2004 Round3
JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA
2004.6.18, 19 / SEPANG CIRCUIT

2004Round3Preview

2004 第3戦 プレビュー
2004-06-14

マレーシア大会は海外戦最大の参戦42台!

2年ぶりのセパンは未知の要素が多すぎて予測不能!?

GT300はセパンお得意の雨宮アスパラRX7が本命か

2003年は東南アジアを襲ったSARS禍のために富士スピードウェイに変更されてしまったマレーシア大会だが、今年は2年ぶりのシリーズ戦が6月18、19日に開催される。決勝日は土曜。決勝スタートは現地時間の17時(日本時間:18時。時差は-1時間)という夕方になる。これまでは炎天下の日中に行われていたレースだが、ドライバーや観客の体調も考慮しての時間変更だ。国内で結果を見守るみなさんもいつもと違うレース・スケジュールなので、日時等を良く確認してほしい。このマレーシア大会は、2002年からシリーズ公式戦となった。海外2回目の公式戦ある今大会は国内大会とほとんど変わらない42台ものマシンで戦われる。まさに国内戦と変わらない熱いバトルが、赤道間近の暑い国で行われるのだ。

実は新規定マシンの初レースとなるセパン

No.6 SUPRA  JGTCは2003年に車両規定が大きく変更されたのはご存じであろう。これにより、GT500のスープラやフェアレディZはベース車と違うトランスアクセル化(ミッションを車体後方に設置)を行うなどマシンバランスが大きく変わった。だが、2003年は先に述べたようにマレーシア大会が中止となり、このセパンで新規定車が走ることはなかった。そう、今年が新規定で造られたマシンにとってはセパン初レースになるのだ。このため、各チームにとっていかに素早くデータを収拾し、セッティングに活かせるかがセパン制覇の鍵になりそうだ。
 このレースの定石を考えたとき、一歩リードしているのはスープラ勢だ。実を言うと、スープラの主力チームとドライバーはシーズン開幕前に、このセパンサーキットでタイヤテストを行っている。国内のテストほど緻密には出来なかったかもしれないが、彼らはすでに基本データを持っているといえるだろう。
 そういう意味では、スープラ勢が一歩有利。なかでもここまで満足のレースが出来ていないNo.6 エッソウルトラフロースープラやNo.36 WOODONEトムススープラなどが勝負を賭けたレースにでるかもしれない。
No.1 FAIRLADY Z また、第2戦SUGOではマイナートラブルやセッティング不足で思うような結果を残せなかったフェアレディZ勢。十分な対策を施して、ここで巻き返しに出たいところだが、セパンへの移動は2週間がかりの船便移動。マシンを大きく改修している時間はなかったはず。パーツ改良を中心にした最低限の対策でどこまで信頼性を高められるか。NISMOはじめ、各チームのエンジニアリング能力が問われる一戦となりそうだ。


夕方スタートで酷暑対策も変わるのか?

 先にお知らせしたとおり、今年のマレーシア大会は夕方、17時からのスタートとなり、ゴールは19時頃になると予定されている。緯度の低いマレーシアだけに19時くらいが、明るさも日本の夕方といった感であり、通常の走行にはまったく問題はない。また、気温も17時頃から下がりだし、日が陰るこのころから急に下がる。
 このように熱帯の日ざしが強烈に差し込む日中に行われていたこれまでのセパンでのレースとはかなり条件が変わってくるかもしれないのだ。毎年、2、3人のドライバーが熱中症寸前に追い込まれたり、数台のマシンがオーバーヒートで音を上げたりしていた。だが、今年はもっと本質的なレース展開となるかもしれない。とはいえ、そこはやはり赤道直下のマレーシア。湿度は高いし、国内戦でも熱トラブルは油断のできないものだけに、甘く見れば痛い目にもあうだろう。
No.32 NSX  この熱の面で特をしそうなのがホンダNSX勢。今季から搭載したターボエンジンの課題が熱処理なだけに、エンジンの熱負担が減る夕方スタートは願ってもないことだろう。また、ミドシップのNSXはドライバーに対しても暑さの負担を掛けないだけに、このセパンは復活の糸口になるチャンスだ。ウワサでは、ニューバージョンのエンジンをシャシーとは別便で送り込むという話もあり、これまでとはひと味違ったNSXが見られるかもしれない。


AMPREXのムルシエラゴR-GTもデビュー

 第2戦SUGOでは、JLOCのランボルギーニ・ムルシエラゴR-GTがデビューした。残念ながらマイナートラブルで決勝を走ることは出来なかったが、HITOTSUYAMA RACINGのフェラーリ550GTSマラネロとともにFIA-GTで上位入賞経験のある車種だけに今後に期待したい。
 そして、この第3戦セパンではAMPREX MotorsportsのムルシエラゴR-GTが登場する。AMPREXはマレーシアに本拠を置くチームであり、監督やメカニックはマレーシア人だけに、母国レースでのGT500デビューは力が入るだろう。シェイクダウン直後であるだけに大きな期待は難しいだろうが、スタンドの観衆が大声援を送れる活躍を期待したい。


フェラーリ、VemacなどGT300はコーナリングマシンが有利か

No.7 RX-7  GT300に目を移すと、この第3戦セパン大注目なのが雨宮アスパラドリンクRX7だ。雨宮RX7はセパンには2000年と2002年に参戦し、2戦2勝を挙げる相性の良さがある。マシン的にもロータリーエンジンの特性とコースレイアウトが合っているといわれている。今季は第2戦SUGOで新型車をデビューさせ、そのレースでポールを獲得、パンクという不運なアクシデントで表彰台は逃すが、4位にとなる実力を示した。こう考えると、誰もが本命に推すのは間違いなく、実際に雨宮RX7を軸としたレース展開になりそうだ。
No.10 F360  これに対抗するのは、JIM GainerのフェラーリF360、2台とVemacRD320R、そしてGaraiya、ホンダNSXといったコーナリングを得意とするマシンではないだろうか。
 第2戦で優勝したセリカ、そしてMR-Sだが、この2車種は熱対策にいつも課題を抱えるマシンだけに、このセパンは厳しい展開が待っていそうだ。だが、今回は夕方スタートであるだけに、国内戦並の本領を発揮できるかもしれない。


 いずれにせよ、昨年行われなかっただけに未知な部分が多い第3戦セパン。だが、シリーズ序盤の鍵となるレースであることは間違いない。JGTCファンなら絶対無視できない一戦となるはずだ。



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