GT CHAMPIONSHIP in TIJGTC2000 Round5
Race Review


00-09-10 Round5 Race Report
富士での雪辱を果たす!
No.38 FK/マッシモセルモスープラがポール・トゥ・フィニッシュを飾る
GT300はNo.910 ナインテンウェディングポルシェが逆転勝利を果たす

38 Supra


 9月10日、TIサーキット英田で、AUTOBACS CUP全日本GT選手権第5戦『GT CHAMPIONSHO in TI』の決勝レースが開催された。午前中はサーキットの上空は一面の雲だったが、午後になって青空ものぞき、強い陽も差してきた。気温も決勝直前の13時45分で気温32度まで上昇、路面温度42度となった。

 全車がスターティンググリッドにつき、14時ちょうどに予定通りローリングが始まり、1周でスタート。ポールポジションのNo.38 FK/マッシモセルモスープラ(竹内浩典)がトップを守って1コーナーへ入るが、予選2位のNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-R(E.コマス)がピタリと背後についていく。そして1周目のマイクナイト・コーナーでNo.1はNo.38をパスしてトップに立った。2番手に落ちたNo.38と3番手のNo.16 Castrol無限NSX(光貞秀俊)が僅差で競り合い、4番手のNo.2 カストロール・ニスモGT-R(M.クルム)とNo.30 綜警McLarenGTR(岡田秀樹)、それに追い上げ急の2台のNSX、No.8 ARTA NSX(鈴木亜久里)とNo.100 RAYBRIG NSX(飯田章)も4つどもえのバトルとなる。この後方の争いを後目にトップのNo.1は5周目にはこのレースのファステストラップとなる1分29秒704のタイム筆頭に30秒台を連発し、2番手以下を一気に突き放す。15周目にはその差は10秒弱となり、逃げ切り体勢を固めつつあった。後方ではNo.38とNo.16がテール・トゥ・ノーズで2番手を争う。そこから3秒ほど離れてNo.2、No.8、No.100がバトルを展開するが、No.100が単独スピン。さらにこの中でNo.2とNo.8が接触し、No.8はコースアウトしサスにダメージを負いってリタイア。No.2は再スタートを切るものの、左ドアが半開きになってしまい、オフィシャルから強制ピットインを指示される。これで、あっさりNo.30が4番手に戻った。2番手争いは、No.16が急にラップタイムが落ちて遅れだし、No.38の単独走行となる。No.16は思ったよりの高い路面温度のためか、早くもタイヤがタレてきたようでNo.30にもかわされてしまう。
 一方のNo.1は極めて順調にトップを維持。2番手のNo.38には30周目で13秒以上となった。3番手No.30はそこからさらに13秒後方、No.16はさらに3秒後方で我慢しきれなくって、規定周回ギリギリの34周で早くもピットインした。この頃からトップNo.1も含め上位陣のタイムが34〜36秒台と一気に増えた。これはタイヤの消耗のようで、各車コーナーで厳しいハンドリングを強いられ、続々とピットインすることになる。この中で、2番手No.38は39周目にピットインし、ドライバーは竹内から立川祐路に交代。コースインした直後のペースで上がらない周回で、No.16が強引にNo.38のインを突いて前に出て、実質の2番手に、No.38は3番手になった。
 トップのNo.1も41周目にピットイン。ドライバーはコマスから影山正美に交代し、20秒弱で所定の作業を終え、エンジンを再始動しようとしたときだった。なんと、No.1のエンジンが掛からない。急遽ボンネットを開けて応急処置したが、これで50秒近いストップタイムを費やしてしまい、コースに戻った時には実質3番手に落ちてしまった。一方、これでトップに立ったはずのNo.16だったが、コーナーの進入で膨らんでしまい、ぴったり着いてきたNo.38に逆転される。そしてトップに立ったNo.38の立川だが、後半の立川が勝負とみたチームが彼に合わせたセッティングをしてくれたために、1分31〜32秒のペースをコンスタントに記録。一方2番手のNo.16は周回遅れに詰まるとかなりタイムが落ちてしまい、その差は徐々開いてていく。
 このままNo.38 FK/マッシモセルモスープラは、2番手No.16 Castrol無限NSXを寄せ付けずに、チェッカーを受けることになった。竹内にとっては1996年第3戦でコマスと組んで優勝して以来2回目のJGTC勝利で、立川はJGTC初優勝となる。3番手はピットでの再スタートの遅れがそのまま響いてしまたNo.1が入った。



910 Porsche

GT300クラスは、クラスポールのNo.81 ダイシンADVANシルビア(青木>大八木)が序盤順調にトップを走っていた。2番手につけていたNo.31 スーパーオートバックスアペックスMR-S(新田>高木)がスピンして出遅れ、代わって予選3位のNo.910 ナインテンウェディングポルシェ(余郷>和田)がNo.81を追う。トップのNo.81はタイヤのトラブルで遅れだし、No.910がこれをかわしてトップに。以後は順調に所定のピットインをこなして、そのままゴールイン。待望のクラス優勝を果たした。2位はNo.81。表彰台の最後はNo.19 ウェッズスポーツセリカ(原>脇阪)。No.19は、予選で失敗し、最後列スタートになったが驚異的な追い上げをみせ、中団勢の相次ぐトラブルにも助けられてその座を手にした。



WINNERS

GT500
GT500 WINNER
No.38 FK/マッシモセルモスープラ
竹内浩典「やっとですね。長かったです。前回はトップちぎれそうでリタイア。今回はちぎられてたのにトップ。足して2で割ってちょうどいいんじゃないかな。しかし立川のセットは乗りにくい。自分にはきびしかったですよね。エリック(No.1)にあんなに離されるなんて…。どうやったらあんなセッティングで乗れるのか教えてほしいよ(笑)」
立川祐路「クルマは順調で問題なかったです。クールスーツが壊れちゃって、それで暑くて…。ただマージンがあったんで、うしろとのタイム差をみながら、クルージングほどではなかったですけど、余裕をもって走れました。今回TRD、チームの皆さんがすごくがんばってくれた。それに加えてスポンサーのみなさんに感謝したいです」



GT300
GT300 WINNER
No.910 ナインテンウェディングアドバンポルシェ
余郷 敦「序盤3番手で、前の2台がそこそこ速くて離されないようについていって勝負できるかなと思ったら、先に*31のタイヤがつらくなったみたいでズルズルいって1コーナー突っ込みでハーフスピンしてくれました。天気とトラブルが心配でしたが、クルマもなにもかもすべてミスなくいってよかった。ホントうれしい!」
和田 久「まずはチームにもスタッフにも感謝したい。余郷くんがマージンを築いてくれて、クルマをチェッカーまでらくに運べた。こんならくなレースはいままでにないですよ(笑)。持つべきは良いパートナードライバーですね」
安永孝監督「富士では後半にタイムが上がらなかったんで、今回は後半寄りのセットをしたら、けっこう安定して走れました。ピットストップも順調にいきました。今年初の優勝で5年ぶりですね。今日は9月10日のナインテンの日ですから(笑)」



GTインサイドレポート班
Report by GT INSIDE REPORT TEAM