Round6

CP MINE GT RACE
10.10 sat / 11 sun - CP MINE CIRCUIT

Race

3度目の正直!
ついにRAYBRIG NSXがGTC初勝利を獲得

チャンプ争奪戦はペンズオイル・ニスモGT-RとMobil 1 NSXに絞られる

Round 6 CP MINE GT RACE
Race Report / 11 Oct. '98

GT500

 スタートはポールからNo.100 RAYBRIG NSXの高橋国光が順当に1コーナーへと進む。しかし、No.100高橋は3周目にシフトミスを犯して、ピタリと背後に付けていたNo.64 Mobil 1 NSX(コロネル)、No.16 Castrol無限NSX(道上龍)、No.18 TAKATA童夢無限NSX(脇阪寿一)に立て続けに抜かれ4番手に後退。代わってトップに立ったのはNo.64 コロネル。一方、2番手No.16 道上はNo,18 脇阪の追撃を受けて、2台の激しいバトルがコーナーごとに展開される。11周目に周回遅れに引っかかったNo.16 道上をNo.18 脇阪がかわして2番手に浮上。抜かれたNo.16だがNo.18のテールに食らいつく。この時点でトップのNo.64 コロネルとの差は約1.5秒ほど。だが、バトルで牽制しあう2台と単独で先行するNo.64との差は徐々に大きくなっていく。4番手となったNo.100 国光も2番手集団とは8秒ほどの差が開くが、後方も4秒ほどアドバンテージがあり単独での走行となっていた。

 4台のNSXが先行する中、No.39 デンソーサードスープラGT(谷川達也)とNo.23 ペンズオイル・ニスモGT-R(コマス)、No.2 ZEXELスカイライン(鈴木亜久里)が5番手を争う形になる。各車の差は1秒からコンマ5秒。No.23 コマスはNo.39谷川を攻めるが、今一つチャンスをつかめず抜きあぐねる。そして、上位陣はこの体制のまま中盤まで進んでいった。

 まず最初に動いたのはNo.100 RAYBRRIG NSXだった。26周目に他に先駆けてルーティンのピット作業へと飛び込んだ。ここでドライバーはポールタイムを叩き出した飯田章へと交代。順位はいったん15番手まで落ちるが飯田は時に予選並の25秒台を記録して、上位を追い上げていった。続いては33周目にNo.18 TAKATA童夢無限NSXがピットイン。今回がGTC初挑戦ながら2番手を守りきった脇阪に代わり、エースの金石勝智がステアリングを握った。ちょうどレースの半分を終えた38周目に5番手のNo.39デンソーサードスープラGTがピットイン。スカイラインの攻撃をしのぎ切った谷川から土屋圭市へ交代し、後半のチャージを狙う。その次の周にはNo.39を追っていたNo.23ペンズオイル・ニスモGT-Rもピットに入りコマスから影山正美へ、その次の周はNo.16 Castrol無限NSXで道上からベテラン中子修へと交代していく。トップのNo.64 Mobil 1 NSXはぎりぎりまでコロネルを引っ張り、44周目にピットへ。この時の実質1番手No.18 TAKATA童夢無限NSXとのマージンは54秒となっていたが、結局コースへ復帰したときはNo.18だけでなく、No.100にも先行されてしまい作戦としては裏目。No.64山西康司はこれを追い上げることになった。

 45周目に最後まで粘ったNo.6 ESSO Tiger Supraがピットに入ると、No.18金石が名実ともにトップに立つ。だが、今一つペースの上がらないNo.18金石の後方からNo.100 飯田が3周で3.5秒の差を詰めて、47周終了時点でついにトップを奪還した。トップを明け渡したNo.18は明らかにペースダウン。エキゾーストにトラブルがあったらしく、ピットインし応急措置をしたものの、結局No.18は完走することはならなかった。

 トップNo.100を追うのはこれでNo.64となったが、その差は徐々に広がっていき、55周目には15秒以上の差が付き逃げ切りの体制に。3番手のNo.16も前後とも15秒近い差があって、単独走行状態。これでNSX3台の表彰台独占が見えてきたようだった。

 このレースの勝敗より、チャンピオン獲得に主眼を置くNo.23ペンズオイルの影山正美は、62周目に遅れだしたNo.18をかわすと4番手となる。しかし、後方1秒ほどの差でピタリとNo.39デンソーの土屋圭市がつけて終盤のバトルへと持ち込もうとする。これには、接触による遅れやリタイアだけは避けたいNo.23正美が無理をしないため、あっさりと勝負が付き68周目にNo.39が4番手に。これで、後は大きな波乱なく終わるかと思ったが、さすが今年のGTCはただでは終わらない。あと3周となった75周目のストレートに3番手を走行するNo.16 NSXが差し掛かったとき、そのテールから突如大きな炎が上がったのだ。ドライバーの中子は慌てずに1コーナーのグラベルにマシンを止め、クルマから待避。リアのエンジン部分をつつんだ火は、すぐにオフィシャルによって消され大事には至らなかった。原因は前を行くマシンが巻き上げたタイヤカスがラジエーターを直撃し、急激に冷却水がなくなったためだった。

 この波乱も前を行く2台のNSXには影響せず、残り3周をきっちり走り切った"速い"No.100 RAYBRIG NSXはついに念願のGTC初勝利を挙げた。2位にはNo.64 Mobil 1 NSXが入り、シリーズポイント15を獲得し、最終戦にチャンピオンへの望みを繋いだ。3位はNo.39デンソーサードスープラGT。4位にはNo.23ペンズオイル・ニスモGT-Rが入り、貴重な10ポイントを追加し、ランキングトップを守ったまま最終戦を迎えることになった。




GT300

GT300最強のシリーズ4勝目を挙げ、
つちやMR2が最終戦を待たずにクラスチャンピオンを決める!


 GT300クラスは、チャンピオンに大手を掛けたNo.25つちやMR2と参戦3戦目で早くもポールを獲得したFF車、No.19 ウェッズスポーツセリカがどこまで頑張って初の勝利を挙げられるかが注目だった。スタートはポールのNo.19が逃げ、予選2番手のNo.25が追う順当な展開。No.25のチャンピオン争いの直接のライバルであるNo.44アペックスDLモモコルセMR2は、No.25の後ろをピタリとつけて3番手で追う。今季3勝を挙げ、このレースでもウエイトハンディ70kgを積むNo.25だがそんなハンディはみじんも見せず、タイヤのつらくなったNo.19を、14週目に仕留めてトップに立つ。一方、チャンピオン獲得のためには優勝しかないNo.44だったが、22周目に痛恨のスピン。素早く復帰できたものの順位を5番手まで落としてしまい、これで勝負が付いてしまった。この後、No.25はトップを譲ることなく、今季4勝目を挙げて文句の出ようがない形でチャンピオンを決定した。

 2位には前戦に続いてNo.19ウェッズスポーツセリカが入り、3位には予選4位から堅実に走ったNo.81ダイシンダンロップシルビアが3位とGTCシリーズ初の表彰台に立った。





総合優勝
No.100 RAYBRIG NSX

高橋国光「最初のは、すいません(笑)シフトミスです。でも長かったですねェ…。ようやっと晴れた感じです。とにかくチェッカーを受けたかったんですが、それも一番高いところで実現できたんでほんとうに良かったです。アキラもすごくがんばってくれました」

飯田 章「これまで応援してきてくれたファンのみなさんやスポンサー、それにスタッフに、やっとこれで少しだけ恩返しができたかな、という感じです。2年間やってきて、ようやく初優勝ですよ。今回もスタート直前までエンジンを見てもらったり無理ばかり言ったんですが、それにメカニックたちが応えてくれたから勝てたんですし。ホントに勝てて良かった。実は結構プレッシャーだったんですよ(笑)」



GT300クラス優勝
No.25 つちやMR2

舘 信吾「最後、ゴールをするクルマを見て鳥肌が立つほどなんか感動しました。人生最高の日です。スタートもやっと普通に決まった。その後もミスをしないよう確実に走ることを心がけました。交代の直前はガス欠症状が裏のストレートで出てピットに入ってきたんで、ギリギリでした。まだ来年のことは何も決まってませんが、GT500に上がれれば良いなと思っています」

鈴木恵一「昨年は1ポイントに泣いたわけですし、決してラクなレースではなかった。信吾ががんばってくれてとっても良かった。次はまた80kg積むけれど、ラストまで勝つことにこだわって、次もがんばります」

土屋春雄監督「勝ってチャンピオン獲れて、最高ですね」



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