GTアソシエイション事務局長にきく 当インサイドレポートでは、第4戦、第5戦と、GTCの現状と今後についてのエントラントの意見を掲載してきた。今回は、第5戦時に予告したとおり、GT-Aサイドの考えかたを加治次郎事務局長にきいた。なお、前回掲載することのできなかったNo.13 エンドレスアドバンGTRの松井秀樹監督、No.8 POWERCRAFT SUPRAの尾篭登監督のコメントも合わせて掲載する。
■GTアソシエイション/加治次郎事務局長 「GT-Aの設立当初からのメンバーが同意した考えかたとして、できるだけ多くの車種が出場できるようにし、お客さんもたくさん集めよう、しかもそれを一時的なものに終わらせず、継続できるようにしていこうということがあります。その考えかたからすれば、現状は必ずしも成功しているとは認識していません。外部から見れば、お客さんはそこそこ入っているし、参加車両も多く、成功しているように見えるかもしれませんが、それが継続できるかたちにはなっていません。まだ多くの課題を抱えています。GT300については、多くの車種がそれほどコストかけずに参加しており、タイムも接近して比較的いい状況にあるといえますが、GT500はこのところ車種が限られてきています。なんらかの対策を考える必要はあると思います。 車両規則についてはあくまでJAFが決めるものであり、来年の規則がすでに発表されているわけですから、それに沿ってやっていくことになるでしょう。ただ、その運用については、従来の枠にとらわれない考えかたが必要になってくると思います。たとえば、トップ争いをするクルマにはきびしく、そうでないところには寛容に、というのもひとつの考えかたではあります。 GT500より上のクラスを新設するという考えは、GT-A内部には今のところまったくありません。日本のGTCは、そこそこ数が売れているクルマでやるというところに基本があります。価格の高い少量生産車は、その基本理念から外れることになります。 といっても、FIA-GTを走っているようなクルマは絶対に入れないというつもりはありません。プライベートがメーカー系チームに対抗するために持ってくることは、むしろ歓迎します。もちろんその場合は、日本のGT500の性能に揃うように調整してもらうようになるでしょう。その意味で車重は1250kg、リストリクターは国内の車両と同じという規定は妥当といえるのではないでしょうか。ただ、これを車両によって変えることもありうると思います。しかし、メーカーがこういった車両でGT500に出てくるということは望ましくないでしょう。そうすると先に言ったGT-Aの基本理念から外れてしまうわけですから。 日本でモータースポーツをもっとメジャーなものにしていくためにも、従来のようにひとつのカテゴリーを作っては壊しというやりかたをしていたのではいけないでしょう。お客さんやスポンサーを裏切らないためにも、継続的なかたちでやっていけるような態勢を自分たちの手で整備していこうというGT-Aの基本理念を、改めてみなさんにも再確認していただきたいと思います」
■13 エンドレスアドバンGTR/松井秀樹監督 「現状の不満はとくにない。ウチのクルマは96モデルだけれど、富士なんか星野さんや長谷見さんの97モデルの前を走れたりしたんですよ。ウチの場合は、レギュレーションのなかでいかに速くするか、チーム内でまずやれることをやらないといけない段階なんです。要望としては、リストリクターの径をもう少し大きくしてくれたらと思います。対スープラだと1.5秒の差、同じヨコハマタイヤでも1秒差ですから。前回の富士はトップがスープラばかりだったでしょう。スープラのなかに割って入れるようなレースにしてほしいですね。まあ、ニューツーリングに比べれば均一化が図られてると思います。来年は、なおいっそうプライベーターにも参加しやすいようにしてほしいですね。プライベーターには部品が高くて予算的には苦しいです」
■8 POWER CRAFT SUPRA/尾籠 登監督
「他のカテゴリーから比べたらレギュレーションはかなりまともでしょう。今までの他のカテゴリーでの経験を経て、正常化してきたんじゃないかな。現状では不満は全然ないです。ただ、もっとファンと近い位置にこないといけないでしょう。まだ、エントラントとファンの距離はあります。どういうふうにすればいいか具体的なアイデアは出ませんけれど。来年は現状維持でOKだと思います」
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