2001 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP Round4
JAPAN SPECIAL GT CUP
8.4,5 FUJI SPEEDWAY

RACE RESULT 2001-08-05

決勝レースレビュー

ニッサン!ニッサン!ニッサン!
ザナヴィヒロトGT-Rが優勝、ペンズオイル・ゼクセルGT-Rも2位
GT300もダイシンADVANシルビアが富士連勝で


22 SKYLINE GT-R


 1週間前の酷暑が嘘のように涼しさも感じられる8月5日の富士スピードウェイ。この日の富士は何かが起こる予感がした。


 AUTOBACS CUP全日本GT選手権第4戦の決勝レースは、曇天、気温23度という予想外のコンディションとなった。先日夜に降った雨こそ、ないものの多くが猛暑を想定していただけに、早くもまったく展開が読めない状況だ。
 決勝スタートは予定通り14時40分に切られる。ポールスタートのNo.33 Team UKYOスープラの片山右京は、スタートに失敗。1コーナーには予選2位のNo.23 ペンズオイル・ゼクセルGT-Rのコマスと予選3位のNo.6 エッソウルトラフロースープラの脇阪に挟まれるようにして3台が駆け込んだ。このサイド・バイ・サイドを制したのはNo.23だった。これで、コマスは後続を徐々に離し出す。2番手争いは、No.6、No.33に加えて予選8位から最高のスタートを決めたNo.22 ザナヴィヒロトGT-Rのクルムと3台が入り乱れての激戦となる。この中で脱落したのはNo.33右京だった。周回遅れのGT300と接触し、順位を下げてしまう。これで2位争いはNo.6脇阪とNo.22クルムの一騎打ちに。その闘いを後目にトップNo.23コマスは、その差を5秒近く開いていく。
 10周目には、4番手に予選7番手のNo.21 イエローコーンマクラーレンGTRが上がり、単独走行となる。5番手以降はNo.33右京を先頭に4台くらいが一団となって、めまぐるしく順位を変えていく。この中で、25周目にNo.38 auセルモスープラがいち早くピットイン。竹内から立川にドライバーチェンジ。集団を抜け出して後半の追い上げに掛ける。
 一方、2番手争いは、16周目にNo.22クルムがNo.6脇阪を1コーナーでかわした時点で、クルムの勝ち。このあと、クルムはタイヤが厳しくなったのか、徐々にペースの落ちるトップのNo.23コマスを追い上げていく。これで、スカイラインのワン・ツーとなる。3番手のNo.6と4番手のNo.21は単独走行に。

 ここから上位陣はピットインでの争いとなる。30周目にトップのNo.23 ペンズオイル・ゼクセルGT-R(コマス>影山)、33周目にNo.22 ザナヴィヒロトGT-R(クルム>田中)、そして最後に35周目にNo.6 エッソウルトラフロースープラ(脇阪>野田)と作業を行うが、どのチームも約19秒少々と完璧な作業をこなし、ほとんどその差を変えずに終盤に突入した。
 全車がピットインをこなしたところでの順位は、トップNo.23影山、5秒差でNo.22田中、さらに10秒離れてNo.6 野田となった。4番手には、早めにピットインし、着実に上がってきたNo.38 auセルモスープラの立川が上がって来る。
 このままトップNo.23が逃げ切るかと思われたが、徐々にNo.22がその差を詰めていく。一時は7秒近くあった差は、47周で3秒弱となり、ここから一気に詰まって、ラスト6周となる51周目に、GT300に詰まったNo.23影山をNo.22田中が100Rでパス。ついにトップに立った。この後、No.23影山も食い下がっていくが、No.22 ザナヴィヒロトGT-Rの田中は何とか逃げ切って、ゴール。田中哲也にとってはJGTC初優勝、ミハエル・クルムにとっては富士での初勝利を挙げげることとなった。2位にはNo.23 ペンズオイル・ゼクセルGT-Rが入り、NISMOのスカイラインGT-Rがワン・ツー勝利を挙げることとなった。3位はウエイト60kgを積みながらしぶとく走りきったNo.6 エッソウルトラフロースープラ、4位には同じく70kgを積むNo.38 auセルモスープラが入り、シリーズポイントをしっかりと稼いだ。
 この勝利でNo.22 クルム/田中組がランキングトップとなるが、このレース5位に入ったNo.1 道上/光貞組と、No.6 脇阪/野田組がそれぞれ1ポイント差で続くという、シビアな争いのまま、第5戦もてぎ(9/15,16)に臨むことになった。


81 SILVIA

 GT300クラスは、予選ポールのNo.19 ウェッズスポーツMR-S(田中実)を、No.81 ダイシンADVANシルビア(青木)とNo.77 クスコスバルインプレッサ(谷川>小林)、No.3 ユニシアジェックスシルビア(井出)が追う展開。予選クラス4位でランキングトップのNo.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7は、2周目に松本がコースアウトし、一気に12番手まで下がってしまう。また、オーバーステアに悩む、No.77も徐々に後退。トップ争いは、No.19田中とNo.81青木の一騎打ちになる。8周目にNo.81青木は、No.19田中をパスし、トップに立つ。だが、No.19も数秒差でNo.81の背後にピタリとつける。
 そしてトップ争いをする2台は、なんと33周目に同時ピットイン。ピットワークもほぼ互角でわずかにNo.81が前でコースに復帰。今度はNo.81大八木とNo.19後藤のベテランvs新鋭の闘いに。ピットを出た直後のラップはNo.81大八木がわずかに速く、その差が数秒となってしまう。
 一方、トップスピード不足に悩み3番手となったNo.3はタイヤ無交換によるピット時間短縮の賭けにでる。この作戦で見事にNo.3はNo.81のわずか前、つまりトップに立った。だが、タイヤ無交換のハンデはきつく、No.3柳田はNo.81大八木にパスされ、2番手に。さらにNo.19にも迫られる。

 トップを奪還したNo.81 ダイシンADVANシルビアの大八木は、そのまま逃げ切り優勝。第2戦富士に続き、富士で連勝を果たした。2位争いは、周回遅れとGT500のトップ争いに巻き込まれて、混戦状態にとなり、そのあおりをNo.19が喰ってしまってダートに飛び出す。これで、No.3 ユニシアジェックスシルビアが2位を確保。No.19 ウェッズスポーツMR-Sは無念の3位となった。また、4位には序盤の遅れを激しい追い上げでリカバリーした、No.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7が入りった。
 これでランキングは、No.81ダイシンとNo.7雨宮が同ポイントでトップとなり、シリーズ後半戦に向かうことになった。



GT500 Winner
No.22 ザナヴィ ヒロトGT-R
ミハエル・クルム「クルマは昨日から良かった。今日はスタートも上手くいって、セッティングもエンジンも素晴らしかった。右京さんは直線が速くてタイヘンでした。で、チョットがまんして上手くいきました。そのあとは6番との争いでした。GT300に詰まって最終コーナーを全開で行けないと直線で苦しくて。でも2位になったけど、タイヤも苦しかった。コマスにも追いつきたかったけど、同じくらい速かったからタイヘンだった。あとはテツヤに任せました。テツヤがトップに立ったとき、とても嬉しかった。富士での優勝は初めてだからビックリしました。エフポンで優勝できなかったから、すごく嬉ししかった(笑)。ホントいい気持ちです」
田中哲也「ウチのクルマは車重が軽いのを選んで(リストリクターが小さい)からストレートで負けてたところを、マイケルががんばってあそこまで上げてくれた。トップに立ったときは、GT300が100Rにいて、運良く僕の行くところが空いて、正美くんもフェアで、これからまだまだと思ってました。最後まで安心は出来ませんでした。ピットからは上矢印が出てて、これだけがんばってるのに『どないせいっていうじゃ』って(笑)。菅生は自分のミスでリタイアしてしまったから、シリーズで大きいポイント獲らなければと、なんとか精一杯いきました。初優勝ですけど、チームの結果ですし、シリーズ獲りたいんでそのことで頭がいっぱいです」



GT300 Winner
No.81 ダイシン ADVAN シルビア
大八木信行「ホント、嬉しいですね。前の富士、N1の十勝、そして今日と、チームが当たり前のようにいいクルマを作ってくれてます。でも、まだまだ良い意味で欲を出していきたい。3号車に追いついたときブレーキが悪そうで、無線からタイヤ無交換だと聞いて、これは抜けるなと。これはじっくりと無理せずストレートで抜きました。そのあとは、ミラーを見ずに前だけを見てドンドンドンと。朝のフリーでもトラブル抱えて、いろいろあった1日で、ホント嬉しかったです」
青木孝行「レースは数台の混戦になると思ってましたが、19との一騎打ちになりましたね。どちらにアドバンテージが在ったわけでもなくて、どこで仕掛けるかと言うところで、実さんもフェアでうまくパッシングできました。マシンもエンジンもタイヤも完璧でしたし、不安もなかったので19番のMR-Sを自分のピットに戻るまで抑える切る自信はありました。これからはシリーズチャンピオンを意識しないといけませんね。ポイント的も接戦ですし、取りこぼしのないように、次からウエイトも重くなりますし、ミスもないようにいきたい。こういう流れのいいときこそ、気を引き締めないとね」







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