2004 AUTOBACS全日本GT選手権（JGTC）開幕戦「GT CHAMPIONSHIP in TI」決勝日、朝8時30分より30分間の予定でフリー走行が行われた。

　TIサーキット英田では前夜来の雨がやまず、ウェット宣言が出されるなかでの走行となった。開始時点での気温は7度、路面温度は10度と、肌寒さすら感じる気候。天気予報では午後の降水確率は下がっているが、決勝スタートまでに路面は乾かないことが予想される。このため、各チームともウェットセッティングの確認のために、積極的にコースに出ていった。
　開始5分後、No.37 DYNACITYトムス スープラがモスS字コーナーで路面の水溜りに足許をすくわれコースアウト。コース上にウレタンバリアをまき散らし、後続の数台もこれを避けようとスピンしてコース上は混乱した。だが、他車はクラッシュすることなく済んだ。このトラブルの処理のために走行は赤旗中断となる。幸いNo.37のジェームス・コートニーに大きなケガはなかったが、マシンはフロント部に大きなダメージを受け、決勝への出走が危ぶまれる。

　17分後に走行は再開する。依然として雨の量は多く、コース上の各所で姿勢を乱すマシンがみられる。予選でポールを奪ったNo.22 モチュールピットワークZもヘアピンでコースアウトしかかり関係者をヒヤリとさせたが、すぐに復帰してことなきをえた。この時点でのGT500のトップタイムはNo.39 デンソーサードスープラGTの1分38秒866、GT300はNo.16 M-TEC NSXの1分43秒644。GT300の2番手はNo.63 LEYJUNダンロップ320Rの1分45秒347とNo.16とは1.7秒もの差がついている。

　セッション終わり近くになってNo.12 カルソニックIMPUL ZとNo.22がタイムアップし、No.12が出した1分38秒300がこのセッションではベストとなった。しかし、決勝ではコンディションが変わってくることも考えられ、このタイムがどのていど参考になるのかははっきりしない。No.1 ザナヴィニスモZは特にトラブルもなかったが、このセッションをわずか4周ほどしか走らずに終えた。また、予選で下位に沈み、「決勝は雨で荒れるレースになってほしい」とコメントしていたNo.18 TAKATA童夢NSXの道上龍は、1分41秒941でこのセッションの9番手となった。

　なお、予選でクラッシュしたNo.51 NSC・AUTO-STAFF・ADVANシルビアとNo.111 ARKTECH ENDLESS ADVAN GT4はこの走行に参加しなかった。
　天気予報では、決勝スタートの14時には雨が止むとしている。確かにフリー走行終了時点の9時30分では雨もかなり弱くなっている。だが、路面コンディションにおいては、非常に微妙だと言わざるおえない状況だ。

No.12 カルソニック IMPUL Z（GT500トップタイム）

ブノワ・トレルイエ「セッションが終わったらトップタイムが出てたからビックリしたよ。だって、全然プッシュしてなかったからね。クルマは雨でもバランスがいいと思うよ。GT-Rよりも少しだけドライビングがむずかしいような気がするけど、問題ない。有治もボクもそろってタイムが出ているし、レースのコンディションはドライでもウェットでもどっちでもいい。とにかくミスなく走り切って、いいポジションでゴールしたいね」

No.16 M-TEC NSX（GT300トップタイム）

山野哲也「めちゃめちゃクルマが安定しています。フラフラ感がまったくなくて、お尻がドッシリと地面についてるし、アクセル踏んでもグッといってくれる。これだけの雨での走行は初めてだけど、いい状態ですね。決勝は雨のほうがいいや。晴れでもいいけど、雨のほうがアドバンテージがあるような気がする」