3月2日、鈴鹿サーキットでSUPER GT合同テストが行われた。すでにマレーシア・セパンサーキットなどでプライベートテストは行われているが、GTAによる公式テストは今季初。いまだカーボン地むき出しの暫定カラーリングの車両が目に付いた。それでも、開幕戦を2週間後に控えているとあって、各チーム熱の入った走行となった。


トラブル・スタートだったNSXとZのエース車

 1回目の走行は9時30分から開始されたが、わずか10分ほどでNo.18 TAKATA童夢NSXがオイルを吐きながらS字コーナーの先にストップ。エンジンにトラブルが発生したようで、炎が見えたため消火器が浴びせられ、走行は一時中断となった。ドライバーにはまったくダメージはなかったが、車両はその後修復に入り、このセッションでは走れなかった。また、No.8 ARTA NSXもミッションにトラブルを発生。2周しかタイム計測できなかった。

No.38 ZENT CERUMO SC430
 No.18の回収作業を待って10数分後に再開。中断前、タイミングモニターのトップにいたのはNo.38 ZENT CERUMO SC430だったが、再開後、さらにタイムを更新し、1分53秒台半ばの好タイムをマークする。これにつづいたのがNo.32 EPSON NSX。先日、今季の体制発表会を終えたばかりの真新しいカラーリングをきらめかせながら、最終的には1分53秒387までタイムを縮め、このセッションでの最速となった。
 セッション終了まで残り15分余りとなった頃、最終コーナーでNo.23 XANAVI NISMO Zがコースアウト。勢い余ってタイヤバリアに接触し、横転してしまう。幸い、ドライブしていたリチャード・ライアンは自力で脱出してきたが、クルマは大きなダメージを負ってしまった。コースアウトの原因は、前車に接近しすぎて空力的ダウンフォースが急激に減少するなど悪い条件が重なったためで、なにかトラブルが起こったということではないようだ。

順調だった午後。EPSON NSXがさらにタイムを詰める


No.23 XANAVI NISMO Z
 2回目の走行は14時30分から。ここでは多くのクルマが1分54秒台から55秒台で周回を重ね、タイヤやマシンの確認を行っていく。午前中、No.23をクラッシュさせてしまったNISMOは、No.350として走らせていた開発車両のゼッケンをNo.23に貼り替えてテストを続行。1分53秒631で、このセッション2番手に相当するタイムをマークする。1回目にトラブルに見舞われたNo.8 ARTA NSX、No.18 TAKATA童夢NSXもこのセッションは無難に走行を重ね、それぞれ1分54秒台前半までタイムを縮めてみせた。また、1回目にトップタイムをマークしたNo.32 EPSON NSXはここでも好調。最終的に1分53秒110までタイムを縮め、ここでもトップに立った。一方、SC430勢ではNo.38 ZENT CERUMO SC430とNo.1 白天宝山TOM'S SC430がこのセッションでの3、4番手となった。
 1日トータルではNo.32 EPSON NSXがトップ、No.38 ZENT CERUMO SC430が2番手、No.23 XANAVI NISMO Zが3番手と、トップ3を異なる3車種が占めた。以下の順位も各車種が交互に並び、タイムも近接。今季も開幕戦から接戦が繰り広げられることを予感させた。



No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Z
GT300はドライバー・オーディションのチームも

 GT300クラスでは、No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Zが1回目に2分04秒384のベストタイムをマーク。2回目にもこれを上回るところはなく、1日トータルでもトップとなった。2番手はNo.46 富乃宝山DUNLOP Z。今季、オーバーハングを延ばすなど空力面での改良を施してきたフェアレディZ勢が、その成果を示す結果となった。3番手に入ったのはNo.43 ARTA Garaiya。久々の登場となったガライヤだが、速さに衰えはないようだ。
 今季初登場となるNo.66 トリプルAガイヤルドRG1はマシンの完成が遅れ、ピットガレージで組立作業を行っている状態。この日は走行することができなかった。
 なお、ドライバーが正式発表されていないNo.19 ウェッズスポーツセリカは、この日は菊地靖、飯田章、長島正興らがドライブ。また井入宏之のパートナーが決定していないNo.7 RE雨宮レーシングは折目遼、下山征人らが乗った。


No.43 ARTA Garaiya

No.66 トリプルAガイヤルドRG1

Comments

中嶋悟監督/No.32 EPSON NSX(GT500クラストップタイム)
トップタイムといっても、他のチームが何をやっているかわかりませんからね。ウチとしては、想定タイムよりはちょっと遅いけれど、順調には来ています。開幕がもう2週間後に迫っていますから、予選、決勝それぞれを想定して、いろいろなメニューを試しています
影山正美/No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Z(GT300クラストップタイム)
昨年のクルマと中身は一緒で、空力だけ変えてきたというところ。それにあわせていろいろと微調整をしています。今日はタイヤ選びと、それにあわせたセッティングをいろいろ試していました。他と比べてどうかはまだなんともいえませんが、自分の中ではまずまず順調に来ているとは思います