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2006 AUTOBACS SUPER GT Round3
FUJI GT 500km RACE
2006-05-03, 04 / Fuji Speedway

Practice

2006-05-02

■第3戦 □練習走行_2006-05-02 □セッション 1
□セッション 2
09:00 - 10:30
14:00 - 15:45
course ■富士スピードウェイ
_4.563km

雨と霧に見舞われた富士練習日
RAYBRIG NSXがトップ!悪状況でNSX勢が好走
GT300は雨で速いハンコックポルシェが1番!!

2006オートバックスSUPER GT第3戦「FUJI GT 500km RACE」を翌日に控えた5月2日、富士スピードウェイで練習走行が行われた。走行は午前と午後に1回ずつ行われたが、折からの雨と霧でスケジュールは大きく変更を強いられた。

Session 1 雨、気温15度/路面温度17度、ウエット

 練習走行1回目は予定より30分遅れ、9時30分から雨が降るなかウエット路面で始まった。開始が遅れたのは霧が発生して視界が悪かったため。さらに、走り出してすぐに雨脚が強まったうえに雷雲まで近づき、わずか10分ほどで赤旗中断となった。この時点ではNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)の1分48秒511がいちおうのトップタイム。

 約45分間の中断後に再開。霧は晴れたものの雨は止まず、路面は依然としてウエット状態。各チームともあくまで様子見の走行に終始しているようで、タイムは上がってこない。そのなかで目立ったのがNo.100 RAYBRIG NSXの細川慎弥で、1分44秒台のタイムで周回を重ねる。その後、No.35 BANDAI DIREZZA SC430(服部尚貴)、No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)のダンロップタイヤ勢が上位タイムをマーク。一時はこの2台が1分43秒台で計時モニターのトップ2を占める。

 残り時間が30分足らずとなったところで各チーム少しずつタイムアップ。この状況でのタイムアタックを試みるチームもあり、ときおりコースアウトやスピンを喫するシーンも見られる。ここでNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔)が1分43秒698をマーク。この時点でのトップとなるが、数分後にはNo.100の細川が1分43秒422でこれを上回る。その後、ふたたびコース上に霧が発生。視界が悪化して赤旗中断。終了予定は11時45分だったが、5分を残した時点で走行打ち切りとなった。この結果、このセッションでのトップタイムはNo.100 RAYBRIG NSXがマーク。以下、No.8 ARTA NSX、No.32 EPSON NSXとNSX勢が1分43秒台でつづき、SC430勢ではNo.35 BANDAI DIREZZA SC430の4番手が最上位。フェアレディZ勢はNo.23 XANAVI NISMO Zの10番手を筆頭に軒並み下位タイムにとどまっており、このコンディションではタイムを出しにいかなかったようすが伺える。

 GT300クラスはNo.14 ハンコックエンドレスポルシェ(木下みつひろ)が1分51秒093でトップ。No.14は開幕戦鈴鹿の予選時にも雨中で飛びぬけたタイムをマーク。今季SUPER GT初参戦のハンコックタイヤだが、レインコンディションには絶対の自信を持っているようだ。以下、2番手No.2 Privee Zurich・アップル・紫電、3番手No.46 吉兆宝山DIREZZA Z、4番手No.96 EBBRO BTEC MAZIORA 350Rまでが1分52秒台。また、第2戦で練習走行日にクラッシュ、出走できなかったNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7もマシンを修復して走行。7番手のタイムをマークしている。


Session 2 雨、気温15度/路面温度17度、ウエット

 練習走行2回目は予定より大幅に遅れ、16時15分から開始された。当初は14時から15時45分までの105分間が予定されていたが、雨と霧の影響で開始時刻が遅くなり、走行時間も17時15分までの60分間。クラス別走行もキャンセルされ、全時間帯がGT500、GT300両クラスの混走となった。

 開始時点でも雨は止まず、路面は完全なウエット。予選日、決勝日とも「晴れ」の予報が出ており、どのチームもドライでのデータがほしいところだが、天候ばかりは如何ともしがたい。このセッションは、レインタイヤのテストを行うところ、走行時間の少ないドライバーの慣熟に充てるところなど、チームそれぞれのメニューをこなしていく。ただし路面を流れる水の量は1回目よりさらに増えたようで、タイムはあまり上がらない。

 GT500クラスではNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔)がマークした1分43秒916が唯一の1分43秒台。以下、1分44秒台にSC勢とNSX勢が交互に4台並ぶ。フェアレディZ勢は1回目に引きつづきタイム的には低調で、No.3 イエローハットYMSトミカZの1分46秒138(10番手)が最上位。雨の中、あえてタイムを出しにいっていないというムードが漂うが、はたしてドライでの予選に向けてなにか秘策はあるのか。気になるところだ。また、予選1回目に3番手のタイムをマークしていたNo.32 EPSON NSXは、このセッションは最後まで走行しなかった。

 GT300クラスはNo.14 ハンコックエンドレスポルシェ(木下みつひろ)が1回目に引きつづきトップ。タイムは1分52秒411で1回目には及ばなかった。2番手はNo.2 Privee Zurich・アップル・紫電、3番手はNo.11 JIM CENTER FERRARI DUNLOPで、ここまでが1分52秒台。だが、No.11は終盤にストレートエンドでストップしてしまった。このクラスは7台がこのセッションを走らなかった。


Comments

細川慎弥/No.100 RAYBRIG NSX(GT500トップタイム)
前の富士のデータとこれまでのデータをもとにクルマを持ち込んできたんですが、走り出しがレインだったので心配しながらコースに向かったんですが、自分のリズムも走り出しからいい感じでした。クルマのバランスも取れていたし、ほとんどいじってもないんです。タイヤはちょっと試しましたが、結果としていいタイムが出た、という感じです。だからこそ、午後からはドライになって欲しいんですが…。ドライでのバランスをみたいですね。でも走し出して安定している感じがつかめているので、自分の中でペースコントロールもできたし、周りとのタイムの比較もできたし、良かったと思います
木下みつひろ/No.14 ハンコックエンドレスポルシェ(GT300トップタイム)
霧はメインスタンドから1コーナーに向けて酷かったですね。クルマのセットはドライのままでタイヤだけ変えていきました。トップタイムとはいえ、レインタイヤでしたからね。こっちのほうがいい感じで仕上がってきているので、開発ペースが早くて、コンパウンド的にもいいものができてきて、安定してます。無理した走りではなかったですよ。今までテストしてきたパッケージが積み重なって仕上がってきているし、まだまだよくなる状態なので楽しみな要素はありますね。その結果が出たので、僕自身もそうですが、タイヤ屋さんも自信を持っていると思います。これで活性化が進み、ドライタイヤでのさらなる開発がもっと進めば面白いレースができると思います。ドライもウェットもタイヤ性能自体はものすごくいい状態なんですが、1年目ということもあってサーキットに合うか合わないかという点で苦労していますね。特にドライでは空力面でちょっと苦労しているところです