NICOS Cup GT Allstar in Twin Ring MOTEGI


race
Sunday, 16 Nov. 97

高橋国光に強力な応援団現る

 初のオーバルレースがようやく開催にこぎつけ、ややホッとした表情の高橋国光GT-A会長。そんな国さんに力強い応援団が現れた。「あさま会」というクラブの皆さんなのだが、どう見ても全員が国さんよりかなりお歳が上。うかがったところによると、日本のモータースポーツ黎明期に行われていた伝説のオートバイレース、「浅間火山レース」の第1回大会に出場された選手の方と関係者の方のクラブとのこと。「ボクの大先輩たちですよ。なにしろボクが出たのは18歳のときですからね、ボーヤって呼ばれてたんですから…」と国さん。日本の大ベテランも、先輩には頭が上がらないようすだった。



19 RS☆Rシルビア

中村吉明監督代理(RS中春)「フレームまでいっちゃって、アドバンの方の紹介で茂木町のすぐそばの鈑金屋さんを紹介してもらえたんです。関川さんという茂木町町会議員の方のところです。持っていったのは夕方の5時頃。フレーム修正をやってもらいました。フレーム修正をやっていただけるところがみつかったのと、NISMOのほうでスペアパーツが用意されていたのと、スポンサーのほうでも出てほしいという意向があったので、マシンを直すことを決定しました。フレーム修理の後は、夜中の1時ごろにクルマが戻ってきたんで、ラジエター、インタークーラー、それに伴う配管、導風板、ボンネット、フロントスポイラーといった前回りのパーツすべての修理にとりかかりました。みんながカッティングシートを貼ってくれたりなど協力してくれました。決勝までになんとかと思っていたんですが、できれば朝のウォームアップまでに間に合えば、クルマを調べられますから。8時20分のフリー走行に5分遅れでようやくクルマが直りました。フロントスポイラーが間に合わせのものなんで、これはこの後、直します」

福山英朗「よくやってくれました。コースイン遅れてタイヤが温まらずでしたが、大丈夫と思う。スポイラーはこれからやってくれると思います」


2 ZEXELスカイライン

エリック・コマス「ボクの昨日のタイムを誰も上回っていなかったのでポールポジションはわかっていた。だからアタックしなかったんだ。レースに向けてタイヤをいたわるためにね。クルマの調子はいいよ」

鈴木亜久里「昨日のタイムでポールポジションだからムリなアタックはしなくていいと言ったの。タイヤをキープするために」



556 KURE R33

トップクォリファイでパイロンにタッチ、タイム更新はならなかった。影山正彦は「タイヤが温まらなくてリアがスライドして当たってしまった。ほんのミリ単位だったんだけど…。頭からつっこんだわけではないし、昨日は当たってペナルティ取られなかった人もいるのに、ちょっと納得いかない」と、ややおかんむり。


25 つちやMR2

小幡 栄「昨日はあまり踏んでいなかったけど、少し踏み出しました。クルマは結構安定しているし、昨日はターボ系に若干のトラブルが出ていたんですが、状況が少しよくなったので今日はおもしろいかな、と。昨日は正規のパワーが出ていなかったと思うんです。でも今朝のモーニングプラクティスではフェラーリが速かったのですが、そのすぐ後くらいまで行けていたので今日は楽しいかな、と思います」


91 Buddy Club・MR-2

松永雅博「ウォームアップでクラッチトラブルが出た。直せるようなら2レース目は出るが、エンジンを下ろさないといけないんで結構大変だと思う。今までミッショントラブルはあったけれど、クラッチがいっちゃったのは初めて」


27 TEAM FCJ フェラーリ

アンダース・オロフソン「今朝のトップクオリファイではすごくいいタイムを出したはずだったのだけれど、残念ながらパイロンのひとつにタッチしてペナルティを受けることになってしまった。ラップタイムはかなりいいので、いいレースができると思う。もちろん我われの目標はGT300 クラスで1位になることだ。ポルシェもシルビアも昨日は速かったのでかなりハードなレースとなるだろうけど。我われのフェラーリに大きく有利な点はないが、コーナー以外のところではマシンのシェイプがいいということで、ストレートのトップスピードが高いということはある。それでも富士よりもトップスピードはかなり低い。だから大きく有利ということはない」


910 ナインテンポルシェ

玉本秀幸「タナボタだから(笑)。やられたと思った。朝はタイヤが温まらなかった。コーナーは他のクルマのほうが速い。決勝はトップをキープして戻りたい。30周以上ボクが乗るみたい」




○GTC最終戦インサイドレポート訂正

No.57 SiFo Spider Ver.GTについて、SiFoの藤井代表の言葉として「エンジンとミッションを3基ずつ持っている」旨の記述がありましたが、実際には「エンジンはクリオ・マキシ用のものをベースに高回転に耐えるようにヘッド部分をチューンしたものを1基のみ持っています。ミッションはワンメイクレース用6速LSDなしを3基、LSD付6速を1基持っていますが、今回は交換の容易さからLSDなし6速を持ち込んでいます」ということでしたので訂正させていただきます。またNo.57 SiFo Spider Ver.GTは、レース終盤エンジンにトラブルを抱えながらも総合32位で完走しました。






第1レース・データ

気温:20℃/路面温度:22℃/天候:晴れ


ローリング開始:11:00


リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)

No.91 クラッチトラブルで出走できず

No.原 因周回数
No.原因周回数
556他車との接触6L
25クラッチペダルステー折損16L
12他車との接触24L
39燃料系28L
36オイル漏れ31L
60ドライブシャフト34L




2 ZEXELスカイライン(第1レース優勝)

エリック・コマス「スカイラインはレギュラーシーズン中はもうひとつ力を発揮できないことが多かったが、今回はコースとの相性がよかったようだ。開幕戦の鈴鹿で勝って、最後のここでも勝つことができた」

鈴木亜久里「エリックがアドバンテージを築いてくれて、交代してから差を広げることができたので勝ちだと思った。第2レースも頑張ります」


27 TEAM FCJフェラーリ(第1レースGT300優勝)

太田哲也「開幕戦の鈴鹿はひどい状況だったんで、ここまで来れて初優勝できて嬉しい。いいレースだった。うまくシルビアを抜けてナインテンも落ちてくれた。トップに出られた瞬間に優勝を確信できた。アンダース(オロフソン)選手もいいドライバーだからね。ピット作業もうまくいったし、スタッフのおかげです」


19 RS☆Rシルビア(第1レースGT300 2位)

福山英朗「シケインは2台行けないから、ヒジョーに危ない。『ほんまかいな』って感じ。おかげさまでクルマのほうは問題ない。ただ、気温が上がってきたんで若干タイヤがきつくなってきた。セッティングも変えたいね」



81 ダイシンシルビア(第1レースGT300 3位)

木下隆之「おもしろいっすねこれ。シケインで競り合うのは危険。かなりスリリング」


25 つちやMR2

第1レース中、クラッチペダルのステーが折れてリタイアとなってしまった。第2レースまでには直せるだろうとのこと。ところで、左フロントフェンダーにNo.26タイサンスターカードRSRのステッカーが貼ってあったので土屋春雄代表に訊いてみると「出られなかったから代わりに走ってあげてるんだよ。べつに頼まれたわけじゃないよ」ということだった。



910 ナインテンポルシェ

玉本秀幸「(パナソニックシケインをまっすぐ行ってしまったのは)後ろからGT500のクルマが来たので先にいかせようとフルブレーキングをしたら、6速でギア抜けしたから。とても怖かった。エンジンは調子はいい。ただ、路温が上がったのでタイヤの滑り出しが感じられる」


12 カルソニックスカイライン

金子 豊監督「接触によるダメージです。第2レースに間に合うかどうかは、まだちょっとわかりません」







第2レース・データ

気温:17℃/路面温度:20℃/天候:曇り
観客動員:11/16 - 23,000人/11/15 - 6,500人(曇り)


ローリング開始:14:00


リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)

No.91 クラッチトラブルで出走できず

No.原 因周回数
39他車との接触8L
88他車との接触8L
34オーバーヒート21L




2 ZEXELスカイライン(第2レース優勝、総合優勝)

鈴木亜久里「今日はエリックがずっと頑張ってくれて、ボクはミスしないように最後までもってっただけ。みんなエリックのおかげですよ」

エリック・コマス「今年のGTC開幕戦をニッサン車で優勝して、今年最後のレースもニッサン車で優勝できた。最高だよ。クルマは快調だったけど、第1レース優勝で課せられた30kgのウエイトハンデは若干キツかった。ブレーキングとシケイン内のグリップでちょっと効いた。でも優勝できてうれしい。ブリヂストンにお礼を言いたい」



27 TEAM FCJ フェラーリ(第2レースGT300優勝、GT300総合優勝)

太田哲也「ホントにうれしいときは『うれしい』っていう言葉しか出てこないもんなんですね。第1戦のときはホントにビリで、どうなっちゃうかと思いましたが、ここまで来れたのは応援してくれるみなさんのおかげです」

アンダース・オロフソン「勝ててとてもうれしい。No.81ダイシンシルビアを抜いたときは他のクルマとも争っていたので結構ハードだった。マツダ(No.7 RE雨宮SuperG RX7)もいたし、速いクルマも遅いクルマもいた。コーナーをうまく抜ければストレートの終わりで追い抜くことができるのはわかっていたが、あのクルマのほうがストレートで若干速かったので、かなり接近して脱出スピードをさらに上げるようにしなければならなかった」


37 カストロール・トムス・スープラ(第2レース2位、総合2位)

舘 信吾「表彰台に上がれるなんてビックリですね。大先輩たちをさしおいて、こんなとこ上がっちゃっていいんだろうかって感じです。利男さんのおかげですよ」

鈴木利男「彼は初めてなのに、よく頑張ってくれたよ」



38 カストロール・セルモ・スープラ(第2レース4位、総合3位)

竹内浩典「今年はこれまで場を盛り上げるだけで終わっちゃって、表彰台に上がれていなかったんで、最後に上がれてよかったですね。コースは、シケインがあると抜けないんでちょっとストレスがたまりました。でも、楽しみのレースとしてはよかったんじゃないですかね。一度はシケインなしで走ってみたいですけど」



3 ユニシアジェックススカイライン(第2レース3位、総合4位)

長谷見昌弘「第2レースは3位です。総合では4位ですかね。ウチのクルマはストレートが遅いよ。NSXより遅いんだもん」



81 ダイシンシルビア(第2レースGT300 2位、GT300総合2位)

大八木信行「生き残れたレースという感じ。シーズン後半からエンジンも調子よかったし、今日は、トータルででも(表彰台は)まちがいないと思った」

木下隆之「フロントとリア、右側2本のタイヤを交換したのはレギュレーションどおり。自分のパートではマージンを10秒ぐらいかせいだ。トータルで2回ともトップ3に入れた。シリーズ戦じゃないにしろ、みんな頑張ってくれてようやく“シリーズプラス1”で表彰台に上がれた。クルマはまだまだだけど」



910 ナインテンポルシェ(第2レースGT300 3位、GT300総合3位)

袖山誠一「玉本選手が後半頑張ってくれた。ピットアウトしたときは4位で、3位までポジションを上げてくれた。ペースカーが入って、フェラーリとダイシンに1ラップ近く先にいかれたのは痛いですよね」

玉本秀幸「抜かれて追い上げての繰り返し。ペースカーのあの入りかたは悔しい。GT500クラスに左右されるのはつまらないよね。あれがなければ接近戦ができたはずだけど、まあ『時の運』ってヤツかな。計時が混乱して、最後がよくなかったね」



34 STPタイサンアドバンバイパー

松田秀士「オーバーヒート。第1レースでボクに代わったときから兆候があったんだけど」



100 RAYBRIG NSX

高橋国光「ハブかなにかのトラブルのようです。ブレーキングでクルマがふらつくんですよ」


7 RE雨宮SuperG RX7

松本晴彦「2レース目スタートとしてすぐに、5、6速が入らなくなって、途中は4速までで走ってたんです。山路さんはさらに4速も入らなくなってピットインしました」

山路慎一「シフトリンケージのピンが折れちゃった。松本さんが5、6速が入らないって言うんだけど、最初は入った。あれ? と思ったらグラグラになって、グルグル回るようになっちゃった」



19 RS☆Rシルビア

福山英朗「シフトリンケージが壊れた。ミッションのケースが壊れて直したんだけど、またおかしくなった」


25 つちやMR2

小幡 栄「スタートはボクが行った。クルマはバランスも悪くないし、ズルズル滑るようなこともなく、そこそこ走れたかな。オーバルは今回初めて走りました。シケインはMR2にとっては得意な所。フェラーリやポルシェだとその先の加速が速い。パーマネントコースとは違うからね。後半、午前中に修理したクラッチを溶接したところがどうしても弱くて、また折れてしまったみたい」


91 Buddy Club・MR-2

三原じゅん子「2レース目は私がスタートしました。クラッチのトラブルは完全には直ってなかったみたいで、そのうえミッションもおかしくなてきたんです」



60 ワイズダンロップBPキャバリエ

佐藤久実「パナソニックシケインでのスピンはブレーキロックでした。第1レースでのデフトラブルは直したんですが」








1997年 全日本GT選手権シリーズ『GTインサイドレポート』全戦終了となります。
また、来シーズンにお会いしましょう。

GTインサイドレポート班

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