2001 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP Round6
SUZUKA GT300km
10.27,28 SUZUKA CIRCUIT

PREVIEW 2001-10-19

レースプレビュー

王手を掛ける最大の決戦、迫る!/栄冠に迫るのはauセルモスープラか、それとも…/GT300ではシルビア vs RX7の対決に決着はあるのか?

シリーズ最大の決戦、舞台は世界の鈴鹿!
 激戦が続くAUTOBACS CUP全日本GT選手権(JGTC)も、残すところあと2戦。チャンピオン獲得へ向けて、ひとつのミスも許されない闘いが続くことになる。だが、常に接近戦が続くJGTCでは何が起こるか分からない。それだけに最終戦を前に、少しでも有利なポジションに着くためにも、この第6戦鈴鹿でライバルより良いポジションを得ておかねばならない。もちろん、計算上ではここでチャンピオン確定の可能性があるチームもあるだけに、ライバルは是が非でも勝負を掛けてくるはずだ。

 JGTC2001で最大の決戦の舞台となるのは、つい先日F1世界選手権最終戦・日本GPが行われたばかりの鈴鹿サーキットだ。鈴鹿は国内では最長、世界でもロングコースの部類に入る全長5.85913kmに、2本のロングストレートと超高速コーナーの130RやテクニカルなS字コーナー、低速のシケインまでさまざまなコーナーがちりばめられている。どのドライバーも難しく、そしておもしろいと口をそろえる国際級のサーキットである。
 このインターナショナル・サーキットSUZUKAをJGTCマシンがいかに攻め、ライバルたちとの闘いを進めていくか。見どころの多い一戦となることは間違えない。

 JGTC第6戦が行われる鈴鹿サーキットへのアクセスへは、名古屋方面からだと東名阪自動車道の鈴鹿インターから案内看板に沿って行けば約30分で行ける。大阪方面からは名阪自動車道の亀山インターから約30分で、こちらも要所に看板があるので分かりやすい。公共交通機関は、名古屋駅から近鉄特急(名古屋線)に乗り白子駅で下車、駅からバスもしくはタクシーで10〜15分ほど。もしくは近鉄鈴鹿線の平田町駅からタクシーで10分、伊勢鉄道の鈴鹿サーキット稲生駅からは徒歩15〜20分。


GT500
auセルモとライバルたちの駆け引きに注目!
GT500ランキングTop10の
現在のポイントと第6戦のウェイトハンディ
Po No Driver Point WH(kg)
1 38 竹内浩典/立川祐路 52 100
2 22 M.クルム/田中哲也 43 40
3 1 道上 龍/光貞秀俊 41 20
4 6 脇阪寿一/野田英樹 40 70
5 64 D.シュワガー/松田次生 38 70
6 8 土屋圭市/金石勝智 36 10
7 37 山路慎一/W.ガードナー 34 20
8 23 E.コマス/影山正美 26 30
8 100 飯田 章/伊藤大輔 26 20
10 12 本山 哲 20 20
 第5戦もてぎはまさに波乱の連続でMobil 1 NSX(D.シュワガー/松田次生組)が勝ち、auセルモスープラ(竹内浩典/立川祐路組)が2位となった。もてぎでの巻き返しを狙っていたロックタイト無限NSXは、終盤までトップを走りながら痛恨のミス、ガス欠でなんとノーポイント。このレース前までランキングトップだったザナヴィヒロトGT-Rも下位に沈み、代わってランキング最上位に上がったのはauセルモスープラだった。

 これにより計算上は、鈴鹿でauセルモが2位以上で、他のチャンピオン候補が総崩れになれば、チャンピオンは彼らに決定する。auセルモは、8月の鈴鹿1000kmレースでもポール・トゥ・フィニッシュを決めており、鈴鹿で決める可能性もあり得ないことではない。だが、auセルモのハンデウエイトはなんと100kgとかなりハードだ。10月1-2日に行われたテストでは、そのウエイトを積みながらも2分00秒を叩き出すなど、好調さを見せていた。果たしてauセルモが決めるつもりで突っ走る策を採るのか、それとも堅実にウエイトを増やさず、かつランキング首位をキープする順位を狙うのか…。その作戦の取り方が注目される。

 一方、ランキング2位に付けるザナヴィヒロトGT-R(M.クルム/田中哲也組)は、どう出るのか。スカイラインGT-Rにとって鈴鹿は決して得意なコースではない。順当に行けば、これまで分のいい最終戦のMINEで勝負する作戦を採りたいところ。だが、auセルモがレースで上位に上がれば、そうも言ってはいられない。戦略上手と言われるNISMOが、auセルモの作戦をどう読み、どう対応してくるのか、またレース中の作戦変更があるのか。興味深いところだ。

 そして、もてぎをノーポイントで終えてしまった2000年チャンピオンのロックタイト無限NSX(道上龍/光貞秀俊組)は、まさにこの鈴鹿は必勝の構えで来るだろう。鈴鹿はNSXにとって、シーズン前のテストを繰り返したホームコース。さらにもてぎの第5戦、鈴鹿1000kmと無限×童夢プロジェクトにとっては悔しいレースが続いた。もてぎと1000kmでの雪辱をきすためにも、ここで勝負を賭けなければ、例え結果的にチャンピオンになっても画竜天晴を欠くことになる。今季、スピードではスープラに後れを取ったと言われるNSX。だが、先の鈴鹿テストでは、TAKATA童夢NSX(S.フィリップ/B.トレルイエ組)がレコードタイムを越える1分59秒076を叩き出しているだけに、この鈴鹿では、これまでの"常識"が通じないかもしれない。

 このランキング上位3チーム以外にも、エッソウルトラフロースープラ(脇阪寿一/野田英樹組)、Mobil 1 NSX、ARTA NSX(土屋圭市/金石勝智組)、マツキヨZENTトムススープラ(山路慎一/W.ガードナー組)までがチャンピオンの可能性を残している。これらのチームは、鈴鹿での優勝、最低でも表彰台を手にしないと最終戦での挑戦権を失うことになる。
 この他にも、もてぎで久々の表彰台を手にして意気挙がるカルソニックスカイラインや昨年のポールシッター(コースレコードホルダー)の飯田章率いるRAYBRIG NSX(飯田/伊藤大輔組)、鈴鹿1000kmで3位に入っている綜警McLaren GTR(岡田秀樹/A.クート組)なども忘れてはいけない存在といえる。


GT300
RX7有利のコースでダイシンはランキングトップを死守できるか?
GT300ランキングTop10の
現在のポイントと第6戦のウェイトハンディ
Po No Driver Point WH(kg)
1 81 大八木信行/青木孝行 60 80
2 7 山野哲也/松本晴彦 54 50
3 31 新田守男/高木真一 40 40
4 3 井出有治/柳田真孝 38 70
5 910 和田 久/砂子塾長 36 10
6 77 小林且雄/谷川達也 34 10
6 24 松田秀士/西澤和之 34 20
8 19 田中 実/後藤 聡 33 80
9 26 福山英朗/余郷 敦 29 20
10 62 柴原眞介 14
 クラスランキング同点首位で第5戦もてぎを迎えたダイシンADVANシルビア(大八木信行/青木孝行組)と雨宮マツモトキヨシアスパラRX7(山野哲也/松本晴彦組)だったが、雨宮RX7は7位、80kgのウエイトを積んだダイシンシルビアは大健闘の4位となり、鈴鹿では6ポイントの差が付けて挑むことになった。

 このため、ダイシンシルビアは差を詰められない走り、つまり雨宮RX7の1つでも前、悪くても直後に入ればいい。無理をせずに手堅く雨宮の作戦を見ながら走ることになりそうだ。

 一方、追う雨宮RX7はそれを許すわけにはいかない。ウエイトハンデはまだ50kgと重いが、それでも鈴鹿テストではクラストップのタイムを叩き出している。高速コーナーを得意とするRX7にとって鈴鹿は有利なサーキットだ。そして、最終戦のMINEは低速コーナーが多く、逆に不利。となれば、雨宮にとって鈴鹿での勝負で負けるわけにはいかない。できれば勝利、悪くとも高得点の獲れる表彰台に入って、ダイシンと並んだ状態で最終戦を迎えるようにしたいはずだ。

 この他にも、昨年の鈴鹿勝者ARTA・アペックスMR-S(新田守男/高木真一組)、ユニシアジェックスシルビア(井出有治/柳田真孝組)にもまだチャンピオンの挑戦権がある。だが、ポイント差から考えるとこの2チームは鈴鹿での勝利が絶対条件という厳しさだ。だが、両チームともその実力は十分あるだけに、波乱の存在になりうるかもしれない。

 また、もてぎでパーフェクト勝利を飾ったウェッズスポーツMR-S(田中実/後藤聡組)や、荒れた展開になれば、ポルシェ勢のJCMタイサンGT3R(松田秀士/西澤和之組)や910アドバンロディオドライブポルシェ(和田久/砂子智彦組)なども要注意の存在になりえるだろう。


 ラスト2レース。GT500、GT300ともにランキング上位はチャンピオンへの駆け引きが行われ、今季ここまで奮わなかったチームは成績を残すために一発勝負を狙ってくるだろう。いろいろな要素が絡み合ったJGTC2001最大の決戦、鈴鹿ラウンド。さあ、スタートはまもなくだ!

Reported by Team GT InsideReport


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