2007 AUTOBACS SUPER GT開幕戦「SUZUKA GT 300km」を直前に控えた鈴鹿サーキット(三重県)で、公式練習走行が行われた。走行は午前に1時間30分、午後に1時間45分の2回に渡って行われた。


□練習走行 1回目|天候:晴|コース:ドライ | 気温11度 | 路面温度18度

 練習走行1回目は10時15分から。上空には薄く雲が広がり、ときおり日が差し込むという天候。ドライ路面での走行となった。開始時点での気温は11度、路面温度は18度。

 開始から10分ほどでコースアウト車両があり、回収のため一時中断。その後もやはりコースアウトが原因で2回の中断があったが、いずれも大事には至らずマシン回収後に再開されている。
 この間、まだセッション序盤のうちにNo.8 ARTA NSXが1分51秒636をマーク。はやくも従来のレコードタイムを約1秒も上回ってみせる。さらにNo.18 TAKATA童夢NSXが1分52秒109、No.100 RAYBRIG NSXが1分52秒575と、やはりレコードを破るタイムでこれにつづき、NSX勢3台がこのセッションでのトップ3を占める。テストセッションの序盤からこれだけのタイムをたたき出すのは驚異的だ。
 対するSC430勢、フェアレディZ勢では、4番手にNo.38 ZENT CERUMO SC430、5番手にNo.1 宝山TOM'S SC430がつづくが、タイムはともに1分53秒台前半。トップのNo.8とは1秒半の差がある。フェアレディZ勢のトップはNo.22 MOTUL AUTECH Zで、7番手。果たしてこれが現時点でのNSX勢とライバルとの差を表しているのか、それともNSX勢以外はまだ実力を見せていないのか。2回目のセッション、そして予選でのタイムが注目される結果となった。

 GT300クラスではNo.43 ARTA Garaiyaが2分04秒267でこのセッションでのトップ。2番手にNo.13エンドレスアドバン洗剤革命ZをはさんでNo.101 TOY STORY apr MR-Sが3番手につけており、ここではミシュランタイヤ勢が好調のようだ。なお、No.110 GREEN-TEC BOXSTER GTの第2ドライバーは滑川健から光貞秀俊に変更されている。また、2台のトリプルAガイヤルドRG3(No.66、No.67)はマシンの準備が間に合わず、このセッションでは走行しなかった。



No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Z

□練習走行 2回目|天候:晴|コース:ドライ | 気温12度 | 路面温度17度

 練習走行2回目は14時15分から。15時30分までの75分間は両クラスの混走、15時30分から15分間はGT300クラス専有、15時45分から15分間がGT500専有というスケジュールで始まった。上空は1回目と同じく雲が多かったものの、日差しはやや強くなった。開始時点での気温は12度、路面温度は17度。

 GT500クラスでは、1回目と同じく、ここでもNSX勢が速かった。No.8 ARTA NSXはわずか8周で、1回目を上回る1分51秒572をマーク。1回目との通算でもこの日のトップとなった。他のNSX勢もこれにつづき、一時は全5台でトップ5を独占する。これを追うべき立場のライバル勢は、No.1 宝山TOM'S SC430がヘアピンでGT300車両と接触、右後輪を破損するなどのアクシデントもあり、なかなかタイムが上がってこない。中で一人気を吐いたのがNo.12 カルソニックインパルZ(ブノワ・トレルイエ)で、混走の時間帯にNSX勢につづく6番手のタイムをマーク。06年型ながら、マシンの仕上がりは悪くないことをうかがわせた。
 最後の15分間のGT500専有時間には何チームかがニュータイヤでタイムアタック。ここでNo.23 XANAVI NISMO Zが1分52秒862で3番手、No.39 デンソーサードSC430が1分53秒526で6番手に飛び込み、NSX勢の上位独占をかろうじて阻止した。No.23は今月上旬に行われた合同テスト時にクラッシュ。この影響が懸念されていたが、このタイムを見る限り戦う態勢は整ったようだ。

 GT300クラスでは、No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Zが2分03秒138と、1回目のタイムを大きく更新し、このセッションでのトップを奪うと同時に、1回目との通算でもトップとなった。セッション2番手はNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408Rの2分04秒610。1回目にトップだったNo.43 ARTA Garaiyaは、このセッションではあえてタイムアタックを行わなかったのか、2分05秒台にとどまった。1回目に走行しなかったトリプルAガイヤルドRG3(No.66、No.67)は、ここでも走ることができなかった。


Comments

伊藤大輔/No.8 ARTA NSX(GT500クラストップタイム)
去年(の開幕戦)はオーバーステアに悩まされたんですけど、それを考えると(今年の)クルマは安定しているのかな。でも、こんなに差があるのは見かけだけ。予選ではみんな0.5秒差以内まで入って来るんじゃないかなと思います。セクター1、2は38号車(ZENT CERUMO SC430)が速かったんですが、コーナリング性能の高さはどのSCにも言えることじゃないですか。だから、ぜんぜん侮れない。ただどういう形であれ、トップで終われたことはいいですね。士気も高まりますし
影山正美/No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Z(GT300クラストップタイム)
(No.43 ARTA Garaiyaに1秒以上の差をつけたが)だってあっちは三味線でしょう? ウチは隠しもせず、行くだけ行ってます。いっぱいいっぱいですよ。逆に明日あのタイムが出るかどうかもわかりません。(3月上旬の合同テストからの)正常進化ではないね(苦笑)。前回のテストから(セットを含め)変えてきたものが、ちょっと外れているのでね。当たってたらもうちょっとタイムが出たと思います