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2006 AUTOBACS SUPER GT Round3
FUJI GT 500km RACE
2006-05-03, 04 / Fuji Speedway

Race

2006-05-04

■第3戦
■決___2006-05-04

□入場者数 : 54,300 人
□フリー走行
■決勝レース
08:50 - 09:20
13:50 Start
[110 Laps / 501.930 km]
course ■富士スピードウェイ
_4.563km

服部、涙の勝利
BANDAI DIREZZA SC430がノーミスで見事な優勝
最後尾から表彰台!しぶとい走りを見せたXANAVI NISMO Z

5月4日、富士スピードウェイ(静岡県)で2006 オートバックス SUPER GT第3戦「FUJI GT500km RACE」の決勝が行われた。GT500はNo.35 BANDAI DIREZZA SC430(服部尚貴/ピーター・ダンブレック)が優勝。GT300はNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(柴原眞介/八木宏之)が、予選4番手から勝利を飾った。

Race 晴、気温21度/路面温度31度、ドライ

GT500クラス

 決勝のフォーメーションラップは13時45分から。からりと晴れ上がった空のもと、さわやかな風が吹き抜けるなかで開始された。開始時点での気温は21度、路面温度は31度。

 GT500クラス15台、GT300クラス26台の車列が1周して戻ってくるが、予選3番手だったNo.66 triple aサードスープラGT(アンドレ・クート)がスタート前にピットイン。オルターネーター・トラブルによる緊急ピットインだった。ポールスタートのNo.1 ZENTセルモSC(立川祐路)以下の各車はそのままスタート。大きな混乱もなく1周を終える。ところが4周目、トップをいくNo.1が突然スローダウン。ピットに戻って左後輪を交換するが、次の周には再度ピットイン。ガレージにこもって長い修理に入ってしまう。これでNo.35 BANDAI DIREZZA SC430(ピーター・ダンブレック)がトップ。No.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)が2番手、3番手No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)となる。

 この間、後方グリッドからすばらしい追い上げをみせたのがNo.24 WOODONE ADVAN KONDO Z(エリック・コマス)、No.6 Mobil 1 SC(飯田章)の2台。それぞれ12番グリッド、14番グリッドから序盤に4〜5番手まで進出してくる。16周目の1コーナー、No.32をNo.24が攻略。3番手に上がる。さらにNo.6も、26周目にはNo.32をパス。No.32はその後もペースが上がらず、30周を終えてところでたまらずピットイン。32周終わりにはNo.36、38周終わりにはNo.6もピットに入るなど、レースの3分の1に差し掛かって上位陣に動きが出てくる。
 トップをいくNo.35は39周を終えてピットイン。ドライバー交代(ダンブレック>服部尚貴)その他の作業を終えてコースに戻るが、この間にNo.36が先行。No.36は1回目のピットインでドライバー交代を行わず、作業時間を短縮していたのだった。これでトップ3はNo.36(ロッテラー)、No.35(服部)、No.6(片岡龍也)の順。
 いっぽう、No.24は通常どおりピット作業を終えたものの右の前輪がきちんと装着されておらず再度ピットイン。序盤の奮闘をふいにしてしまう。

 トップNo.36と2番手No.35の差は徐々に接近。60周を過ぎるころには0.3秒以内に詰まる。これに焦ったのかNo.36は67周目のパナソニックコーナーで周回遅れと接触。左後輪がバーストしてピットに戻り、そのままドライバー交代(ロッテラー>脇阪寿一)などルーティンワークを行ってコースに復帰する。
 これをきっかけとするように上位陣が2度目のピットストップに動く。No.35は72周目に入ってドライバーは服部のまま。No.6は75周目まで引っぱってふたたび飯田に交代する。この時点で実質トップはNo.35で、2番手はNo.36。少し差があって3番手のNo.6はという順になるが、No.36はピット作業時の違反でドライブスルーペナルティ。これをこなしたことでNo.36とNo.6の差が詰まり、101周目にはNo.6がNo.36をパスする。これでNo.35、No.6、No.36の順でSC430勢の1-2-3フィニッシュかと思われたのだが、残り1周となったところでNo.36に「35秒加算」のペナルティ。周回遅れとの接触が危険行為と判定されたためだった。
 これで3位に上がったのはNo.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/松田次生)。フリー走行でトラブルを発生。エンジンを交換したためクラス最後尾からのスタートとなっていたが、着実に走りつづけ、終盤にはここまで上がってきていたのだった。
 110周を終えてチェッカー。優勝はNo.35 BANDAI DIREZZA SC430(服部尚貴/ピーター・ダンブレック)。TOYOTA TEAM KRAFTはGT500クラス初優勝。服部は1996年最終戦MINE以来の優勝。ダンロップタイヤ装着車の優勝は1997年最終戦SUGO以来となる。2位はNo.6 Mobil 1 SC(飯田章/片岡龍也)、3位No.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/松田次生)という結果だった。
 なお、No.36に対するペナルティはチームから抗議が出され、レース後にJAFモータースポーツ中央審査委員会の裁定(8月14日発表)により取り消された。このため、3位はNo.36となった。



GT300クラス

波乱が連続した大激戦!
混乱を見事切り抜けたWILLCOM ADVAN VEMAC408Rが勝利を得る
優勝まであと一歩…。惜しかったハンコクエンドレスポルシェ

 GT300クラスは、クラスポールからスタートしたNo.2 Privee Zurich・アップル・紫電(高橋一穂)とNo.110 TOTALBENEFIT GREENTEC BOXSTER(菅一乗)が、最初の1コーナーで接触。No.2はさらに規定外のタイヤを使用したためドライブスルーペナルティが課され、ポジションを落としてしまう。これでトップに立ったのがNo.26トモタイサンエンドレスGT3R(山路慎一)。さらにNo.14 ハンコックエンドレスポルシェ(木下みつひろ)がつづく。

 だが、No.26は1回目のピットインで西澤和之に交代したあと徐々にポジションダウン。代わってトップに立ったNo.14も峰尾恭輔に交代後、65周目にNo.46吉兆宝山DIREZZA Z(佐々木孝太/番場琢)にかわされる。これでトップを奪ったNo.46も69周目にNo.7雨宮アスパラドリンクRX7(山野哲也/井入宏之)と接触。この間、ライバルとピットインのタイミングをずらしてポジションを上げてきたNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(柴原眞介/八木宏之)がトップに立つ。さらに、ピットインを1回だけにとどめる作戦を採ったNo.101 TOY STORY Racing MR-S(新田守男/高木真一)が2位に上がる。これにつづく3番手はNo.11 JIM CENTER FERRARI DUNLOP(田中哲也/青木孝行)だったが、終盤にシフト系にトラブルが発生して緊急ピットイン。No.14が3番手を取り返した。
 優勝はNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(柴原眞介/八木宏之)。2位はNo.101 TOY STORY Racing MR-S(新田守男/高木真一)。3位はNo.14 ハンコックエンドレスポルシェ(木下みつひろ/峰尾恭輔)という結果だった。No.14が装着するハンコックタイヤは今季からの参戦。3戦目にして早くも表彰台という結果を得た。