2004 Round7
SUZUKA GT300km
2004.11.20, 21 / SUZUKA CIRCUIT

2004Round7Preview

2004 第7戦 プレビュー
2004-11-17
No.1 Xanavi NISMO Z

JGTC最終決戦!!

栄冠を手にする者は誰か!? 鈴鹿は緊迫必死だ!

GT300はM-TEC NSXとARTA Garaiyaの一騎打ち!

2004年のAUTOBACS全日本GT選手権(JGTC)は、ついに最終戦を迎える。11月20、21日に三重県・鈴鹿サーキットで開催される第7戦『SUZUKA GT300km』は、今シーズンの最後のレースであり、ここで今季のチャンピオンが決定することになる。

最終戦のポイントは決勝レースのみ

 まず、ここで選手権ポイントの仕組みを確認しておこう。JGTCでは予選とファステストラップ、そして決勝レースの結果に対してポイントが与えられる。これまでのレースではそうだった。
 だが、今季は規定が改定され、最終戦だけは予選とファステストラップのポイントは与えられず、決勝の順位に対するポイントのみが加算されるのだ。
 したがって、最終戦でのチャンピオン争い、そしてランキングの変動をチェックする際は、決勝レースのみを考慮すればいいことになる。
 この変更は、予選とファステストラップのポイントがウエイトハンデに対するプラス要素であった事がひとつの要因である。最終戦の結果に対するウエイトハンデは、次シーズンの開幕戦に引き付かれることはなく、ウエイトハンデはシーズン毎にリセットされる。したがって、最終戦にプラス要素は必要ないと言うことだ。もう一点としては、最終戦で複数のポイント獲得チャンスがあることで、決勝レースが複雑化してしまうこと。決勝のポイントだけなら、他のレースと同様に順位だけを追えばいいことになり、サーキットのコースサイドなど情報の少ない場所で見ていてもランキングの結果が分かりやすいことになる。以上のことが考慮され、今季からこのような規定に変更された。


ザナヴィ、デンソー、エッソの戦いはどうなる?

本山哲(左)/R.ライアン

 GT500クラスのチャンピオン争いで最終戦まで生き残ったのは、No.1 ザナヴィニスモZの本山哲/リチャード・ライアン組とNo.39 デンソーサードスープラGTのジェレミー・デュフォア/アンドレ・クート組、そしてNo.6 エッソウルトラフロー スープラの脇阪寿一/飯田章組の3組だけとなった。

 ポイント差を考えれば、前戦で優勝しランキングトップに躍り出たザナヴィの本山組が2番手であるデンソーのデュフォア組を11ポイント、3番手エッソの脇阪組を12ポイントとかなり引き離しており、有利な立場にいるのは間違いない。実際、本山組は3位に入れば自力でチャンピオンとなり、6位であってもデュフォア組は優勝しなくてはならず、脇阪組に至っては優勝しても権利なしとなってしまう。

No.39 DENSO SARD SUPRA GT

J.デュフォア/A.クート

 しかし、本山組のザナヴィニスモZは120kgものウエイトハンデをこの最終戦で背負う。常識的に考えれば、6位というノルマすら極めて難しいというのがこれまでのJGTCだ。80kgを課せられながら前戦オートポリスで優勝したチームの底力を、ここで鈴鹿でも発揮できるか? そこがポイントとなるだろう。

 一方、追うデュフォア組と脇阪組は、本山組にプレシャーを掛ける意味でも優勝を狙って行かねばならないだろう。特に脇阪組は、3位では本山組やデュフォア組がノーポイントでもチャンピオンになれない。しかも優勝のない彼らは、同ポイントではダメなのだ(同点の場合は、上位入賞数の多いものが上になる)。こうなっては、本当に勝つしかない。しかも、ハンデ100kgの脇阪組にとってはまさに「ミッション・インポシッブル(不可能な作戦」かもしれない。
 デュフォア組にしても最低条件は3位以上。本山組が10位以下のポイント圏外なら、これでOKになる。

No.6 ESSO Ultraflo Supra

脇阪寿一/飯田 彰

 しかし、かく言うデュフォア組のデンソーサードスープラGTも70kgのウエイトがある。前戦、本山組は80kgで優勝している。その前例がある限り不可能とは言えない。彼らを越えるためにも、このウエイトで結果を出す。まさにチャンピオンに値するかの、審判となるのだろう。
 なお、GT500クラスのチームタイトルは、すでに前戦でNISMO(No.1&22)が決めてしまっている。



GT500 DRIVERS' CHAMPIONSHIP SIMULATION
No Driver 第6戦終了時
ポイント

最終獲得ポイント
69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89
1 本山 哲
R.ライアン
69pt
(120kg)
第7戦
決勝順位
11位
以下
10
9
8
7
6
5

4



3


2




1
39 J.デュフォア
A.クート
58pt
(70kg)
第7戦
決勝順位

3


2




1

6 脇阪寿一
飯田 章
57pt
(100kg)
第7戦
決勝順位
3


2




1

第6戦終了時ポイント下のカッコ内は第7戦ウェイトハンデ
第7戦決勝順位が白抜きの場合はチャンピオン獲得決定/グレイの場合はチャンピオン獲得なし
※第7戦は予選・決勝ベストラップのポイントは加算されない
※No.1とNo.39かNo.6が同ポイントで並んだ場合は、優勝回数の差でNo.1がチャンピオンとなる

注目される最終戦の勝利争奪戦

 このように追う2組が勝利を目指すように、今季不振と言われたチームも汚名返上のために、この最終戦鈴鹿で勝利を狙ってくるだろう。これまでマシン・パフォーマンスの不足で苦戦したNo.18 TAKATA童夢NSXの道上/フィリップ組、今季は勝てそうで勝てない戦いに終始したNo.12 カルソニックIMPUL Zの井出/トレルイエ組は、その筆頭だろう。まして、この2台は、昨年のこのレース、ゴール2周前に接触し井出組の勝利、道上組の2位と明暗を分けているだけに、"決着"を望むところだろう。
 この他にもNo.36 WOODONEトムススープラやNo.3 G'ZOX・SSR・ハセミZ、No.8 ARTA NSX、No.100 RAYBRIG NSXなど、そして今季あと一歩で勝利を逃しているNo.25 ECLIPSE ADVANスープラやNo.35 イエローハットYMSスープラなども、悲願の勝利を果たしたいところ。
 こういったチームが優勝争いに捨て身で加わることで、チャンピオン争いのポジションにも変動が出るだろう。誰もが緊張感をはらんだ緊迫のレースになることは間違いないだろう。


No.12 CALSONIC SKYLINE / No.18 TAKATA DOME NSX / No.36 WOODONE TOM'S Supra


GT300は"前に出た方勝ち"の駆け引きレースか?

No.43 ARTA Garaiya

新田守男/高木真一

 GT300クラスのチャンピオン争いは、No.43 ARTA Garaiyaの新田守男/高木真一組とNo.16 M-TEC NSXの山野哲也/八木宏之組の2組に絞られた。ランキングトップの新田組に対し、追う山野組はわずかに4ポイント差。そして、ともにウエイトハンデはクラス最大限の80kgだ。2勝を挙げた新田組に対し、2位3回3位1回と高入賞率を誇る山野組。極めてレベルの高い戦いになりそうだ。
 どちらにしても優勝すればチャンピオンになれる。80kgでも不可能と思えない両チームでもある。だが、やはり安全第一で考えれば、互いのポジションを見ながらの戦いになるだろう。その点では、ポイントで上回る新田組が有利。優勝されない限り、山野組の直後でゴールできれば新田組のチャンピオンだ。チャンピオン経験のある新田、高木両選手にとって、まさにうってつけのシチュエーションかもしれない。

No.16 M-TEC NSX

山野哲也/八木宏之

 それだけに山野組は、新田組の常に前にいなければならない。しかも7位以下では新田組がノーポイントでも逆転できないため、レース中は4、5番手にきっちり付けることが大事になるだろう。もちろん、表彰台圏内にいれば、新田組に大きなプレッシャーを掛けることができる。山野はJGTCでも全日本ジムカーナ(現役チャンピオン)でも修羅場をくぐってきているが、相棒の八木は全日本級のレースでのチャンピオン争いは初体験となる。山野がいかに新田組をリードできるか、そしてGT500チャンピオン経験もあるM-TEC(元・無限)がいかにいいマシンを仕上げられるか。そこに掛かってきそうだ。

 当然、GT500と同様にこのチャンピオン争いを左右しかねないのは、それ以外の有力チーム。チームタイトルの権利を残すNo.10 JIM RodeoDriveアドバンF360など、今季勝利しているNo.19 ウェッズスポーツセリカ、No.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山路慎一/井入宏之組)や勝てそうで勝てていないNo.81 エンドレスアドバンダイシンZなどは、勝利以外は眼中にないという勢いで来るだろう。
 常に激戦、さらにGT500との混戦状態が必至のGT300クラス。本当に予断を許さないレースとなるだろう。

GT300 DRIVERS' CHAMPIONSHIP SIMULATION
No Driver 第6戦終了時
ポイント

最終獲得ポイント
77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97
43 新田守男
高木真一
77pt
(80kg)
第7戦
決勝順位
11位
以下
10
9
8
7
6
5

4



3


2




1
16 山野哲也
八木宏之
73pt
(80kg)
第7戦
決勝順位
7
6
5

4



3


2




1

第6戦終了時ポイント下のカッコ内は第7戦ウェイトハンデ
第7戦決勝順位が白抜きの場合はチャンピオン獲得決定/グレイの場合はチャンピオン獲得なし
※第7戦は予選・決勝ベストラップのポイントは加算されない
※No.43とNo.16が同ポイントで並んだ場合は、優勝回数の差でNo.43がチャンピオンとなる

 昨年、万全と思えたチャンピオン候補が無惨にも破れ、決勝レースもわずかな綾が勝利を分けた。ゴールを駆け抜けるその瞬間まで、目が離せないレース。それがJGTC最終戦鈴鹿なのだ。


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