GTC 1999 GT INSIDE REPORT

Round 5 JAPAN SPECIAL GT CUP
8.7/8 - FUJI SPEEDWAY

8.8 - Race

☆フリー走行終了後

No.61 テイボン・トランピオ・FTO(フリー走行GT300 1位)
中谷明彦「今はレインで走って、最後だけインターミディエイトに換えてます。(トップタイムは)インターミディで出したものです。決勝の天気? ウーン、なるようにしかならないですからねェ」

No.1 ペンズオイル・ニスモGT-R
本山 哲「全然悪いところはない。昨日からセットアップをだいぶ変えたんだけど、それがいい方向に行っていて、すごく乗りやすい。ブレーキも全然大丈夫。決勝はちょっと雨が絡んだほうがいいね。スカイラインは決勝に強いから、こういうコンディションだとスカイラインのいいところが生きるんじゃないかな」

No.20 オートレット セリカ
松永雅博「2番手は(佐藤)久実のタイムです。クルマはドライセットです。(決勝では、もし降ったら)カット(スリック)でいきます。土砂降りは怖いんですけど、晴れたりしますし。(完全に)雨だったらインターミディエイトでいきます。ドライだとクルマのバランスが崩れてるので、これぐらい(の雨)がいいですね。(フリー走行の)最後はほぼ乾いていた。(その状態での)バランスはいいと思う。ウェイトがない分、こういう状況だったら期待できますね」

No.86 BPアペックスKRAFTトレノ
田中 実「土砂降りになったんで深溝でいったらタイヤによれを感じて、インターミディエイトに換えました。ラストはスリックでもいける状況でした。クルマのセットはドライで、リアのガーニー(フラップ)をつけたぐらい。サカキチ(雨宮栄城選手)がスタートになると思う。クルマのポテンシャルは高いんで、結果を出したいですね。ただ、(クルマが)ピーキーなんで、ちょっとのミスが大きなことにつながるんです」

No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7
松本晴彦「急に雨が来たんで、ドライセットでタイヤだけレインを履いていきました。チームは決勝もドライで考えているようです。もし雨が来たら、タイヤだけ換えるようです。スタートはボクです」

No.10 アビリティ・マリオポルシェ
桧井保孝「満タンでいったんですけど、ストレートで抜かれちゃう。ダメだこれは…。ちょっとよくなったけどロシナンテ(パワー)が足りない。オイルクーラーのダクトを変えて10km/hぐらい速くなったんですけど、100kgのおねえさんが5kgやせたみたいなもんで…。(フリー走行は)ドライセットです。決勝もドライと読んでいます」

No.26 STPアドバンタイサンGT3R
松田秀士「まだフロントがバンピー。かなりいろいろやっているんですけどね。どういうふうにやれば消えるかというのはわかっているんですけど、それをやると操縦性がどうなるのかというところがまだわからないので、そこまでできない状態です。もう少し抑えられると思うんで、その方向で持っていきますけど…。(フリー走行では)出て行ったときはすごく濡れていて、途中乾きかけたと思ったら100Rとかバンバン降っていて、それがストレートに来て、1コーナーに来て、で、最後上がって…。タイヤはずっとレインで行きました。交換してません。はじめいいポジションにいて、最後もシュワガーがドライになっても3番手、4番手につけていたので、それなりに戦えるところにはいると思います。ただ、レースを実際にやってみないとGT300クラスでこのクルマがどのへんのところにいるのかわかりませんから、データを採るためにもこのレースは大切なレースです」

No.32 cdmaOneセルモスープラ
近藤真彦「悪くはないよ。(フリー走行でタイムが出たのは)ボクは最初からインターミディエイトでいったし、木下さんもタイヤを換えるタイミングがよかったということだと思う。クルマは99に負けないぐらい仕上がっている。コーナーはウイングを立たせても勝負にならないから、できるたけ寝かせて最終コーナーからストレートの立ち上がりに賭けている。木下さんとも話してるんだけど、テストのときとクルマはまったくいじっていないのに、どこかフィーリングが変わっちゃったんだよね。路面とか気温の影響があるんだと思うけれど、なにかが違う。とはいえ99とのタイム差でいえば変わっていないから気にしなくていいのかもしれないけれど、なんか違うんだよね。99がノートラブルならかなわなけれど、ブレーキも駆動系も信頼性はずっと98のほうがあるから(決勝は)どうなるかわからないよ。セッティングはもちろんドライでいきます」

No.18 TAKATA童夢NSX
脇阪寿一「路面が濡れていたほうがいい。ウチのクルマはべつに悪くないし、セッティングもまちがっていない。晴れたらスープラが速いというだけ。セッティングはドライもウェットももともと一緒だから関係ないけど、路面が濡れたら急に楽になります。NSXのなかでトップになろうとは思ってません。NSXでトップになっても表彰台のテッペンに乗らなきゃ意味ないやないですか。金石さんがスタートでいきます」

No.3 ユニシアジェックススカイライン
田中哲也「タイヤはカットスリックで行きました。雨にクルマのバランスが合っているんでしょうね。テストのときも雨のセッションではこんな感じのことが多かったですからね。(雨では)セッティングが合っているんですよ。ただ、練習でいくら上位にいても、決勝でこういう雰囲気でいいところに行ければいいんですけどね」

No.25 モモコルセ・アペックスMR2
土屋春雄監督「(予選、フリー走行の順位は)あんなもんでしょう。雨になると速度が速い富士みたいなサーキットはうちにはキツいよね。同じ重量のものを後ろに積んでるんだからフロントのタイヤが浮いちゃうんだ。雨のなかでのタイムの悪さは予想していたこと。ウエイトの影響もかなりあるよ。当然ドライをねらってセッティングをしてる。雨が降っちゃうと、1ポイントでもねらっていくしかないね。予選は高木が出るタイミングが悪かった。最後尾はやっぱり気になりますよ。それだけタイヤ使っちゃうし。でも結果はあまり変わらないだろうね。やっぱりシリーズを考えたらタケシのところ(No.15ザナヴィARTAシルビア)を意識してるよ。バンちゃんのところ(No.19ウェッズスポーツセリカ)より、今の勢いでいけばタケシのところだろうね。ドライになれば1位ダイシン、2位ザナヴィ。ウチは3位にいければいいけけれど、ポルシェGT3やFTOやRX7がクセモノだから、とりあえず3位を目指したい。雨ならポイントだけ獲って、もてぎとTIねらいだね。ウチはドライバーがノーテンキだからいいんじゃない? あんまり悩まないほうがいいと思うよ」

No.38 FK/マッシモセルモスープラ
立川祐路「高速コーナーで多少オーバーが出るけれど、あとはそんなに悪くないです。ただ、ボクが初めてスタートをやる予定なんですが、テストを含めてまだドライで1度も走ってないんですよ。どっちにしろ一生懸命走るだけですけれど、最初の何周かは集団で走るんで多少は緊張してます。セッティングはドライを予想してます。昨日のシフトが落ちないというトラブルは、竹内さんがブレーキを踏むときにアクセルペダルがひっかかっていたみたいで、ペダルを加工したら直ったみたいです。クルマは問題ないんで、あとは暑いなか、ずっと走っててどうなるか、耐久性ですよね」

No.12 カルソニックスカイライン
星野一義「状況が途中でどんどん変わっていくなかで、ありとあらゆるシミュレーションは終わったつもり。晴れても雨が降ってもなんとかしなくちゃいけないし、ああすればよかったとかこうすればよかったとか、あとで言わないように一応準備はできている。クルマはいいけれど、ドライでは正直言ってキツい。でも、今回なんとしても表彰台に乗りたい。そういう意味で今回はとくに気合がはいっているよ」



★タイヤメーカーに訊く

ブリヂストン
「ドライ用はソフトとハードの2種。ソフトでも耐久性は大丈夫だと思います。ウェット用は、パターンとしてはレインとインターミディエイトの2種類で、コンパウンドはそれぞれ何種類かあります。どれを選ぶかは各チームの判断ですね」

各チームのチョイス(ドライタイヤ)※インサイドレポート班調べ
ソフト:NSX全車、BS使用のスープラ全車、No.3 ユニシアジェックススカイライン、No.12 カルソニックスカイライン
ハード:No.1 ペンズオイル・ニスモGT-R、No.2 ARTAゼクセルスカイライン、No.30 綜警McLarenGTR


ヨコハマ
「GT500のドライ用としては、GT-R用とスープラ用の違いもありますので、合計5種類を持ってきました。コンパウンドとしては4種類です。チョイスしたのは、No.11エンドレスアドバンGTR、No.39デンソーサードスープラGTともにソフトです。テストでいい結果を得られていますので。ただ、これ以上路面温度が上がるようだと、2スティント目は硬めのものを選ぶ可能性もないとはいえません。ウェット用は、エンドレスのほうはホイールのセット数の関係からインターミディエイトと、インターミディエイトの溝を深く彫りなおしたものしか用意できていないんです。サードのほうはインターミディエイトとレインで合計4セット用意しているんですが。
 GT300は、ドライ用がソフトが2種、ミディアムが1種。No.15ザナヴィARTAシルビアとNo.20オートレット セリカがミディアム、それ以外はソフトをチョイスしています。No.25モモコルセ・アペックスMR2だけは、今回初めて持ってきたちょっと違うソフトを使っています。ウェット用は、パターンとしてはインターミディエイトとレインで、インターはソフトとハード、レインにはソフト、ミディアム、ハードのコンパウンドがあります。レインは溝を深く彫り込んだものも用意してます。どれを使うかは、状況とチームの判断によってなんとも言えません。ただポルシェ勢は、かなりの雨でもインターのパターンで走れると思います」

トーヨー
「ドライ用はNo.88ノマドディアブロGT-1がソフトです。No.61テイボン・トランピオ・FTOは、ソフト、ミディアム寄りのソフト、ミディアム、エクストラとしてハードと4種用意したなかでミディアム寄りのソフトをチョイスしてます。No.21BP-トランピオ-BMW、No.86BP KRAFT トレノはソフト、ミディアムのうちミディアムを選んでいます。ウェット用はインターミディエイトと、レインの浅溝、深溝があります。こちらはコンパウンドは基本的に1種類ですが、FTOのリア用のみ、ソフトのインターを用意してます」

ミシュラン
「(予選でのワン・ツー・スリーは)テストのときからトムスの3台とNo.6 ESSO Tiger Supraのタイムが早いということはわかっていましたから、ある程度予想はしていました。その4台のなかでミシュラン使用車がワン・ツー・スリーということで、ウチにとっては一番いい結果になりましたね。今回、ドライ用はソフト、ミディアム、ハードの3種類を持ってきました。選んでいるのはNo.35とNo.37がハード、No.36だけがミディアムです。どちらでも一発のタイムはそんなに差はないんですが、路温によってタイム落ちがどのくらい出てくるかということですね。ミディアムでも問題はないんですが、かなり路温が上がってきているので、早めのピットインということもありうるかもしれません。
 ウェット用はインターミディエイトと、レインの浅溝、深溝の合計3種類。コンパウンドはインター、レインそれぞれ1種類だけです。今朝のような、ざっと降ってすぐ上がるような状況ではスリックでいけると思います。乾きかけたときのスリックが、ウチが一番いいみたいなんですよ。今朝はリスクを冒したくないので最初はレインで出ていきましたが、決勝でもし雨でも、すぐに上がりそうなときはスリックでいくと思います」




☆決勝スタート直前情報

 天気:晴れ/路面状況:ドライ/気温:32℃/路面温度:44℃
 入場者数 8月8日:62,700人(8月7日:16,500人)



☆レース中のコメント

No.36 カストロール・トムス・スープラ
関谷正徳「(ピットインは)予定より3周くらい早いんだけど、タイヤがちょっとツラくなってきたんで…」

No.1 ペンズオイル・ニスモGT-R
エリック・コマス「マシンにはまったく問題はありません。本山もいいタイムで走っているし、順調です。しかし、マクラーレンが速いね」

No.26 STPアドバンタイサンGT3R
松田秀士「7番(RE雨宮マツモトキヨシRX7)に抜かれちゃいましたけどねぇ。でも、スタートもうまくいったし、上デキでしょう」

No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7
松本晴彦「向こう(No.26 STPアドバンタイサンGT3R)はターボで直線が速いから、抜くのに手間取ってしまった。でも、着実に1台1台抜いてきたつもり。このままいってくれればいいね」

No.19 ウェッズスポーツセリカ
織戸 学「Bコーナーの出口で前のポルシェに追突してしまって、そのポルシェがスピンしたところにまた当たってしまったんです」

No.25 モモコルセ・アペックスMR2
新田守男「(バーストは)もったいないね、すごくいいペースだったから。思いのほかシルビア(No.15ザナヴィARTAシルビア)のペースが上がらなかったのでプッシュして、No.20のオートレット セリカまで抜けた。そのころからリアのバイブレーションが出始めて、このままだとヤバイと思ってセリカに抜かれない程度にいこうと思ってたらダイシン(No.81)が見えてきたんで、ダイシンまではいこうと思ってプッシュしたとたん、Bコーナー入り口でバーストしてしまった」

No.77 クスコスバルインプレッサ
小林且雄「ヘアピンでザナヴィ(No.15)と接触しちゃった。申し訳ないことをした。ウチもアライメントが狂って、ハンドルが曲がってフラフラ走ってる。しかたないね」

No.38 FK/マッシモセルモスープラ
立川祐路「スタートは無難にいったんだけど、ソフトタイヤを履いていたのですぐにリアタイヤがきびしくなった。まあ、これは予定どおりで、早めにピットに入って、竹内さんがハードを履いて走ってます」

No.32 cdmaOneセルモスープラ
近藤真彦「Bコーナーを立ち上がったら電気がパッと全部消えて、自分でマシンを止めた。ヨーイドンしてからすぐ、すでに不安だった。パワステかコンピュータか…」

No.11 エンドレスアドバンGTR
木下みつひろ「ボクが暑くなる前にタイヤが熱くなってしまったので…。6周目くらいから左側が前後とも滑り出した。トラクションに気を遣って32秒ペースをキープ。キツかった」

No.111 JIM GAINER F355
井倉淳一「ブレーキが(バランスを)前後どっちに振ってもロックしてしまう。それに燃圧が落ちてきて、予定より9周早くピットに入った。燃圧さえ保てば…」

No.72 オークラRX7
石川 朗「ハンドルがブラケットのところからゆるんでガタガタいい出した。クルマはよかったんだけど、いつハンドルが取れるか心配で、3,4秒ペースを落としていかざるをえなかった」



☆リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)

No Machine 原因 周回数
19 ウェッズスポーツセリカ 他車との接触 3L
32 cdmaOneセルモスープラ 電気系 9L
20 オートレットセリカ 電気系 30L
15 ザナヴィARTAシルビア 周回数不足 24L





☆決勝レース終了後

No.18 TAKATA童夢NSX(総合2位)
脇阪寿一「ピット作業に時間がかかってしまってポジションを落としてしまった。でも、スカイライン(No.12)の後ろを走っているときにタイヤを温存できたので、最後の10何周かでスパートをかけられた。本山選手(No.1)は変なブロックもしなかったし、クリアなバトルができた。タイヤのライフはGT-RよりNSXのほうがよかったみたい。クルマは、最初オーバーステア気味だったけど、燃料が軽くなってきたらよくなった」

No.1 ペンズオイル・ニスモGT-R(総合3位)
エリック・コマス「60kgのハンデウエイトにもかかわらず、クルマはよく走った。サトシ(本山)もよく走ったし、ピット作業が最高だった。すごくうれしいよ」
本山 哲「ピットストップが早かった。そのためにクールスーツも使わなかったし。がんばった甲斐がありました。(No.18とのバトルは)はじめのうちはオレのほうが速くて、いけると思ったけど、周回遅れに引っかかるタイミングが悪くて、差を詰められてしまった。それに、周回遅れの処理でムダにタイヤを使ってしまった。抜かれたときは、最終コーナーですごく遅いクルマに引っかかって立ち上がりでスピードを乗せられなかった。並んだときに横を見たら寿一(脇阪)が大笑いしてた。そのあとスープラ(No.36カストロール・トムス・スープラ)にも迫られたけど、それはなんとかしのげた。車種によって速いところ遅いところが違うから、遅いところでいかに抜かれないよう抑えるかがポイントになった。GT-Rはトラクションが足りなかった。エリック(コマス)とはお互いに信頼できている。頼りないところというのがないから、心強い。GTのレースはいろんな状況が出てくるから、こういう信頼関係というのは大事だと思う。ボクは1回休んでいるけど、エリックとチームがチャンピオンになれるようにがんばる。今日の結果でかなり見えてきたと思う。ただ、次はウェイトハンディが80kgになってしまうのでキツいけど、レースは何があるかわからないので、ドライバーもチームもミスなくレースしたい」

No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(クラス2位)
松本晴彦「ほんとうにうれしいです! 2位は久々ですよ。長いトンネルから抜けたようです。チームが一丸となってやってくれたんで、入賞したかった。レースの序盤はターボ勢についていったら、前でミスがあってバラけてきたんだけど、ウチはNAで立ち上がりが速くないんで抜くのがきつかった」
山野哲也「とりあえずスゲエうれしいねえ! 全日本選手権のレースでいつか表彰台に上りたいという夢がGT選手権でかなって、めちゃくちゃうれしい。ドミニク(シュワガー)に抜かれたけど、ボクとしてはタイヤもブレーキも目一杯で、精一杯のペースだった。3,4秒差あったんで前を追うのはムリだと思った。感謝したいのは雨さん(雨宮勇美代表)。ボクの実力があるかないかわからないうちに雇ってくれて、久々の2位表彰台に雨さんのおかげで立てた。あと、マージンを取って1位で引っ張ってピットインしてくれたハルピー(松本晴彦)にも感謝したい。ヨコハマタイヤ、BOMEX、応援してくれたファンのかたにお礼を言いたい」

No.25 モモコルセ・アペックスMR2(クラス5位)
新田守男「ボクの乗っているときにバーストしてしまいました。ポイントを離せたからありがたいんだけど、トップが見えてたのにもったいないレースでした。中盤からバイブレーションが出ていたのでヤバイなとは思ったけど、ストレートが遅いからコーナーでプッシュしていかないとしかたなかった」

No.35 マツモトキヨシ・トムススープラ(クラス13位)
山路慎一「ドライバー交替して出ていこうとしたら、半クラでエンジン回転が落っこちちゃってクルマが前に進まなかった。クラッチにエアが入っちゃったみたい…」

No.12 カルソニックスカイライン(クラス5位)
星野一義「クルマの調子はよかった。でもGT-Rはつらい。完走してどうこうというより、心臓が痛くなるようなレースをしたいよね。最後になってみたら3位とか5位とかいうんじゃなくてね。なんとか勝てるようになりたいね。がんばるよ」

伊藤宗治トムス・エンジニア「予選でのワン・ツー・スリーはあんまり関係ない。今日を過ぎれば忘れられてしまうことですから。No.37(の序盤にピットイン)はフェラーリにぶつけられたみたい。リアタイヤがバーストして4本交換した。大きなタイムロスだったね。No.35(のピットアウト時のトラブル)はクラッチじゃなくてエンジンの制御系。電気系みたいなものですね。No.36は、関谷さんが言ってたようにタイヤがキツかったから早めに入れた。いろいろあるんだけど、ひとつずつ潰していかないといけない。テストをやってもトラブルで走れないこともあって、潰しきれてないのがいっぱい出てる。もう少し潰そうかなというところ。耐久的な走りができていないということですね。ABSについては、ようやくひとつ潰せたかなといったところです」

No.81 ダイシン シルビア(クラス4位)
大八木信行「展開的にもう一歩かなというところ。(終盤)FTO(No.61)と並んで3位争いをしているときに、ヘアピンでマッシモスープラ(No.38)と接触したのが惜しかったかな…。アクシデントやからね。クルマ的には問題なかった」
福山英朗「すまん。テイボン(No.61)を抜きにいってインを差してるときだったから、もう前のクルマしか見てなかった。まあ、向こう(No.38)も2位を棒に振ったかもしれないけれど、ウチも3位を棒に振ったよ」

No.38 FK/マッシモセルモスープラ(クラス6位)
竹内浩典「福山さんも後ろを見ててくれないと…。まあ混走レースだからしょうがないんですけどね。100Rでヘルメットを見て福山さんだとわかって、ベテランでうまい人だから信用できると思ってたんだけどヘアピンでぶつかっちゃったんで、それはないかな、と。レースだからっていえば、しかたないんですけどね」


★WINNER INTERVIEW

●GT500クラス優勝
No.6 ESSO Tiger Supra
野田英樹「今日はチェッカーを受けるまでパーフェクトに進んだと思います。クルマもいい状態でしたし、1コーナーですべて抜いてやろうと初めから思ってたんてすが、すべてねらいどおりいったし、チームのみんなもトラブルが出ないように昨日も遅くまで、今日も朝早くサーキットに入ってよく仕上げてくれたんで、そういう意味ではほんとうにみんなに感謝したいと思います。最後までトラブルが出ないで安定した走りでチェッカーを受けられたんで、なかなかこれほどパーフェクトにいくレースは年間通してもないと思うんですけど、非常によかったなというところです。前半、ついていくぶんにはそんなに問題なかったし、同じトヨタ同士でからむわけにはいかないので、確実に抜けるところをと思ってたんだけど、ブレーキングでウチがアドバンテージがあるのはわかってたんで、1コーナーで抜けるんだろうな、というのはわかってました。トップに出てからもそんなにプッシュはしてないです。たぶんミシュラン勢はかなり柔らかいタイヤを使ったんじゃないかな。我々はいつもよりちょっと硬めのタイヤでしたが、昨日予選でミシュラン勢に負けちゃったんで、BSの人たちとみんなで一生懸命今あるタイヤでどうやったら性能を引出せるかミーティングして、エア圧とか打ち合わせどおりやったらいいかたちになったんで、そういう意味でBSのタイヤもよかったんだと思います。(自分たちが)一番このクルマのことを知っていると思いますし、もっと早く勝てて当然だと思いますけど、そういう意味では今、ちょっとだけホッとしてるんです。ここのところずっと運の悪いレースばかりで、GTもフォーミュラもなかなか結果が出なくてストレスがたまるような状況が続いてたんですけど、今日は速さをみせつけて結果的にも優勝できました。次のレースはウェイトを積んだりして、これからが大変だと思うんですけど、作戦をうまくたててあと2戦表彰台にあがれるように、ポイントでもまだチャンピオンがなくなったわけじゃないし、あきらめないで最終戦までがんばりたいと思います」

ワイン・ガードナー「正直なところ、"やっと"というのが感想なんです。SUGOのレースとか何度も近いところまでいって手からすり抜けるということが多かったので。クルマも信頼性がおけるようになりましたし、トヨタとTRDがほんとうにいいクルマに仕上げてくれたと思います。それにもちろんチーム・ルマンもいい仕事をしてくれたと思います。いいピットワークをしてくれて、BSもどうやったら勝てるかということを最優先に考えてくれたと思います。野田選手も自分にクルマを渡してくれたときは29秒から30秒のマージンをかせいでくれていたので、私の仕事としてはそのマージンを最大限に利用してクルマをゴールまで持ってくることだけでした。私たちドライバー二人だけでなく、チーム全体、トヨタをはじめサポートしてくれたみんなの勝利だと思います。ほんとうに勝ちたかったので、チームと賭けをしまして、勝ったら頭を剃るよって話をしてしまったので、たぶん、この記者会見が終わったら断髪式が待ってると思いますので、帽子をずっとかぶったままでいようと思います。最後になって申し訳ないのですが、スポンサーのESSOに感謝したいと思います」



●GT300クラス優勝
No.26 STPアドバンタイサンGT3R
松田秀士「先週の今日はまだクルマが税関にかかっていたというほどで、そんなに短い時間でこういう結果が残せたということは、メカニックさん、チーム関係者のみなさんが寝ずにしてくれたからというおかげ以外のなにもでもないんで、それにすごく感謝しています。それとやっぱりポルシェ自体が持ってるポテンシャルがものすごく高いんです。こんなに短い時間に雨が降ったり天気がよくなったり、うまくセッティングする時間がなかなかなくて、いろんなことを試行錯誤しながらやって、それでレースを走ってみたらこんな結果を残せたということは、自分としてはすごくラッキーだったと思います。GT300クラスはポルシェがなかなか活躍できていなかったんで、そういう意味ではGT300クラスがとてもおもしろいことになると思ってます。個人的にはバイパーで後ろのほうをチョロチョロ走ってるよりは楽しいですね。ほんとうにすばらしいレースができたと思います。それとシュワガーがすごくステディないいドライビングをしてくれたんで、この結果が出せたと思います。すべてのスポンサーにも感謝したいと思います。昨日ちょっと走ったところではタイヤがつらいセッティングになっていたんで、タイヤにやさしいセッティングに変えたんですね。それがどういうふうに出るか、どこまでやさしいセッティングになるかすごくつかみづらいところだったんです。正直な話、あまりバトルしたくなかったんですね。傍観者というか、横でジッと見ていたかったんです。でもスリップストリームに吸いこまれちゃいまして、いつのまにかポンポンポンと前に出たんで、ドライビング的にはバトルしてるときは気持ちよかったんです。ただ、後半になって燃料が軽くなってきたらクルマがバンピーになってきたんで、そのときにタイヤを傷めないように走るというのがつらかったです」

ドミニク・シュワガー「勝てたということで、これ以上うれしいことはないと思います。やはりいろいろな幸運が重なって今日の勝利につながったと思います。チームもほんとうにいい仕事をしてくれました。実際レースになってみると、たとえばRX7やシルビアのほうがストレートが速いっていうのはあったんですけど、ポールポジションのクルマも問題を抱えてたようだし、うまくそういったものが重なってトップに出ることができたと思います。私のパートナーもいい仕事をしてくれました。すばらしいドライバーだと思います。5位スタートで優勝できたんですから、これ以上の結果はないと思います。ただクルマのほうがいいセッティングが出ていませんので、(セッティングが出れば)もっといいレースができるようになると思います。チームを支えてくれた人たちとスポンサーに感謝したいと思います。ポルシェは今回ドイツから2人スタッフを派遣してくださって、そのスタッフの力を借りることができたからこそ今回のような結果が出せたんだと思います。なかなかセットアップする時間がなかったわりにはこれ以上ない結果だと思います」



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