Round 3
SUGO GT Championship in SPORTSLAND SUGO




Race Day Report

Sunday, 26 Oct. 97


チャンピオン候補にきく

No.36 カストロール・トムス・スープラ

ミハエル・クルム「予選は9番手ですからあまりよくなかったです。午前中にエンジンに問題があってタイムが出なかったんですが、午後エンジンを換えて9番手のタイムが出ました。でもあとコンマ1秒速かったら、7番手でNo.39の前に出られたので、それが残念です。今90kgというハンデが載っているんですが、それがここの上り坂とブレーキングできびしいので、今日の感じとしてはあまりうれしくないですね。明日は、勝つのはちょっと難しいでしょう。それより自分たちのクルマはコンスタントにタイムが出ているので、それを利用して、また前回もそうだったようにピット作業をうまく使って、きちんとペドロに渡したいです。それでペドロが抜いてくれればなおいいですね。(最後に日本語で)デモ、トテモオモイデス」

ペドロ・デ・ラ・ロサ「ボクは、明日のことはあまり心配していません。というのも、クルマはコンスタントにタイムが出るようになっているものですから。確かに90kgというハンデはありますけれど、そんなには心配していません。明日重要なのはインテリジェンス、つまり頭を使ったレースといえるでしょう。我われのチームは、No.36にもNo.37にも両方にチャンピオンのチャンスがあるわけで、チームが頭を使って、どちらからピットに入れるかをまず決めなければいけません。そのうえでピットワークが非常に重要になってくるでしょう。デンソー・スープラをチームプレイで抑える可能性については、No.37がチャンピオンを取れる可能性がなくなったとわかれば、ありうる話だと思います。ただ両方ともチャンピオンの可能性があるわけですから、状況を考えながら運転しなければいけないですし、チームもそれをよく考えなければいけません。そこが明日のレースの重要なキーになると思いますね。(最後に日本語で)ドウモアリガトウ、ソレデモガンバリマス」


No.19 RS☆Rシルビア

福山英朗「おかげさまでウチも今日ポールポジションとれまして…(笑)。とれてなかったっけ? 結局10番手ですね。まぁあんまり重たい重たいという話はしたくないんですが、そんなこと考えててもしかたないんで、あんまり考えないようにしています。だけどこれまでウエイトが増えるたびにチームが総がかりで対応してくれたんですけれど、ここまで来るとさすがにどうしようもない。何やってもクルマが反応してくれないところまできちゃいまして、しょうがないですね。明日は、たぶんレースは荒れるでしょうから、ぜひとも武士くんにはトップとって、ポイントを接近させてもらって、あとは日ごろの行いがいいほうにチャンピオンが転がり込むんじゃないかと思います。ところが最近、新田守男の行いがちょっとよくなっちゃったし(笑)、恵一さんは7時くらいに寝ちゃうらしいし(笑)、結構不利かなあって感じですね。8ポイント差というのは、ラップタイムが同じだったら大きいですね。でもタイムがちょっと違うので、さほど大きいとは言えないんじゃないでしょうか。序盤で上にいきたいんですが、肝心なところが遅いですから、多分いけませんね。だからホントに武士くんに勝ってもらって、間違っても恵一さんを勝たせないように、今日同盟を結びたいと思います(笑)。あ、でも武士くんは師匠が恵一さんか…。それに一番の問題は織戸の日ごろの行いなんだよなぁ(笑)。まぁ正直なところ、今回はほんとうにきびしいです。今年一番の気合いの入った予選をやったんですが、この程度なので、やはりいろんな混乱が起きてくれることを祈りたいと思います」

織戸 学「ボクも福山さんと同じです。とりあえず最終戦まで来て、チャンピオンに王手をかけてますんで、それに向かってチーム全員がほんとうに一生懸命やっているので、なんとか明日いいかたちでGTのシリーズを終えたいなと思ってます。今日の結果ではなく、明日のゴールしたときの順位とポイント、それだけ考えて頑張りたいと思います。ただ100kgのハンデは、80kgまででは感じなかったものがいろいろ出てきちゃった気がしますね。とくにここのコースのせいもあると思うんですが、すごく重いんです。金曜日ここで初めて乗ったときに、なんか全然違うクルマに感じられましたから。とくに上りの区間が遅いのと、ブレーキの制動距離が伸びちゃうんで、全般的に遅くなっちゃいますね。それでも今までウチのチームはピット作業とかいい感じにできてたんで、明日もそれをやって、頑張りたいですね」


No.39 デンソーサードスープラGT

影山正美「ベストをつくして頑張ります。暑くても寒くても、雨さえ降らなければ関係ない。とにかくNo.36の前にいないと。5ポイント差をつけないとね」


No.26 タイサンスターカードRSR

新田守男「いくだけいくしかない。ウエイトを積んでるわりには思ったほど悪くはないって感じかな。ただ、決勝はきびしいでしょう。ストレートスピードがつちやMR2より12km/h遅い。シルビアとは最終コーナー立ち上がりでほとんど一緒。80kgと100kgの差はもちろん大きいけれど、実質はあまり変わらないと思う。シルビアのほうは20kgの差を感じてるかもしれないけれど、ウチは有利だとは思っていない」


19 RS☆Rシルビア

織戸 学「昨夜、足回りのセッティングを大幅に変えたんですが、それが大正解だったようです。もう昨日までとは全然違いますね。すごくよくなりました。燃料がカラでも満タンでもタイムが出てますし、かなりいけそうな感じです」


25 つちやMR-2

土屋武士「朝は、走り出してすぐターボが壊れて、今交換中です。タービンの羽が欠けたみたいです。でも朝のうちでよかったですよ。決勝中でなくてラッキーって感じですね。昨日のうちにフル満タンのテストも終えているので、朝走れなかったのはまったく心配していません」


910 ナインテンポルシェ

玉本秀幸「昨日の予選タイムが取り消しになったのは、午後、ガーニーフラップをダウンフォースをつける方向で調整したら、それが規定より7mm出っ張ってしまったためです。午前は出ていなかったんで、そのタイムは認めてほしかったんですけど…。今朝のタイム(クラス3番手)はダンロップのソフト系タイヤがよかったから。予選で使った中古なんですけどね」


26 タイサンスターカードRSR

新田「今朝のタイム(クラス8番手)はほぼ満タン状態でのもので、ウチとしてはこれくらいでしょう。29秒台ではいけないでしょう。路温はもうちょっと上がったほうがいい。まあ陽も出てきたし、このままということはないでしょう。予選順位が4位から3位に繰り上げになったのはうれしいですね。でも、ナインテンのペースは結構速いから、すぐ上に来ちゃうと思うと思うけど」


51 コブラポルシェ 池谷「今は2番手だったみたいね。予選用仕様はないんで、決勝も予選と同じようなタイムで走れるのが強みです。燃料は60リッター積んでました。本番もこれでスタートします。タイヤは路温が低かったのにきちんと発熱してくれた。決勝でも問題ありません。最終戦だから、表彰台の片隅でもいいから上りたいね」


81 ダイシンシルビア

大八木信行「今はほぼ満タンでのトップタイムでした。予選で足りなかったところを補った決勝セットがうまくハマったようです。MINEあたりからいい方向に来てはいたんですよ。今シーズンは途中でBSからダンロップに替えたんですが、ダンロップがよくやってくれてます。ライフも保つし、予選もいいタイムで走れる。今朝も木下さんが『イイゾ、イイゾ』と評価してました。決勝では、テストからやってきたことの結果をしっかり出したいですね」


39 デンソーサードスープラGT

影山正美「クルマは決まってますよ。満タンのテストでもOKでしたし…。No.36がタイム上げてきてますけど、あれは一発でしょ。ウチはコンスタントにいけますから大丈夫です。ま、でも、他のクルマのことはあまり考えずに、とにかくミスなくやります。1台でも前に行くだけですね。やるだけのことをやって、悔いのないようにしたいです。ボクのレース人生で全日本タイトルに挑むのは2度目で、F3のときはタイトルをとりそこなってます(インサイドレポート班注 '94年全日本F3選手権でM.クルムに次いでシリーズ2位)から、今回はぜひとりたいですね。それにあんまり外人ばっかりタイトルとるのもおもしろくないでしょ」

谷川達也「タイトルは意識せずいつも通り淡たんといくだけです。あせらずじっくりいけば、結果はついてくるでしょう。とにかくNo.36より前でゴールしますよ」


3 ユニシアジェックススカイライン

 朝のフリー走行の後、フロントのダンパーを交換していた。「今ごろこんなことやってるんだから、どれだけクルマに苦労してるかわかるでしょ?(笑)」と長谷見昌弘。「ちょっとフロントを柔らかくしてるんだ。ハネる箇所があったんでね。それにしてもスカイラインはきびしいね。ストレートがこんなに遅いんじゃ勝負にならないよね。それに6気筒で前が重いから、リアに荷重がかからないんだよ。だから燃料が満タンでもカラでもタイムがおんなじなんだ。ま、スカイラインはどこもみんな渋い顔してるでしょ。星野のとこなんか、おっかないから行かないほうがいいよ(笑)」


○決勝前のにわか雨

 午前中は気温は低いながらも澄み渡っていた青空が、決勝を前にしてにわかに曇り、細かい雨がパラついてきた。ポールスタートのNo.100 RAYBRIG NSXの飯田章に「雨はどうですか?」と水を向けると、「ダメ」と一言。No.18 avex童夢無限NSXの黒澤琢弥も「走ってないからわからねェ」と、表情はあまりさえない。しかし、NSXが雨で不利というわけではないようだ。トムス(No.36 / 37)の伊藤エンジニアは、「NSXがダメと言ってるのはフィーリングの問題でしょう。仙台ハイランドでも雨で妙に速かったし、データ上ではウチが完全に負けてます」という。そうは言っても、もちろんトムスが勝負をあきらめてしまったわけではない。「雨の作戦というのはとくにありません。ウェットタイヤで走るだけです。でも、レースはなにがあるかわかりませんから。とくに雨だといろんなことがありますからね」と、虎視耽々と勝利を狙っているようすだった。

 一方、GT300クラスでは、予選トップのNo.25 つちやMR-2の土屋武士が「雨はやみますよ。やまないと帰る(笑)」といえば、No.26 タイサンスターカードRSRの鈴木恵一も「ダメ(笑)。ダンロップがいっちゃうんじゃない? タイヤは坂東のとこも一緒だけどさ、8ポイント差があるから、ウチはできるだけ前にいかなきゃいけない。でも、雨だとそれが難しいよね」と、ヨコハマタイヤ勢のトーンが低い。しかし同じくヨコハマを履くNo.27 シェル・フェラーリF355の太田哲也は「路面が濡れているとトルクの差が出にくいからチャンスはある。ヨコハマとダンロップとどっちがいいかは、雨の量にもよるから、なんとも言えないよ」と、必ずしも不利とは考えていないらしい。

 対するダンロップ勢では、No.7 RE雨宮SuperG RX7の松本晴彦が「雨でパワーの差が縮まるからいいんじゃないでしょうか。とくに雨のテストというのはしていません。仙台ハイランドのように、テストのときたまたま雨だったことはありますが、セッティングを出すまではいってません。でも、タイヤは大丈夫。たぶんダンロップのほうがいいんだろうと思います。表彰台の真ん中ですか? ウーンそうですねェ、トラブルさえ出なければ…」と、控え目な表現ながらも心中かなり自信がありそうなようすだった。





Tire Report

ブリヂストン

スリックは全車ソフトタイヤを選んでいる。交換が前提。

雨天用は2種類。斜めのグルーブが入ったほうが雨が少ないとき用で、U字型のグルーブが入ったほうが通常のレインタイヤ。ヘビーレイン用、カットスリックなどは用意なし。どのタイヤでスタートするかは各チームに任せている。


ヨコハマ

GT500の晴天用は、No.13 エンドレスアドバンGTRとNo.34 STPタイサンアドバンバイパーがミディアム、No.39 デンソーサードスープラGTがソフトを選択。どちらも交換が前提。デンソーサードスープラGTはソフトでも40数ラップ24秒台が可能。

雨天用は、レインとスーパーレインの2種。一応カットスリックの用意もあるが、予選用と割り切っている。

GT300の晴天用は、No.19 RS☆Rシルビアがソフトで、交換が絶対条件。No.25 つちやMR-2は「しっかり感がある」とのことで、ハードを選択。無交換でOKだが、交換の可能性もある。No.26 タイサンスターカードRSRは前がソフト、後がミディアム。交換は後輪だけの可能性が高い。その他のGT300マシンはソフトを選択。交換を予定してしないチームが多い。

雨天用はGT500同様、レインとスーパーレインの2種。こちらも一応カットスリックの用意があるが、決勝での使用は薦めていない。


ダンロップ

GT500は、No.5 5ZIGEN SUPRA、No.88 JLOCディアブロGTRの2台とも晴天用はミディアムを選択。交換必要。

雨天用はカットスリック、インターミディエイト、ウェットの3種。

GT300の晴天用は、No.71 シグマテック911とNo.81 ダイシンシルビアがミディアムを選択。ともに交換を予定している。それ以外はソフトで、交換が必要となる。

雨天用はGT500同様、カットスリック、インターミディエイト、ウェットの3種。





決勝スタート直前(13時50分現在)

*急な雨のために13時40分から15分間のフリー走行を実施

 天気:曇り時々雨/コース:ウェット・ハーフウェット
 気温:10度/路面温度:12度/入場者数:10.26 / 35,600人(10.25 / 6,200人 曇り)


ピットスタート

No.13 デフ・トラブルの修理

No.510 スタータートラブル


ローリング開始:14:20


リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)
No.原 因周回数
3ミッション17L
17オイルクーラー21L
27コースアウト36L
77デフ(コース上でストップ)43L
91他車との接触45L
556エンジン50L





100 RAYBRIG NSX(総合2位)

高橋国光「亜久里を抜いたのは気がつかなかったよ。一度、当てられてスピンして遅れちゃったんだけど。そのあと抜き返したの? ああそう、知らなかった」

飯田 章「いや、国さんもそれだけ真剣だったってことですよ。表彰台に上がれてよかったです」


2 ZEXELスカイライン(総合3位)

鈴木亜久里「止まりきれなくて国さんに当たってスピンさせちゃったんで、最後は先に行ってもらおうと思った。いや、譲ったわけじゃなくて自分ではみだしちゃったんだけど(笑)。でも、なんとか表彰台に立ててよかった」


26 タイサンスターカードRSR(GT300クラス2位)

新田守男「すごく悔しいね。黄旗追い越しとかそういうのないの?」


25 つちやMR-2(GT300クラス3位)

土屋武士「あの状況ではトップは守りきれなかった。でもベストはつくしたので満足はしています」