R1 MOTEGI GT CHAMPION RACEGTC 2000 Round1
Race Review


00-04-02 Round1 Race Report
強さ健在!
No.1 ロックタイト・ゼクセルGT-Rが開幕戦を制する

最速N.18 TAKATA童夢NSXはアキレス腱に泣く
ルーキーコンビNo.64 Mobil 1 NSXが3位入賞

No1 LOCTITE ZEXEL GT-R


 4月2日、好天に恵まれたツインリンクもてぎで、AUTOBACS CUP全日本GT選手権開幕戦MOTEGI GT CAMPION RACEの決勝レースが開催された。

 午後2時ちょうどにフォーメーションラップがスタート。マシントラブルで出走を取り消したNo.11 アビリティ・マリオポルシェを除く、34台が63周先のゴールを目指した。
 1周のフォーメーションラップでローリングスタートが切られた。1コーナーにはポールポジションのNo.18 TAKATA童夢NSX、そして予選2、3位のNo.16 Castrol無限NSX、No.100 RAYBRIG NSX、そして同4位のNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-Rと順当に突入。トップのNo.18 TAKATA童夢の脇阪寿一はこの後1分49秒台で、そして4周目には1分48秒462と予選並のハイペースで逃げを打つ。これにNo.16 Castorl無限の道上龍、No.100 RAYBRGの飯田章も49秒台で追いすがるが徐々に離されていく。特にNo.100 RAYBRIGは思いの外にペースが上がらず、7周目にはNo.1 ロックタイト・ゼクセルのエリック・コマスが3番手に上がった。この後、No.100はNo.12 カルソニックスカイライン(本山哲)にも食い下がられ、しばらくはこの順位でバトルが続く。
 12周目に3コーナーでGT300クラスのマシンがスピンし、直後にいたNo.36 カストロール・トムス・スープラ(土屋武士)が避けきれずに突っ込み、共にマシンを大きく壊してコース再度にストップ。これによりセーフティーカーが入ってパレードラップが続いた。この時、5番手のNo.12 カルソニックスカイラインの車内配線がショートして煙が上り、本山は急遽コースサイドにマシンを止めた。この後、この燻りを消火器で消しピットに戻ったが、応急措置をして再スタートしたが、No.12は上位陣から大きく遅れた。

 このセーフティーカー・ランよりトップのNo.18 TAKATA童夢と2番手No.16 Castrol無限が稼いだマージンは一気になくなって、18周目に再スタート。No.1 ロックタイト・ゼクセルのコマスはこの再スタートで2番手No.16 Castrol無限のぴったり後ろに着け、1コーナーの進入で見事なパッシングで2番手へと進む。しかし、トップのNo.18 TAKATA童夢は依然として快調な走りを見せ、コンスタントに50秒台、時に49秒台に入れてまたもや2番手以降を引き離していく。5番手には、予選で13位と不本意な位置に甘んじたNo.64 Mobil 1 NSXのドミニク・シュワガーが驚異的な走りで上がってきた。この後ろには、予選7位のNo.3 ユニシア・ザナヴィスカイライン(田中哲也)、No.8 ARTA NSX(鈴木亜久里)、No.38 FK/マッシモセルモスープラ(竹内浩典)がつけ、No.64以下4台が僅差で競り合う。
 トップのNo.18 TAKATA童夢NSXは、2番手No.16 Castrol無限NSXに8秒近いマージンを稼いで31周目に所定のピットインを行い、ドライバーは金石勝智にチェンジ。32周目にはNo.16もピットイン。ドライバーは中子修に。33周目にNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-Rもピットインし、ドライバーを影山正美に交代。このピットインでもトップNo.18、2番手No.1、3番手はNo.16代わらなかった。
 だが、35周を過ぎたあたりから突然No.18 TAKATA童夢NSXのペースが乱れ出す。そして、40周目のバックストレートでついにストップ。ニューNSXのアキレス腱と言われていたギアボックスのトラブルだった。これでNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-Rがトップに。2番手のNo.16 Castrol無限とNo.1 ロックタイト・ゼクセルとの差は約7〜8秒。共に約50〜52秒台でその差はあまり変わらない。3番手にはNo.64 Mobil 1 NSX(伊藤大輔)が上がってきた。4番手はNo.3 ユニシア・ザナヴィスカイライン(長谷見昌弘)だったが、No.38 FK/マッシモセルモスープラ(立川祐路)が急接近。52周目にNo.38がNo.3をかわして、4番手となった。
 この後、トップのNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-Rは51秒台の安定した走行で、ややペースダウンしたNo.16 Castrol無限NSXとの差を広げ、最終的には20秒以上の差を付けてゴール。2000年型スカイラインGT-Rがデビュー戦を勝利を飾った。


No.26 シェルタイサンアドバンGT3Rが見事なポール・トゥ・ウィン

No26 Shell TAISAN ADVAN GT3R

 GT300クラスの序盤は、スタートからクラス・ポールのNo.26 シェルタイサンアドバンGT3R(松田秀士)が逃げ、予選2位のNo.910 ナインテンアドバンポルシェ(余郷敦)が僅差で追うマッチレースとなる。この後方ではNo.81 ダイシンシルビア(大八木信行)、No.19 ウェッズスポーツセリカ(原貴彦)、No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(松本晴彦)、No.10 アビリティ・マリオポルシェ(桧井保孝)、No.31 スーパーオートバックスアペックスMR-S(新田守男)が一団となってサイド・バイ・サイドのバトルを展開し、スタンドを大きく沸かせる。トップ争いの勝負はピットストップで明暗が分かれた。先に動いたのはNo.910 ナインテンアドバンだったが、タイヤ交換時にインパクトレンチにトラブルが起こり、ピットで1分以上を費やしてしまい、一時は7番手まで落ちてしまう。この後、代わった和田久が追い上げを見せて、No.910はクラス4位でフィニッシュした。一方、No.26 シェルタイサンアドバンGT3Rは無難にピット作業をこなし、後半を受け持った福山英朗も確実に走りきって、見事にポール・トゥ・ウィンを果たした。
 激しく争った2、3位争いは、No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(山野哲也)が混戦を抜け出して2位でゴール。3位は、No.10 アビリティ・マリオポルシェ(山岸大)が一時はリードしたがスピンを喫した隙に、No.19 ウェッズスポーツセリカ(脇阪薫一)にかわされる。No.19はこのまま逃げ切って、最後の表彰台を手にした。


WINNERS


GT500 WINNER
No.1 LOCTITE ZEXEL GT-R
エリック・コマス「マサミの双肩にかかったプレッシャーは、前半を走ったボクよりもはるかに大きなものだったはずだよ。予選は4位でウェイトハンディなし、レースでは勝てた。50kgのウェイトと20ポイント。まさに理想的な展開だ」
影山正美「これがニスモの力でしょう。ニスモの仕事のやり方とかエリックさんのセッティングもパーフェクトだから。自分の実力というよりほかに助けられていますね。(ボク自身は)ペースが上がらなかったので…。18号車を追っていてもちょっとキツかったし、16号車に追われていてもどうかなっていうところだったし」


GT300 WINNER
No.26 シェルタイサンアドバンGT3R
松田秀士「ちょっとギアが入りにくくなって、何度かシフトミスをしてしまった。序盤ナインテンとバトルになったときは楽しかったよ。まあ、こんなもんだよ。ストレートが速いっていっても、富士は富士で大変だと思う。路面がフラットじゃないしね」
福山英朗「ポルシェはやっぱり難しい。ストライクゾーンがせまくて、うまく走れなかった。今日は後ろがいなかったからなんとかなったけど、あと1秒あげろって言われたら、まだ難しいと思うね。早く慣れないと。新チームは外から見ていたよりもずっと好きだな。ファミリー感も好きになった。みんなよくしてくれるしね。エンジンが壊れても、すぐにニューエンジンが出てくるところもすごい。でも、まあ、今回の優勝が順当って言われちゃうと、自分にはちょっとつらいかな。もっと練習しますよ」



GTインサイドレポート班
Report by GT INSIDE REPORT TEAM