◎来年は3台のVemacを走らせたい
No.62 Vemac R&Dダンロップ320R 本島伸次監督
「62号車としてはGT500クラスへの移行を考えています。12月中旬にテストをしてその可能性を探りたい。GT300で2年間やっても意味がないと思うし、ウチとしてはあくまでもユーザーさんに使ってもらえるような状況にしたいんです。この次は、ユーザーさんがGT500をやれる状況に仕上げるのがウチの仕事なんです。プライベーターがマクラーレンを走らせているように、（メーカーの）しがらみのない、第二のマクラーレンのようなかたちになれれば、と思っています。（GT500用の車両は）現状のGT300と比べると、空力もタイヤもエンジンもかなり味付けは変わると思います。（エンジンは）ワークスではないので、現状はNSXのものしかないわけですが、（GT500用としては）ターボを含めたいくつかのプランがあります。12月以降に考えたいです。
（ほかのチームからは）数チームから問い合わせが来ていて、年内には決まると思います。最低3台は走らせたいと思っています。あくまでもGT300クラスのクルマとして使ってもらえるのがいい方向だとは思いますが、テストの結果によってはほかのチームにもGT500の可能性は出てくると思います。（車両は）オーダーから3ヶ月で日本に入ってくる態勢にできればと思っています。価格はすでに発表していますがエンジンレスで4500万円の予定です。当初3000万円で考えていたのですが、ちょっと高くなってしまいましたね。ただ、GT500仕様でも値段は同じです。
今年は、緒戦から比べると後半はよくがんばってくれたと思います。ウェイトハンディに対してもよく対処できたと思いますしね。チャンピオンはもちろん獲りたいですが、クルマの性能は十分アピールできましたから。ただ、結果だけみればポールを獲ったり勝ったりしてますから特認条件がきびしくなるのは仕方ないとは思いますが、そこまでにいたる努力を評価してもらいたいですよね。この前のMINEのレースはたまたま前がいなくなって勝ててしまったわけで、なんでその後さらにきびしくなるのかなと思うわけです。速ければ仕方ないですけれど、速くて勝ったわけではないんです」
◎新型インプレッサを投入予定
No.77 クスコスバルADVANインプレッサ 加勢裕二代表
「（インプレッサの）新型が発表になったんで、それに合わせて来年のレギュレーションを採り入れたクルマを作ろうとしています。ミッションを後ろに持っていくことにしています。ミッションを作って、シャシーは図面ができたところですから、シェイクダウンは2月後半くらいが目標ですかね。このクルマはもともとフロントがリアに比べて重いから（ミッションをリアにすることで）トラクションを出したいんですよ。コーナリングスピードも上がりますしね。
ウチも苦節5年目ですが、来年も苦戦の年になるでしょうね。永久に苦戦になるかも（苦笑）。いっそダートラのD車でロードカー作っちゃおうかね（笑）。Vemacみたいに1台ナンバーとればいいんでしょう?（笑）。D車はそっくり2台分のパーツがあるから。スバルの6気筒エンジンで、ツインターボで500馬力ぐらいは出てるから。ただ、ウチで作ると鉄板とアルミモノコックになっちゃうかな。カーボンの釜も作ったんだけど、まだゴルフクラブのシャフトが焼ける程度だから（笑）」
◎将来はRX-8に移行したい
No.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7 河野高男エンジニア
「2003年に関しては、まずはスポンサーが集まるかどうかですね。いま使っているモノコックを使って空力、足まわり、エンジンなど最大限のレイアウト変更をしたいのですが、相当なお金がかかるんです。テストもしないといけないし、開発費もかかりますしね。（車両は）レギュレーションにあわせてフラットボトム化しなければいけないんですが、マフラーの発熱量が多くて完全に覆ってしまうと大変なことになるので、そこだけは露出させたいんです。JAFサイドがどう判断するかなんですけれど。
今年、ウチのクルマはどこのサーキットでも最高速が一番遅いんです。たしかに1回勝ってますが、富士では15km/h以上も差があるんです。このリストリクターではとても勝てないというのが現状なんです。そんななかでウチなりにはドライバーもがんばってくれているし、エンジンなんかもドンドンよくなっていますし、旋回性能はトップレベルにあると思います。マシンレイアウトは98年から変わっていないんですが、そのころより6秒ぐらいタイムはアップしています。ただ、いま使っているシャシーは昨年のSUGOから新しくしたんですが、（これを使うのは）来年までだと思いますね。それ以後はRX-8に移行したいと思うんですが、マツダの支援がないと非常にきびしいですね。1〜2億円のスポンサーが付けば変わると思いますけれど…。（メーカーの支援なしにやっている）HKSさんは、すごいと思います」
◎GT3Rで新レギュレーションに合わせる
No.910 910ロデオドライブアドバンGT3R 安永孝監督
「今のところGT3Rで2003年のレギュレーションに合わせるしかないでしょうね。できればいままでどおり2台体制でやりたいんですが、非常にきびしい状況ではあると思います。いろんな話はこれから。どこまでやれるか考えているのが現状ですよね。フラットボトム化によってオーバーヒートの問題が出てくるかもしれない。
今でもポルシェはハンディがあるというか、VemacやMR-Sなどには太刀打ちできないのが現状です。ウチなんか（性能引き上げ措置によって）1ランクアップでクルマがよくなってきていても、予選で1秒以上の差がついてるのが現状ですからね…」
