9月5日、2004 AUTOBACS全日本GT選手権第5戦「もてぎGTチャンピオンレース」（ツインリンクもてぎ）の決勝日を迎えた。午前8時15分より30分間の予定でフリー走行が行われた。
　昨日から降る雨は今朝も止まず、コースは完全なウエット。当然、皆レインタイヤでの走行となった。天気予報によると昼過ぎても小雨が降り続くというだけに、各チームはレイン・コンディションでのセッティングをするために積極的に周回する。

　走行序盤には、No.6 エッソウルトラフロー スープラやNo.12 カルソニックIMPUL Z、No.25 ECLIPSE ADVANスープラ、No.18 TAKATA童夢NSXなど有力チームが滑りやすい路面に足をすくわれたか、コースアウトするシーンが見受けられたが、クラッシュには至らずコースにすぐに復帰できた。
　まずは開始7分に、予選ポールを獲得したNo.35 イエローハットYMSスープラが2分4秒976でウエット状況でもトップタイムを記録。多くのマシンが走り出したことと雨が小康状態になったことで、各車のタイムは徐々に高くなっていく。13分経過時点では、No.12 カルソニックIMPUL Zが2分2秒481とトップになり、さらに次周には1秒251までタイムを縮めていく。2番手には現在ランキングトップのNo.39 デンソーサードスープラGTが2秒173で続く。セッションの半分、15分時点で予選では苦戦したNo.36 WOODONEトムススープラが2分1秒942で2番手に浮上してくる。だが、すぐにNo.35 イエローハットYMSスープラも1秒804を記録して、WOODONEの上にと上がる。そして、No.32 EPSON NSXも1秒823で3番手にと入ってきた。
　EPSON NSXは次のラップで2分00秒190を叩き出し、スープラ、Zを上回ってタイミングモニターのトップとなった。序盤コースアウトして心配されたNo.18 TAKATA童夢NSXも1秒596を出して4番手に浮上。前戦優勝し、100kgのハンデを背負うNo.22 モチュールピットワークZも1秒187まで刻みNo.18から4番手を奪う。もし決勝レースがこのようなコンディションになるとマシンやハンデウエイトの差はかなり縮んで、混戦模様となりそうだ。

　残り6分になったときだった。No.38 auセルモスープラが4コーナーの出口でスピン。ウォールにクラッシュし、マシン右前からドア付近までを大きく壊した。このクラッシュで赤旗が提示され、走行が中断。ドライバーの立川祐路には大事はなかったが、マシンのダメージはかなりのもので、決勝への出走が危ぶまれる。
　15分ほどの中断ののち、走行は残り6分で再開。このころになると雨はほとんど止み、路面コンディションもかなり良くなってくる。ここでNo.12 カルソニックIMPUL Zの井出有治が1分59秒567、No.1 ザナヴィニスモZのライアンが59秒296と2台のZが2分を切ってくる。No.12はさらに59秒315までタイムを縮めるが、No.1は58秒857と唯一の58秒台に入れこのセッションのトップを最後に奪った。また、ポールのNo.35 イエローハットYMSスープラも最後のラップで2分を切って3番手に入り、ウエット状態でも好パフォーマンスを見せた。

　GT300クラスの序盤、ランキングトップのNo.16 M-TEC NSXが2分10秒688でトップ、これにNo.17 エスペリアkoseiセリカが11秒596、クラスポールのNo.81 シーウエストアドバンダイシンZが11秒649と続く。
　セッション折り返しの15分時点では、No.52 プロジェクトμ太陽石油セリカが2分10秒103でトップに。だが、すぐに前戦優勝のNo.43 ARTA Garaiyaの新田守男が2分8秒087でトップを奪っていく。No.43は高木真一に代わり、中断直前には7秒556を叩き出した。結局このタイムがGT300のベストとなった。中断後は、No.80 エンドレスダイシンアドバンZが2分7秒572として2番手となった。

No.1 ザナヴィニスモZ（GT500トップタイム）

リチャード・ライアン「雨でもドライでもクルマのバランスがよくて、安定している。ドライバーもチームも完璧な仕事ができた。すべてがパーフェクト。優勝できる自信はあるよ」

No.43 ARTA Garaiya（GT300トップタイム）

高木真一「クルマのセッティングはドライとほとんど変わらないです。でも、バランスはよかったです。ボクが1周（アタック）しただけでトップタイムが出ましたから。新田さんにタイヤや新品ブレーキの焼入れをしてもらって、一番いい状態でボクが乗りましたからね。ただ、そこから先タレるかどうかは赤旗が出ちゃったので確認できていません。コンディションを見極めてどのタイヤをつけるか。そのへんはチーム、ドライバー、監督の総合力になってくると思いますが、自信はあります。優勝というよりも、表彰台をねらっていったほうが、結果的にいいんじゃないかと思います」