3月3日、SUPER GT公式テストの2日目が三重県・鈴鹿サーキットで行われた。テスト最終日だけに各車精力的に走行をくり返し、目前に迫った3月17、18日の開幕戦鈴鹿への準備を行っていた。


ARTA NSXがセッション序盤に最速タイムを記録


No.18 TAKATA 童夢 NSX
 うす曇の中、ところどころに青空が顔を出した午前9時、2時間に渡るセッション1回目がスタート。気温10度、路面温度14度という比較的穏やかなコンディションのもと、開始から15分過ぎに早速No.8 ARTA NSXが1分52秒081をマーク。前日のトップタイムを更新したのはもちろん、昨年自らが出した鈴鹿サーキットのコースレコード『1分52秒663』をも上回ってみせた。結果的にこのタイムが2日間の総合トップタイムとなったのだが、初日にミッショントラブルが発生し、思うようなセットアップ作業が出来なかったこともあり、「タイムだけ見て、やったー!というものではない」と伊藤大輔の表情は硬いままだった。
 このセッションでは序盤にコースアウトしたマシン回収のため、一度赤旗中断となったが、以後順調に走行を消化。No.8 NSXに続き、No.18 TAKATA童夢NSX、No.100 RAYBRIG NSXが僅差でつけ、NSX勢がトップ3を独占した。また、SC430勢ではNo.38 ZENT CERUMO、Z勢ではNo.22 MOTUL AUTECH Zがそれぞれトップタイムをマークしている。なお、昨日、コースアウトによりクルマにダメージを負ったNo.23 XANAVI NISMO Zは、昨日の午後同様、開発車輌だったNo.350のマシンをNo.23として走行を続けた。

トラブルが続いた午後のセッション

 走行2回目は午後2時から。気温17度、路面温度20度からのスタートとなった。序盤こそSC430勢が上位につけていたが、それも束の間。NSX勢が代わるがわるリーダーボードのトップに名を刻んでいった。
 そんな中、1時間を過ぎ、No.12 カルソニック インパルZが逆バンク手前でクラッシュ。左リアにダメージを負った。さらに、No.18 NSXがセクター1で総合トップタイムをマークした矢先、デグナー2つ目でコントロールを失ってコースアウト。幸い、ダメージは少なく、マシンチェック後に走行を続けた。
 セッション終盤になっても気温15度、路面温度21度と想定以上のコンディションのせいか、結局トップタイムの更新は見られず。だが、今季から参戦するNo.17 REAL NSXがタイムアップを果たしたため、NSX5台が上位を独占。No.38 SC、No.23 Zがこれに続いた。



No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Z
新鋭コンビのMR-Sが午前のトップタイム


No.31 apr
 GT300クラスでは、チームによっては引き続きドライバーオーディションを行っていた。午前はまず大嶋和也/石浦宏明という今季SUPER GT参戦2年目&ルーキーというフレッシュコンビが駆るNo.31 aprが2分04秒727のタイムでトップに立ち、昨日クラストップだったNo.13 エンドレスアドバン洗剤革命Zが2番手につけた。
 午後は、待望のNo.66 トリプルAガイヤルドRG1がついに勇姿を披露。僅か4周の計測に留まったが、存在感を見せつけた。タイム争いでは、ディフェンディングチャンピオンのNo.7 RE雨宮レーシングが好位置につけていたが、終盤になって、No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Zが、自己ベストを更新。前日に引き続きトップに立った。
 なお、No.19 ウェッズスポーツセリカは前日のドライバーに加え、新たに関口雄飛が参加した。


No.7 RE雨宮レーシング

No.66 トリプルAガイヤルドRG1

Comments

伊藤大輔/No.8 ARTA NSX(GT500クラストップタイム)
昨日はトラブルでほとんど走れてなかったので、(昨日の)最後15〜20分で出たデータをもとに今日はセット変更しながら走りました。コンディションのいいときにたまたま出たタイムだと思います。クルマのバランスも完璧なわけでもなかったし。合同テストでは自分たちだけのバランスを見るには厳しい状態なので、本当は、その中でロングランなどのタイヤテストをしたかったのですが、(トラブルなどで)時間がなくて。結局、クルマのセットなど決める時間もなくタイヤテストしてました
影山正美/No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Z(GT300クラストップタイム)
午後は乗ってません。ずっと藤井を乗せたかったので。今週やってきたセッティングなどのメニューを消化して、出来上がったものを藤井に乗ってもらいました。ドライに関してはすごくいいものができています。開幕に向けて、今回持ってきた部分の中ではいいテストができたと思います
藤井誠暢/No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Z(GT300クラストップタイム)
基本的に今年は見た目も含めてクルマが代わっているのですが、正美さんがやってくださったセットで、ボクがニュー(タイヤ)でアタックを練習する時間をもらいました。クリアが取れて、タイムも出ました