーシングマシンはドライブするのは初めてです。N1耐久もFF続きで、GTまでFF(笑)。JTCCよりもタイヤが太いんで、キックバックがすごいんです」。 “スーパーツーリングの2ドア版”と言えるキャバリエだが、エンジンは同じチームのMR2がターボに換装したために流用できるNAの3S-GE。パワーは295ps程度で、Xトラックの6速シーケンシャルで、18インチの9J(フロント)、8J(リア)のホイールを装着している。


17 東京科芸専:REロードスター

 前戦の仙台ハイランドでデビューする予定だったが、トラブルで延期。仕切り直しの1戦となった。野上敏彦によれば「筑波でやったメディア対抗のユーノスレースのとき、ラストのスポーツ走行で走らせてもらいました。単独のデモランでもよかったけど万が一動かなかったらカッコつかないでしょ(笑)。このときは10周走りました。一緒に走ったユーノスのノーマルのお客さんが喜んでくれましたよ。今回は3度目の正直で決勝を走りたいですね」とのこと。


38 カストロール・セルモ・スープラ

竹内浩典「もうちょっとだったんですけどね。完全にクリアラップで、『エイヤーッ』で出したタイムがクルムとコンマ16くらい違いますから、あとどうしたらいいですかね。なんか秘密兵器があったら教えてください(笑)。ウチは午前中2セット使っちゃいましたから、午後にもう1回いくとしたら、程度のいいほうを選んでになります。でもそこでクルムのタイムを上回っても、むこうはもう1セット残してますから、逆転される可能性が高いですね。でもクルマはかなり決まってきてますよ。とくに最終コーナーからストレートにかけてが速いですね。スカイラインは簡単に抜かせてもらいました(笑)。残り3戦は全部表彰台に立つつもりで、そのうち1回は勝ちたいと思っています」


100 RAYBRIG NSX

飯田章(「うーん、どうもパッとしないですねぇ。ホントは28秒台くらいまでいけると思ってたんですけど、ダメでした。エンジンがちょっとミスファイアしてたせいもあるんですけど、なんででしょうかね。フィーリングとしては悪くないんですよ。とくにコーナーはすごくいい。足は悪くないんです。最終コーナーなんかすごくいい感じだし。でもそれがストレートのスピードにつながらないんですよ。スープラなんかスリップにすら入れてもらえないくらいですから。やっぱり夏場はNAエンジンに不利なんでしょうかね。午前中はタイヤを1セットしか使いませんでしたけれど、午後はアタックするかどうか様子を見てから決めます。あまり意味がないようだったら、アタックせずに、本番用にセットを煮詰めたいですね。とにかく完走したいんです、今回は。ただ前回壊れたミッションがまだ不安なんですよ。一応対策はしてるんですけどね」


8 POWER CRAFT SUPRA

尾篭監督「ベストを出したのはガードナーですが、二人とも同じくらいのタイムを出してます。最後、GT300との混走の状態で、20周くらい使ったタイヤで30秒ギリギリまでいってますよ。午後はもう1セット残ってますからもう1アタックいきます。でも、雨がちょっと心配ですね」


510 RH CERUMO SUPRA

岩井エンジニア「仙台は急だったので準備不足だった。今回はテストからまずまず順調にきている。午後はもう1回アタックしますが天気がどうなるか…。No.37もちゃんとアタックしてないし…。この順位をキープしたいですね」