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2007 AUTOBACS SUPER GT Round1

プレビュー

2007-03-14

The Exciting Season Opens!
開幕戦鈴鹿から全チーム、フルスロットル!
さらにホットなSUPER GTがいよいよスタート!!

 3月17、18日、鈴鹿サーキット(三重県)で2007 AUTOBACS SUPER GT開幕戦「SUZUKA GT 300km」が開催される。GTファン、レースファンが待ちわびる今シーズンのオープニング・レースだ。今季のGT500クラスではNSXの新チームが登場して、さらにホットに。GT300クラスにおいてはドライバー移籍や新人加入が多く、フレッシュな雰囲気が漂っている。
 このワクワクの開幕戦から7ヶ月以上、全9戦に渡る長いシーズンが始まる。スタートダッシュは誰もが望むところだが、あいにく勝者と敗者がはっきりするのがレースの世界。ただの1勝とは言えない開幕戦。果たして今年最初に笑うのは誰だろうか?


GT500 Class
W金石の新チームは侮れない


No.17 REAL NSX
 今年GT500クラスでホットな話題と言えば、新チームの登場だろう。5台目のNSXとして今季初参戦するチームはRollingStone Real Racing。実質のチーム・オーナーはドライバーも務める金石勝智だ。もうひとりのドライバーは金石年弘。従兄弟同士のこの2人、昨年こそ参戦をしていないものの、SUPER GT/JGTCの経験は豊富で、勝智は昨年もNSX開発のテストドライバーを務めていたほど。チームをまとめる井与木仁監督もGT500 NSXのエンジニア経験者であり、決して新チームとはいえない陣容である。テストでも他のNSXと遜色ないタイムを出してきており、開幕戦から暴れてくれそうだ。
 そのNSXだが、今オフはいつもより2007年型マシンが早くに出揃い、テストも十分にこなせたようだ。開幕戦が行われる鈴鹿での公式テストではトップ5をNSX勢で独占。トップタイムを出したNo.8 ARTA NSXにいたっては、レコードタイムを上回る時計を叩き出したほどで、ホームコース鈴鹿での勝利へ意気込みが感じられた。だが、少々気になるのは、テストでのトラブルの多さ。レース界では『テストで膿(うみ)を出せ』というくらいだから、これで欠点が解消されれば問題はない。しかし、速さと裏腹の信頼性が気になるところではある。

新エンジン投入のZ。その実力はいかに?


No.23 XANAVI NISMO Z
 今季大きくマシンを替えてきたのがフェアレディZだ。07年型マシンでは、これまでのツインターボから、昨年最終戦で1台だけに投入した4.5リッター自然吸気エンジンへと換装されることになった。ただし、開幕戦にマシン完成が間に合うのはNISMOのNo.22 MOTUL AUTECH ZとNo.23 XANAVI NISMO Zの2台のみ。開発・熟成の状況が気になるところだが、公式テストではNSX勢に食い込むタイムも出していただけに期待も大きい。


No.39 デンソー サード SC430
 そしてトヨタ系チームは6台全車がSC430となり、チーム間の競争も激化しそう。昨年はスープラでつらいシーズンを過ごしたNo.25 チーム・ツチヤとNo.39 チーム・サードの巻き返しが楽しみだ。ドライバーラインナップでの注目は、No.6 Forum Eng. SC430に新加入するビヨン・ビルドハイムだ。欧米で多くのフォーミュラを経験し、昨年フォーミュラ・ニッポンに参戦していた実力派のスウェーデン人は、昨年の第6戦鈴鹿1000kmで同チームのサード・ドライバーとして名を連ねていた。だが結局決勝では走行せず、今季は実質ルーキーといえる。そろそろ中堅として結果を出す立場の片岡龍也とコンビを組んで、どんな走りを見せるか注目したい。


GT300 Class
紫電は昨年の雪辱なるか?


No.7 RE 雨宮 RX-7
 昨シーズンのGT300クラスは最終戦の劇的決着でRE雨宮レーシングに凱歌が上がった。本当に僅差だっただけに、今季より熟成の進んだNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電は本命に昇格したと言ってもいいだろう。もちろん、ディフェンディング・チャンピオンのNo.7 RE雨宮RX-7もシリーズの主役になりうるだろうが、移籍した山野哲也の穴を井入宏之を中心にどこまで埋め、プラスにできるかが鍵になりそうだ。

No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電
 そして、1年の空白を経て帰ってきたNo.43 ARTA Garaiyaも楽しみな存在。ブランクがあったといはいえ、その実力は当時からワンランク上だっただけに今でも遜色はないはず。このほか、鈴鹿での公式テストで好タイムを記録していたNo.13 エンドレスアドバン洗剤革命 ZらZ勢の力も気になるところだ。

注目したいヴィーマック、そしてガヤルド


No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R
 また、GT300ではヴィーマックの台数が増えたことも注目に値する。昨年もNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408Rなどが2勝を挙げているだけに、一大勢力となったヴィーマック勢の活躍が他チームのポイント勘定に影響を与えると、タイトル争い自体が複雑化することもあるだろう。
 さらに楽しみな新勢力がランボルギーニのガヤルドだ。JLOCの新兵器として今季No.66/67 トリプルA ガイヤルド RG3の2台が登場。当初は、シーズン途中からの参戦と言われていたが、チームのがんばりもあって開幕戦に早くも2台ともに参戦を予定している。シーズン当初は苦しむ部分も多いだろうが、素性はムルシエラゴに負けないものを持つだけ楽しみな存在だ。ちなみに、車名の『ガイヤルド』という読みはチーム代表のこだわりからこう記されているとのこと。ランボ・ファンなら『ガイヤルド』と呼んであげてほしい。
 さて、長くなってしまったが注目マシンをもう1台だけあげたい。そう、3連覇チャンピオン山野哲也が移籍したNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサだ。大溝敏夫監督が「勝てるチームにするため」と山野を口説き、彼のチャレンジ精神が燃えたのだ。過去3年のチームと比べれば、4連覇はかなり難しいのは明白であるだろう。だが、1人のドライバーによってチームが、マシンが本当に変わるのか、そんな歴史が動くシーンがリアルに見られるのかもしれない。


No.66 トリプルA ガイヤルド RG3

No.77 クスコ DUNLOP スバルインプレッサ

※各車両の写真は公式テスト(3/2,3)時のものです。