3月17日午後、2007 AUTOBACS SUPER GT第1戦「SUZUKA GT 300km」の予選2回目が鈴鹿サーキット(三重県)で行われた。GT500はNo.8ARTA NSXの伊藤大輔、GT300はNo.13 エンドレスアドバン洗剤革命Zの影山正美が、ともにコースレコードを更新し、ポールポジションを獲得した。
□公式予選2回目 天候:晴 | コース:ドライ | 気温13度 | 路面温度23度
予選2回目は14時25分から。上空は1回目と同じくきれいに晴れ渡っていたが、風が強まり、いっそう寒さを感じる状況となった。ただし日差しはあったため路面温度は若干上がった。開始時点での気温は13度、路面温度は23度。
セッションはGT500、GT300各クラスごとの全車走行のあと、1回目のトップ10によるスーパーラップという手順で行われた。全車走行では、1回目に予選通過基準タイムをクリアしていなかったNo.70 外車の外国屋アドバンポルシェ(高見沢一吉)が、ここでもタイムアタックができなかった。また、No.66&No.67 トリプルAガイヤルドRG3は、1回目につづいてここでも走行できなかった。この3台の決勝出走は審査委員会の裁定に委ねられることになる。
スーパーラップはGT300クラスからスタート。1回目の予選上位は2分02秒台から03秒台前半をマークしていたが、ここではタイヤが温まらないのか、なかなか2分04秒を切るマシンが出てこない。ようやく2分03秒台に入れてきたのは6番目に走ったNo.43 ARTA Garaiya(新田守男)で、タイムは2分03秒503。1回目のトップ4はこれをターゲットにアタックするが、つづくNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(柴原眞介)、No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規)は2分03秒台後半に留まり、ポジションを下げてしまう。残るは1回目のトップ2。1回目に2番手だったNo.101 TOY STORY apr MR-S(大嶋和也)は、同じミシュランタイヤを使う先輩、新田を上回るアタックをみせ、2分02秒411と、1秒以上速いタイムをたたき出す。昨年の最終戦につづき、シーズンをまたいでの連続クラスポールかと思われたが、No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Z(影山正美)はさらに一枚も二枚もうわ手だった。全セクターで少しずつ大嶋のタイムを上回り、2分02秒254というレコードタイムでクラスポールを手中に収めた。
コース確認のインターバルをおいてGT500クラスのスーパーラップがスタート。ここでの焦点は、1回目にトップ4を占めたNSX勢に対し、SC430勢、フェアレディZ勢がどこまで食い込めるかということ。だが、1回目1分52秒台で8番手に留まったNo.100 RAYBRIG NSX(ドミニク・シュワガー)が1分51秒513までタイムアップしたところで勝負の行方はほぼ予想がついた。5番目に走ったNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)がライバルとは異なる走行ラインを通る渾身のアタックで1分51秒433を出し、かろうじてNo.100を上回るのがせいいっぱい。つづくNo.23 XANAVI NISMO Z(本山哲)は1分52秒は切ったもののNo.100より後ろに留まる。
こうなると残る4台のNSX勢のうち、誰がポールポジションを奪うかに焦点は移った。この4台の最初に走ったNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)は1分50秒583と、1回目のトップに迫るタイムをマーク。つづくNo.17 Real NSX(金石年弘)はこれを見て力が入りすぎたのか、若干ロスがあり1分50秒806。No.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)も、No.32にわずかにおよばず1分50秒595まで。これでNo.32のフロントローが確定する。最後に走るNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔)は果たしてこれを上回れるか。サーキット中の注目が集まる中、伊藤のアタックは圧巻だった。すべてのセクターでデュバルのタイムも、自身が1回目に出したタイムも上回り、最終的にモニターに表示された数字は驚愕の1分49秒842。もはや“ハコ"が出したタイムとは思えぬ速さだった。
ARTA NSX、伊藤/ファーマン組にとって、開幕戦鈴鹿2年連続のポール獲得。昨年は決勝で2位に甘んじただけに、明日は雪辱の一戦となる。