4月8日、岡山国際サーキット(岡山県)で2007 AUTOBACS SUPER GT第2戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝レースが行われた。GT500は予選2位からNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組)が事実上トップを譲らず勝利。GT300はNo.101 TOY STORY Racing apr MR-S(大嶋和也/石浦宏明組)が優勝した。



決 勝 天候:曇 | コース:ドライ

GT500 Class


 決勝レースは14時スタート。午前中晴れ渡っていた空は雲に覆われ、グリッド上ではウェットタイヤを用意するチームの姿も。だが、雨が落ちてくることはなかった。開始時点での気温は18度、路面温度は25度と、この週末で最も高くなった。

 スタート直後の1コーナー、3番グリッドからジャンプアップを狙ったNo.1 宝山TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)がインをつく。ポールスタートのNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍)はアウト側のラインを通るが、スピンを喫し、コースアウト。クラス最後尾まで落ちてしまう。2台の接触があったようで、No.1にはドライビングスルー・ペナルティの裁定が下った。これでNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)がトップに浮上。予選4番手のNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)も順位を下げ、2番手No.100 RAYBRIG NSX(ドミニク・シュワガー)、3番手No.22 MOTUL AUTECH Z(ミハエル・クルム)の順で1周目を終える。No.8は1分24秒台を連発。1分25秒台に留まる後続をどんどん引き離していく。


No.100 RAYBRIG NSX
 20周目、5番手走行中のNo.23 XANAVI NISMO Z(本山哲)が突如スローダウン。おそらく電気系のトラブルだと思われるが、エンジンがストップしてしまい、そのままコースサイドにマシンを止めざるをえなかった。No.23にとっては、昨年につづき2年連続での岡山の悲劇となった。

 その後、白熱したのは7位争い。No.39 デンソーサードSC430(アンドレ・クート)とNo.12カルソニックインパルZ(星野一樹)、No.35 BANDAI DUNLOP SC430(ピーター・ダンブレック)が、ときにコーナーで順位を入れ替えながらのバトルとなる。三者ともフェアプレーに徹しながら一歩も引かない争いは見ごたえがあったが、30周を終えてNo.35がピットに戻ったところでひとまず休戦となった。
 このあたりから上位陣が続々とピットイン。No.22は33周目(クルム>松田次生)、No.100は34周目(シュワガー>細川慎弥)にピット作業を終える。トップのNo.8は34周を終えてピットに戻り、伊藤大輔に交代。同じ周にNo.32(デュバル>ファビオ・カルボーン)もピット作業を終えている。


No.22 MOTUL AUTECH Z
 No.8は、全車がピットを終えたところで再びトップに復帰する。この時点で2番手No.100との差は約8秒。その直後にはNo.32とNo.22が迫っていたが、No.32とNo.22がバトルを繰り広げるあいだに、少しずつ差を広げていった。
 No.32とNo.22のバトルに決着がついたのは51周目。レッドマンコーナーでNo.22がNo.32をパスし、3番手に復帰する。No.22は、その後No.100との差も詰めていき、57周目のヘアピンで、ついに2番手に浮上する。
 だが、No.22の猛追もここまでだった。77周目のアトウッドカーブでコースアウトしかかり、大きくタイムロス。その間にNo.100に抜き返されてしまう。レース後の松田のコメントによれば、後方集団に引っかかったとき、周回遅れにされる側との呼吸が合わなかったようだが、いずれにしてもこれでラクになったのはトップを行くNo.8だった。

 82周を終えチェッカー。開幕戦鈴鹿では最終ラップでストップするという悲劇に見舞われてしまったNo.8 ARTA NSXだが、この日は最後まで何のトラブルもなく快走。鈴鹿の仇をみごと岡山で討ってみせた。2位はNo.100 RAYBRIG NSX。いったんはNo.22に抜かれるなど細川にとっては反省材料が残ったものの、その後は大きなミスもなく、うれしい今季初表彰台となった。3位No.22 MOTUL AUTECH Zは、ゴール後、悔しさを隠し切れないようすだったが、No.23 XANAVI NISMO Zがリタイアに終わってしまったNISMO陣営にとっては、最悪の結果は免れることができた。
 4位No.32 EPSON NSXをはさみ、No.1 宝山TOM'S SC430の5位がSC430勢最上位。序盤のペナルティで大きく順位を下げたが、その後ロッテラーが猛烈な勢いで挽回。後を受け継いだ脇阪寿一もすばらしい追い上げをみせた。今回がラストランになる予定のフェアレディZターボは、No.12 カルソニックインパルZが8位に入賞している。