2003 AUTOBACS JGTC INSIDE REPORT NETWORK EDITION
Round1 GT CHAMPIONSHIP in TI 2003.3.30 Race Day

Free Practice - フリー走行

新「日本一速い男」誕生? No.38 auセルモスープラがフリー走行トップ

竹内浩典「このレースウィークのなかではいちばんいい状態に仕上がったと思います。もちろんまだ満足はしていませんが、そこそこいいんじゃないかな。タイムが出たときはたまたまほかのクルマにつっかからなかっただけですけど、決勝でも序盤はあのペースでいけると思います。本番はタイヤを大事に使っていかないとダメでしょうね。今日は一発カマしますよ。本山選手を抜いたら、ボクがフォーミュラニッポン・チャンピオン(笑)。1回でも抜けばその瞬間は『日本一速い男』ですからね。そのあとは抜き返されてもいいです。でも1回はかならず抜く!」

クラスポールのNo.24 EndlessタイサンアドバンGT3R、フリー走行でもトップ

浅井亮博「タイムも少しずつ上がってきましたし、まだまだ速くなると思います。満タンでも問題はないですが、クルマのフィーリングが違うところはありますね。ツーリングカーは初めてですけれど、いろんなクルマの動きに対応できると思いますので、とくに問題はありません」

No.1 エッソウルトラフロー スープラ、決勝に課題?

飯田 章「今朝の走行では、ちょっとフロントに荷重が乗らない感じでした。バランスは悪くないんですけど、ブレーキのフィーリングがよくないですね。なにか触りすぎているのか、クルマが安定しないんですよ。フロントタイヤの温まりもすごく悪いので、そこがレースに向けて心配です」

バランス向上したNo.39 デンソーサードスープラGT、フリー走行7番手

ドミニク・シュワガー「昨日はクルマがすごくナーバスだったんだけど、それは少しよくなってきました。ただ、朝のセッションではまだトラクションが足りないと感じましたね。レースまでにもう少しセットを考えて、トラクションがかかるようにしないとダメ。いまのままでも5〜6番手まではいけると思いますが、4番手より上とは少し差がありますからね。もう少しセッティングを前進させて、戦闘力を上げたいです」

No.23ザナヴィ ニスモ GT-R、順調にスケジュールを消化

ミハエル・クルム「予定どおりですね。ウォームアップもうまくいって、マシンのバランスもいいです。レースに向けて自信もあるので、勝てるようにがんばります。スタートは本山クンなので、彼がどれだけ後ろを離して帰ってくるか、楽しみにしています」

柿元邦彦監督「まぁまぁ調子はいいですよ。昨日の予選でポ−ルが獲れたのでひと安心しています。だから今日はみんなにリラックスしようと言ってます。ミスせず、ちゃんと実力を発揮できれば勝てると思っていますから」

苦戦するNo.8 ARTA NSX

金石年弘「ボクの経験のなさから、まだマシンのセットアップがうまい具合にいかないくて、かなり反省しています。悪いなりにはちゃんと走ってはいるのですが、それがタイムにつながらず苦戦しています。クルマは徐々にですがよくはなってきていますよ。決勝で、スタートを担当するボクがしなければならないことは、土屋さんにちゃんとバトンを渡すこと。コース上に残って、それができれば、結果を残すことはできると思っています」

フリー走行7番手のNo.25 ADVANスープラ

ジェレミー・デュフォア「ここ(TI)で今週シェイクダウンしたばかり。まだクルマのことがよくわかっていないし、走行量も少ないんですけど、チームはすごくよくやっているので、いままでのところ悪くないですね。タイヤもいいです。このコースはレース終盤にトラクションが不足しがちなんですけど、それはみな同じですからね。クルマはグリッド8番手以内に入っているし、あとはレースでどこまでいけるか。予選のアタックは、03仕様のマシンでボクより多く走っている荒選手が担当しました。今年は二人で分担していくことになります。彼は速いし、二人ともモチベーションが高いですから、今年はいい結果を残せると思います。チームはリラックスした雰囲気だし、すごくいい仕事をします」

No.26 PLUS eタイサンアドバンGT3R、フリー走行も好調

西澤和之「フリーはすごくいい感じで、(クルマの)バランスもものすごくいい。ただ、セッティングは午前中のコンディションにあわせてセットアップしてきたので、午後のヌルヌル路面にはバランスが悪いかもしれない。このクルマは決勝の速さがズバ抜けてるんですよ。(山路選手には)予選でこのポジションまできているので、手がたくいけばきっと勝ちがねらえると思うと言いました。(ウェイトハンディがなく)身軽な開幕戦だし、いいグリッドですからね」

No.2 リニューカー・ベルノ東海NSX、速さの秘密は新しい外観?

渡辺 明「金曜の朝にも満タンでフィーリングチェックをしたけど、いまもそのときと大きくは変わっていない。満タンでもタイヤがいい状態なら(1分)35秒台でラップを刻める。前後バランスも問題ないので、いい感じでいけるかな? ムリせずに抑えるところは抑えていこうと思ってる。去年はいろんなトラブルもあって、いい位置でのチェッカーはなかなか受けてないので、今年はてがたくいきたい。最終戦でシリーズ3位ぐらいに入っていたいよね。高橋さんのドライビングも上達してきたしね。そうそう、クルマもボディは古いんだけど、ガワが2002年仕様になったから、たまにオフィシャルがGT500とまちがえてブルーフラッグ振ってくれたりして、ラッキーなんだよ(笑)」

No.11 JIM RodeoDriveアドバンF360、トラブルの解消を確認

松田秀士「タイム的には何も問題はないんです。ギアのトラブルなど解消できたかの確認などをしました。できたてのクルマなんで、少しでも走ってデータをとりたい。それがチームみんなの知りたいところですから。今朝も水漏れとかオイルの問題とか出たりしてましたけど、とりあえずレースができるようなので一安心ですよ」

No.43 ARTA Garaiya、フリー走行でクラス3番手獲得

高木真一「当然決勝をみすえて満タン、中古タイヤというセットで走ったんですが、予選で行なったロングでの走行をもとに、こうなるだろうという方向を想定して改善して走ったところ、いい方向にはいってます。正直なことをいうとレースでは気温もかなり上がるというし、安心はできません。タイムが出たときは、結構タイヤを傷めつけている走りをしたときのものなので、あれをずっと維持できるかといえば、厳しいところですね。楽観視はしていません。このタイムからはコンマ5秒から1秒くらいくらい落として走らなきゃいけないと思います。決勝ここで抜かれたらマズい、というときライバルがいるときだけのタイムですね」

No.100 RAYBRIG NSXは攻めの走りに徹し、スピン

光貞秀俊「アウトラップの練習と思って、タイヤが冷えているときに、ちょっといつも以上にわざとプッシュしたんです。あそこまで回って飛んでいくとは思いませんでした。場所はダブルヘアピン1個目の進入です。まぁ、そのくらい思い切ってやってもいいかな、と。予選では前とのタイムが接近した状況で、(No.100の順位である)10番手から6番手くらいまでポジションが上がる可能性もありました。それだけに今日は接戦になると予測しています。その分、ドライバー交代時のインラップ、アウトラップが勝敗において大きなウェイトになると思います」

No.22モチュ−ルピットワークGT-Rはハードタイヤで走行

影山正美「装着していたタイヤは、20℃以上じゃないと働かない(グリップしない)んです。フリー走行時では、チェッカーが出たときには路温が12℃しかなかったんです。それでタイムが出ませんでした。決勝はスタート担当です。エンジンもちょっとずつではあるけれどよくはなっているので、当然ポイント獲得をねらっていきます」


■訃報
No.77クスコレーシングの加勢裕二代表、急逝

 No.77クスコスバルADVANインプレッサを走らせるクスコレーシングの加勢裕二代表が、3月29日午後2時に入院中の群馬県渋川市の病院で亡くなった。54歳。
小林且雄「オレが免許とってから(のつきあい)だから、25年になります。初めて全日本ラリーを見にいったときバリバリに走っていて、その姿を見て自分でもやりたいと思った。『プレイドライブ』誌の広告で安中のショップを知って、訪ねたんです。(当時は)小さな店だったけどね…。レースをやろうってけしかけたのは自分が最初で、4年ぐらいやろうって言い続けたんだけど、石橋を何度もたたいて渡る人だったから…。12月初めに谷川といっしょに会いに行ったときは『胃カメラを飲んだんだけど、気持ち悪かったなあ』って言ってましたけど、なにも症状は出ていないって言ってたのに…。隠してたのかもしれないけれど…。人間的にもすごく尊敬できる人だった。(参加したカテゴリーで)チャンピオンを獲ってないのはレースだけだったから、それをプレゼントしてあげたかった」
大溝敏夫監督「社長はたいへんGTレースが好きで、昨日も1回目の予選結果を聞いてうなずきながら静かに息を引き取られたというような状態だったそうです。チャレンジャーとして、JGTCにも革新的な技術を採り入れて、リアのトランスファーなどということも一人で考えられて、開幕に向けてずっと作業されていました。そんなスピリッツはクスコに生き続けています」


Final - 決勝

■決勝スタート直前情報(3.30 13:50現在)

 天候:晴れ/路面状況:ドライ/気温:21度/路面温度:26度
 入場者:決勝日(30日)5万5000人/予選日(29日)1万9000人

■リタイア情報(GTインサイドレポート班調べ)

No.原 因周回数
38ミッション0L
21ミッション6L
34ミッション41L
10エンジン50L
7電気系54L
37エンジン関係54L
910ドライブシャフト55L
43エンジン58L


No.43 ARTA Garaiya、突然のエンジントラブルでリタイア

高木真一「インフィールドを走っているときに突然エンジンのパワーがなくなってしまいました。ピットに戻ってチェックをしたらエンジンがかかったので、データ取りを兼ねてコースに復帰することになったのですが、レーシングスピードで走れる状態ではなかったのでピットに戻しました。作戦では、ドライバー交代を終えてアウトラップでかせいでポジションアップをねらったのですが、コースイン後3ラップくらいペースを上げることができず、きびしい展開になりました」

フォーメーションラップで離脱したNo.38 auセルモスープラはミッショントラブル

竹内浩典「ギヤボックス系のなにかが壊れて後輪がロックしてしまいました。そこからはギヤがスティックして動かなくなってしまったんです。残念でしたね。おもしろいレースになったのに…」

No.23ザナヴィ ニスモ GT-R、後半にペースアップならずくやしい2位

本山 哲「レース序盤は思いどおりにいってたのですが、途中グリップダウンしてから少しきびしい状況になってしまいました。やっぱり気温が上がってしまい、結果としてコンディション的に合わなくなっちゃったのが一番きつかったかな。途中、抜きつ抜かれつで軽く当たってしまい、そのときにフロントの足回りが微妙にずれたかな。それ以降、大きくペースが上がらなくなって、きびしいレースになりましたね。今回、とりあえずポールポジションを獲って、ファステストラップも獲って、順位は2位なので、次の富士に向けてまたいろいろと組立てをしていきたいですね」

ミハエル・クルム「くやしいね。最後までがんばったけど…。交代前に接触があって、それでトーがちょっと曲がり、まっすぐ走りにくい状態だった。最初はOKだったが、タイヤグリップを失ってからはコントロールがむずしかくなり、右コーナーはオーバーステアで、左コーナーは超アンダーステアになって、という感じ。むずかしかった。ブレ−キングのときもクルマが左にいくから、あまりがんばれなかったね」

No.18 TAKATA童夢NSX、苦しい戦いに耐えて3位入賞

セバスチャン・フィリップ「たくさんやるべきことがあって大変な状態だったにも関わらず3位になれてとてもうれしいよ。ミスもなく、いいレースができた。ただピットスルーペナルティというのを除いてはね。開幕戦で表彰台に上がれるというのはとてもいいことだと思う。次戦はウェイトをちょっと積むことになるけど、今後マシンを速くするためにはやることがたくさんあるから大丈夫だよ。富士はむずかしいレースになると思う。でも距離も長いし、なにがおこるかわからないから、そのぶんチャンスもあるかもしれない。今日はいいレースができてほんとうによかった」

道上 龍「キツかった〜。でも、終わったら表彰台に上がれてよかったです。セバ(フィリップ)も苦しそうだったけど、がんばってくれたと思います。ピットスルーのペナルティはメカニックの作業ミス。ちょっと信じられなかったんですけど、もしそれがなくても追いつくのはきびしかったと思います。最初の10周のペースがあまりに悪かったので、差が一気に開いてしまいましたからね。そのあとのペースはそれほど悪くなかったんですが…。まぁほかのクルマにトラブルが出たり、トム(No.16)もスピンしたり。今回は表彰台はムリだろう、完走できれば、と思っていたんですが、3位に入れてよかったです」

一度はトップに立ったNo.25ADVANスープラは無念の10位

ジェレミー・デュフォア「トップに立つことができたんですけどね。レースウイークエンドを通してクルマはすごく速かったし、タイヤもすごくコンペティティブで、うまくいっていたんですけどね、GT300のクルマとぶつかるまでは…。ちょっと残念ですけど、これもレース。今年はまた別なところで勝てると思います」

No.26 PLUS eタイサンアドバンGT3Rが2位で、タイサン勢がワンツー

山路慎一「西澤さんがよくがんばってポジションキープしてくれた。次につながるレースができました。(No.2との接触は)横からつついたわけじゃないからね…。滑り出しとしてはいいレースだけど、ちょっと残念だったねえ。勝てそうだったし、もちろん勝ちたいし、まあチーム力は優勝できる実力があるっていうことを証明できたんじゃないかな?」

西澤和之「GT500との巡り合わせの運が悪かった。リボルバーでトム・コロネル(No.16)に追突されてハーフスピンしちゃったんです。タイミングがすごく悪かった。No.2はスピードが明らかに遅すぎです。クリップ過ぎて加速するところで(加速しなかったので)ボクにとってはすごく不運としか言えないです」

No.31 RECKLESS MR-Sがクラス3位

佐々木孝太「前半ちょっとつらくて、後半になってきたらクルマのバランスが良くなってきて、最後は後藤くんがうまくまとめてくれました。すべてが新しいチームで、すごく楽しくレースができました。結果が(あとから)ついてきたというところですね。このチャンスをくれたオーナー、チームに感謝したいです。去年は(ネッツカップ)アルテッツァでシリーズタイトルがとれたので、今年は続けてGT300でタイトルがとりたいです。予選で前にポルシェにいかれたのはくやしいけど、笑顔で言えるくやしさでしたよ。結果はオーライですね。チャンピオン獲りたいですから」

後藤 聡「緒戦としてはいいんじゃないですか? 1年間コンスタントにいくのがチームの目標ですから。最後まで二人で成長していきます」

タイヤ無交換のNo.2 リニューカー・ベルノ東海NSXは無念の5位

高橋一穂「ドライバー交代を延ばして、タイヤ無交換でいくというのは予定どおりでした。テストではうまくいって、それで30秒〜40秒かせげたんですが、満タンでのテストが十分でなかったのと、思ったより気温が上がってしまって、交代して出ていってから5〜6周でタイヤがズルズルになってしまって、ダメでした。作戦の失敗ですね。クルマの調子がよかっただけに、残念です」


Winner - 優勝者

GT500
No.1エッソウルトラフロー スープラ

飯田 章「しんど〜。激しいよ、もう。でも楽しかった。リボルバーコーナーでGT-R(No.23)にぶつかっちゃったときは本山選手のほうがヘロヘロだった。そのままいくかなと思ったら向こうのペースが鈍っちゃって、ちょっと押してしまうかたちになったんだ。GT-Rはブレーキがダメだったんじゃないかな。タイヤもきびしかったと思う。ウチも朝のフリー走行でクルマが不安定だったけど、レースでもブレーキングでアンダーが出ちゃってどうしようもなかった。中盤、サード(No.39)が後ろに来たときはつらかったよ。ぜんぜん止まらなくて。フォーメーションでタイヤの温まりが悪くて(序盤に)何台か抜かれた。ただコーナーの立ち上がりがいいし、そのぶんストレートも速いから、なんとかポジションを挽回することができた。GT-Rもタイヤがいいときは速いけど、コーナリング、ブレーキともにスープラのほうがいいね。後半寿一がスピンしたときは笑っちゃった。土沼さんが『あれっ! このクルマ、ウチのじゃない?』って言うから、モニター見たら止まってるんだもん。サルも木から落ちる、だね(笑)。でもふたりでがんばって勝ててよかった」

脇阪寿一「よかった〜、ホッとした。スピンした瞬間は先週のフォーミュラニッポンのこともあるし、ルマンの花輪(智夫)会長のことが頭に浮かんだ。あれは前のレイジュンのクルマ(No.10)から、なにか大きい固まりみたいなのが飛んできたから。それに当たってリタイアしちゃいけないから、ハンドルを切ってよけたらスピンした。クルマにはスピンの影響はなかったけど、それでも自分のミスだからね。そこから前を追いかけているときはいつスピンしてもおかしくない状態だったよ。でも、ホントに挽回できてよかったよ。できなかったらクビでしょう」

GT300
No.24 EndlessタイサンアドバンGT3R

余郷 敦「あんまり楽じゃなかった。満タンのときはクルマがよかったけど、後半につらくなるのがわかっていたんで、前半は抑えた。それでも引き離せたけど、その後No.26が上がってきた。でもペースを上げるとリアがダメになっちゃうんで、ムリしないようチームと相談しつつ、というつらい展開でした。初のポール・トゥ・ウインですよ! JGTCで勝ったのは2回目。3年前のここ(TI)以来です。TIは相性がいいのかな?」

浅井亮博「後半はけっこうクルマがズルズルできびしかったです。落ち着いて勝ててよかった。それだけです。ウエイト、クルマの特性、他のクルマとの駆け引きなど、まだまだ学ばなくてはいけないです。そんなに簡単に勝てるわけじゃないですしね。TIはF4で初めて出たレースでも勝てたんで、ゲンのいいサーキットなんです(笑)」



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