2001 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP Round1
GT CHAMPIONSHIP in TI
4.14,15 TI Circuit AIDA
PREVIEW 2001-04-09

レースプレビュー

2001 開幕戦『GT選手権レース in TI』
新世紀の開幕を飾るのは誰だ?!/スープラ復権!? NSXの連覇!? それともGT-Rの逆襲か…/GT3R大量参加と国産GT新車攻勢でGT300も激戦の予感


大阪から2時間。迫力の走りが見られるTIサーキット
 いよいよ21世紀の全日本GT選手権(JGTC)の開幕が迫ってきた。2001シーズンの開幕戦となるのは、F1グランプリも開催された日本有数のテクニカル・コース、TIサーキット英田(岡山県英田郡英田町)だ。
 このTIサーキット英田は、大阪からも車(中国自動車道、山陽自動車道)で2時間ほどとアクセスも便利。また、観客席とコースとの距離が比較的近く、JGTCマシンの迫力あるコーナリングやエキゾーストノート(排気音)を間近に感じられる。しかも、コーナーがタイトなために、サイド・バイ・サイド、接触覚悟の接近戦が頻繁に展開される。JGTCの迫力を堪能するにはお勧めのサーキットのひとつといえる。


今年のスープラはひと味違う!?
PHOTO No33/38
 さて、JGTC2001シーズンの注目点と言えば、モータースポーツに本気になったトヨタが送り込んだJGTCスープラを使うチームの動向だろう。3月にTIで行われた合同テストでも昨年TIを制したNo.38 auセルモスープラ(竹内浩典/立川祐路組)が非公式ながらコースレコードを更新するタイムを出し、連覇に向けて好発進している。また、昨シーズンのNSXで4ポールポジション(予選1位)1勝と新“JGTC最速男”の名乗りを挙げた脇阪寿一が、今季はNo.6 エッソウルトラフロースープラにステアリングを替え、スープラ軍団の新たな戦力となった。先のTI合同テストでは、まだ本領発揮と行かなかったが、4月の富士テストでは、早速一番時計を記録するなど“最速男”の片鱗を見せている。
PHOTO No6
このTIに“強い”auセルモと“速い”エッソウルトラフローとのスープラ対決は注目だ。このほか、自らのチームを作り、スープラを駆ることになった片山右京も面白い存在になりそうだ。パートナーにはマッチこと近藤真彦を迎え、話題も走りも気になる存在と言えるだろう。


PHOTO No1
 一方、昨年ついに念願のJGTCチャンピオンを獲得した無限×童夢プロジェクトだが、今季は苦戦が予想される。と言うのも、新しい車両規定によりNSX自体がややパワーダウンしたからだ。だが、開発力に関してはF1級のこのチーム、オフにテストを繰り返し、2001年型NSXを昨年型以上に速いマシンに仕立てている。トップスピードがものをいうコースならさておき、このTIサーキットはミドシップのNSXに向いたテクニカルコースだ。ゼッケン1を誇らしげに書き込んだNo.1 ロックタイト無限NSX(道上龍/光貞秀俊組)と昨年全日本F3を征した新鋭セバスチャン・フィリップと海外レース経験豊富な加藤寛規のNo.18 TAKATA童夢NSXを中心としたNSX勢は、やはり優勝候補の一翼となるだろう。

チャンピオンNSXと王座奪還を狙うGT-Rは…
PHOTO No23
 NSX、スープラがスピードに磨きを掛けて新世紀に突入したのに対し、“強さ”のスカイラインGT-Rは今年も変わらないようだ。とはいえ、先の富士テストでは新エンジンを持ち込み、NSX、スープラと互するタイムでトップ3に食い込んでいる。JGTC最多勝を誇る“JGTC最強男”エリック・コマスと影山正美組のNo.23 ペンズオイルゼクセルGT-Rを中心として、ピットの仕事師軍団NISMOが、決勝では必ず仕掛けてくるはず。この瞬間を見逃してはならない。今回、No.12 カルソニックスカイラインは星野一義が欠場となる。残念なことだが、交通違反による免許停止(競技ライセンスも同じ期間停止される)ということだ。この罰則は、プロだからこそ甘んじて受けなければならない。欠場する星野に変わり、本山哲がまさに星野の代わりとなりチームを牽引することになる。謹慎中の師匠を励ますには、代打ドライバー服部尚貴とともに最良の成績を挙げることしかないはずだ。
 また、マクラーレンF1GTRを使うNo.30 綜警McLarenGTRも面白い存在。岡田秀樹のパートナーとして昨年のマカオGP(F3)で優勝し、今季はフォーミュラニッポンにも挑戦するアンドレ・クートを迎える。そして、欧州スーパーカーのランボルギーニ・ディアブロを用いるNo.88 ノマドディアブロGT-1も今季はニューカーを使うという話があり、パフォーマンスアップが期待される。



MR-S、シルビアのニューマシンは強力か?!
PHOTO No26
 昨年はポルシェ911GT3Rに圧倒された感のあったGT300クラスだったが、今季はそうもいかない様相だ。まず、そのポルシェGT3R自体の台数が増えることで、どこかが抜け出るということが難しくなりそうだ。だが、やはり昨年のチャンピオンNo.26 シェルタイサンアドバンGT3R(福山英朗・余郷敦組)がキャリアの上からも有利なのは否めない。これに昨年最後まで食らいついたNo.910 910ロディオドライブアドバンポルシェ(和田久/砂子智彦組)、この2台が本命であることに変わりない。
PHOTO No31
 だが、新規定でGT3Rがややパワーダウンしたことに加え、ここに来て国産GTマシンのパワーアップも始まった。昨年デビューのトヨタMR-Sは本格進化が始まった。熟成不足に苦戦しながらも最終戦で初勝利を得たNo.31 ARTA・アペックスMR-S(新田守男/高木真一組)を筆頭に、今季はMR-Sが一気に4台となる。GT3R旋風の中、昨年唯一勝利したRACING PROJECT BANDOHもマシンをセリカからMR-Sに、そしてドライバーもベテラン田中実と新鋭の後藤聡のコンビに。この新生No.19 ウェッズスポーツMR-Sも気になる存在だろう。また、昨年後半にポール連取を見せたNo.81 ダイシンADVANシルビアも新設計のマシンを投入する。そして、今季からGT300に登場する長谷見昌弘監督率いるNo.3 ユニシアジェックスシルビア(井出有治/柳田真孝組)も面白い存在になりそうだ。また、No.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7(山野哲也/松本晴彦組)やNo.77 クスコスバルインプレッサ(小林且雄/谷川達也組)も期待したいチームである。

波乱の存在となるかモスラーMT900R
PHOTO No900
 そして今季GT300に新たに登場するマシンがある。それは、その名も"モスラー"だ。日本では怪獣と間違われてしまいそうな名前だが、そのキャリアは侮れない。さる2月3〜4日に行われた国際的な耐久レース、デイトナ24時間でクラス・ポールポジションを獲得している実績がある。富士で行われた合同テストでは、このNo.900 MT900R(ディランタ・マラガムワ/浅見武組)がクラス2番手のタイムを記録するなど、GT300クラスに新たな旋風を巻き起こす可能性もありそうだ。

Reported by Team GT InsideReport



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