2004 Round1
GT CHAMPIONSHIP in TI
2004.4.3, 4.4 / TI Circuit AIDA

2004Round1Preview

2004 第1戦 プレビュー
2004-03-30

新たな戦いがここから始まる...

新鋭Z、ターボNSX、進化スープラ&フェラーリ登場!

GT300は新戦国時代へ突入!!

モータースポーツの季節もいよいよ春到来。2004年4月3、4日には待望のAUTOBACS全日本GT選手権(JGTC)、2004シーズンの開幕戦が岡山県・TIサーキット英田で開催する。昨シーズンは新車両規定の導入でGT500ワークスマシンすべてが生まれ変わったが、今季もその革新は止まらない。伝説を残して消えた日産スカイラインGT-Rに変わり、フェアレディZが、そしてホンダNSXはターボで武装、さらにスープラも進化。加えて、ヨーロッパのGTチャンピオンカー、フェラーリ550GTマラネロが参戦など、今年も話題に尽きないJGTC。開幕戦TIは必見だ!

直前テストで絶好調のZ。果たしてNSXターボの実力は…

No.12 CALSONIC IMPUL Z  昨年、3勝を挙げ、チャンピオンマシンともなったスカイラインGT-Rは今季から参戦を休止した。それに代わり日産&NISMOが送り込んだのがフェアレディZだ。昨年からGT300に登場しているマシンとはまったくの別物で、GT-Rの財産であるV6ツインターボのVQ30DETTとミッション後方配置のトランスアクスルをそのまま受け継ぎ、Zの流麗な空力デザインをそこに加えたというハイブリッドマシンだ。それだけにオフのテストでは、スープラ、NSXより速さでは一歩ぬきんでており、新車にしてはトラブルも少なくて完成度もかなり高い。もちろん、各コースに関してのセッティングや耐久性などはまだ未知数ではある。だが、NISMOとIMPUL、ハセミともに開幕からポール&ウィンを狙うと、その自信はかなりのものだ。

No.8 ARTA NSX  そして、昨年苦戦を強いられたホンダNSXは、今季から3リッターターボを搭載してきた。これで課題だった加速域でのトルク不足を解消してくるはずだ。だが、オフの非公開テストではトラブルの連続だったらしく、思うように熟成が進んでいないようだ。鈴鹿の合同テストでも、全力の走行というより、状況を確認しながらの開発段階という雰囲気でタイム的にもZやスープラには及ばないという感じ。だが、そこは実績あるホンダ&M-TEC(旧・無限)だ。必ずライバルたちに優るとも劣らないエンジンへと仕上げてくるはず。問題は、それが早くも開幕戦なのか、もうしばらく時間が掛かるのかというところだ。

No.38 au CERUMO SUPRA  一方、スープラは昨年型から正常進化したマシンを投入する構えだ。ただし、今季の規定改定で5リッター以上のエンジンへの制限が厳しくなったため、今季は4.5リッターへとスケールダウンした。これにより昨年は圧倒的だったパワーはやや抑えられる。とはいえ、これは折り込み済みで4.5でも5リッターに近いパワーを、そしてシャシー面でコーナーでの安定性をと全体のレベルアップを試みている。それだけにコースレイアウトにこだわらない、オールマイティな速さを持ったマシンに進化しそうだ。

No.21 Ferrari 550GTS Maranello  この国産GT勢だけなく、今季は外国車たちも装いを一変させた。まずは、昨年マクラーレンF1GTRを使用していたHITOTSUYAMA RACISNGが、今季はヨーロッパのFIA-GT選手権でチャンピオンカーとなったフェラーリ550GTマラネロを導入する。ただ、FIA-GT仕様のままでは不十分なため、名門チューナーのノバ・エンジニアリングにJGTC仕様への大幅改造を依頼。開幕戦の段階ではまだ十分な戦闘力がないかもしれないが、今後は侮れない存在になりそうだ。また、ランボルギーニの新GTマシン、ムルシエラゴR-GTはマシンの到着が間に合わず、残念ながら開幕戦は欠場になる。だが、こちらはヨーロッパでJGTC仕様を製作し、試走段階までいっているというだけに、登場とともに活躍してくれそうだ。


コンビの変わったチームが要注意!?

 さて、ドライバー面に目を向けてみると、2人のドライビングスタイルを会わせるという形の移動があった。まずは昨年のチャンピオンコンビの本山哲とミハエル・クルムが同じNISMO内ではあるが別れ、本山とリチャード・ライアン(No.1 ザナヴィニスモZ)、クルムと影山正美(No.22 モチュールピットワークZ)というコンビとなった。また、スープラ勢でも立川祐路が荒聖治(No.38 auセルモスープラ)と、NSXではDTM帰りの金石勝智と伊藤大輔(No.8 ARTA NSX)というWエース体制のコンビが結成されている。

 一方で、脇阪寿一と飯田章(No.6 エッソウルトラフロースープラ)、道上龍とフィリップ(No.18 TAKATA童夢NSX)、松田次生とロッテラー(No.32 EPSON NSX)などという不変のコンビもあり、どのパターンのコンビが活躍するか、予想する楽しみもありそうだ。

 また、片岡龍也とコートニー(No.37 DYNACITYトムススープラ)という新人コンビや他車種から移籍したコマスと金石年弘(No.3 G'ZOX SSRハセミZ)といった組み合わせもどうなるか興味深い。そして、F1やCARTなど海外レースで活躍してきた中野信治が初のJGTC挑戦でどんなパフォーマンスを見せるかも気になるところだ。


強力マシンが増えて戦国時代のGT300

 昨年、前半戦はポルシェ911GT3RやトヨタMR-Sなど歴戦のマシンが健闘したが、後半戦はセリカが圧倒的な強さを誇った。だが、結局タイトルは新鋭のフェアレディZが奪うなど複雑な状況だったGT300クラス。今季はフェアレディZが2台となり、それぞれに昨年のチャンピオン、木下みつひろ(No.80 エンドレスダイシンアドバンZ)と柳田真孝(No.81 シーウエストダイシンアドバンZ)が別れて乗る。GT300のZはGT500のものとは違い、昨年型ベースの進化型ということだ。セリカは変わらず3台で中でも青木孝行と谷口信輝(No.19 ウェッズスポーツセリカ)のコンビは期待大。そして今季からGT300にスイッチした元GT500チャンピオン竹内浩典(No.52 プロジェクトμ太陽石油セリカ)の走りも注目だ。GT500からのスイッチといえば、M-TEC NSXのGT300参戦も忘れてはならない。GT500で鍛えてきたワークスパワーがどこまで混戦のGT300を切り裂けるか、見ておきたい。

 そして、昨年後半は勝利目前まで行きながら惜しくも逃していたフェラーリ360モデナは2台体制で必勝を期している。昨年トップスピード不足で苦戦したGaraiya(No.43 ARTA Garaiya、新田守男・高木真一組)がZと同じV6を積むことになった。だが、合同テストにマシンの完成が間に合わずセッティング不足と信頼性に不安を抱える。また、MR-S(No.30 RECKLESS MR-S、No.31 A'PEX i-mobisses MR-S)もエンジンを縦置き化しパフォーマンスアップを図ってきている。

 他にもGT500優勝経験者の山路慎一が戻ったRX-7(No.7 雨宮アスパラドリンクRX7)、英国や全日本F3などで活躍した細川慎弥(No.9 M-STADIUM ADVAN MT)の参戦なども気になるところ。この他にもタレントのヒロミ(No.70 フィールズ外国屋アドバンポルシェ)や韓国クムホタイヤ(No.2 プリヴェチューリッヒクムホNSX)の登場などGT300も話題は尽きない。


TIサーキット英田へのアクセス

 開幕戦が行われるTIサーキット英田は、岡山県英田郡英田町にある。過去にはF1世界選手権も開催されたことがある。このサーキットは観客席とコースとの距離が比較的近く、JGTCマシンの迫力あるコーナリングを見ることができる。JGTCは接近戦が連続するだけにレースの醍醐味を楽しめるだろう。
 サーキットへのアクセスは、岡山市内からクルマで1時間ほど。中国自動車道・美作インター、山陽自動車道・備前または和気インターから30分ほど。電車ならJR山陽本線・吉永駅下車、タクシーで20分。詳しくは、TIサーキット英田・ホームページへ。



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