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2007 AUTOBACS SUPER GT Round3

プレビュー

2007-04-27

今年のSUPER GTを読み解く1戦
前半戦の超難関!富士500kmを攻め落とせ!!
マシン、ドライバー、戦略。勝負の鍵は総合力!?

 5月3、4日、富士スピードウェイ(静岡県)で2007 AUTOBACS SUPER GT第3戦「FUJI GT 500km RACE」が開催される。新緑も輝き出す時期の富士の麓で、迫力のマシンがホットなバトルを繰り広げ、楽しいイベントが連続する。ゴールデンウィークの目玉イベントとして要チェックになるはずだ!


シリーズ唯一の500kmレースをどう戦う?


No.38 ZENT CERUMO SC430
 この「FUJI GT 500km RACE」は、その名の通り決勝距離500kmのレースである。シリーズの大半を占めるのが300kmのレースで、各チームこれはもうお手のもの。そして第6戦は1000kmとなり、これは耐久戦の戦い方と言えよう。今回の500kmレースは、今季もこの1回だけ、距離も中間的だけに戦い方も非常に難しい。攻めで走るか、耐久のように戦略を凝らすか。各チームの出方に注目だ。
 500kmレースであると、通常は2回のピットインが必要だ。このため、2人のドライバーをどういう順番で乗せるかも勝敗を左右する。また、GT300クラスでは周回ペースを落として、あえて1回ピットインという作戦を採るチームもありうる。そしてタイヤは何回、何本替えるのか? チーム監督になった気分で、ひいき、そしてライバルの戦略を予想してみるのも楽しいだろう。


超高速コース富士をいかに攻略するか?

 ここ富士スピードウェイは約1.5kmという長いストレートを持ち、超高速コースとして世界的にも知られている。それだけに昨年はライバルをしのぐ高速性能を生かしたSC430(No.35 BANDAI DIREZZA SC430/当時)が優勝を果たした。もちろん、今年もSC430勢が本命的存在になりうるだろう。昨年の勝者No.35 BANDAI DUNLOP SC430、2006年チャンピオンのNo.1 宝山 TOM'S SC430、そして忘れてならない富士4勝という強さを誇るNo.38 ZENT CERUMO SC430。トヨタのお膝元である富士で必勝を期すSC430のライバルは、同じSC430かもしれない。

No.23 XANAVI NISMO Z
 とは言え、今季はライバルのフェアレディZ、NSXもスピードを増し、SC430の独壇場に待ったを掛けようとしているのだ。
 まずフェアレディZ勢では、NISMOの2台だけでなく、No.3 YellowHat YMS モバHO ! TOMICA Z、No.12 カルソニック インパル Z、No.24 WOODONE ADVAN Clarion Zの3台も第3戦より新エンジンを積み、トップスピードがグンと向上した2007年型ニューマシンとなる。この中でも富士を得意とするブノワ・トレルイエの乗るカルソニックインパルZは要注意、いや優勝候補とも言える存在になりそうだ。もちろん、開幕戦から新型を使いデータも豊富なNo.23 XANAVI NISMO Zも、前戦でマシントラブルからリタイヤしているだけに名誉挽回の激走を見せてくれそうだ。

No.18 TAKATA童夢NSX
 そして、早くも今季最速ともウワサされるNSX勢。これまでトップスピードはライバルに差を付けられていたNSXだが、今季はその差を大きく詰め、遜色ないと言える状態だ。前戦接触もあって下位に沈んだNo.18 TAKATA童夢NSX、富士で不利と言われたNSXで昨年の第9戦を制したNo.32 EPSON NSXも十分対抗馬、いや本命を付けられる存在だ。


GT300は富士得意のポルシェ、ヴィーマック、それとも?


No.26 ユンケルパワー タイサン ポルシェ
 GT300クラスで超高速コース富士を得意とするのは、高速性能に優れるポルシェ911GT3Rとヴィーマックだ。まずはNo.26 ユンケルパワー タイサン ポルシェ。ル・マン24時間での上位入賞と言う実績もあるチームだけに、500kmという距離もプラス材料になりそう。そして最新型のGT3Rを使うNo.33 HANKOOK NSC PORSCHEも注目の1台と言えよう。ヴィーマックでは昨年の第3戦を制しているNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R、さらに耐久レースの経験豊富なノバ・エンジニアリングのNo.4 EBBRO 350Rも気になるところ。

No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R
 また、今季好調のZ勢ではNo.46 宝山DUNLOP Zあたりが奮戦しそうだ。第2戦を制したNo.101 TOY STORY apr MR-Sも勢いがあり、ウェイトハンデはあるもののレース展開では上位に食い込む可能性は十分あるだろう。
 他にも苦戦が続くNo.43 ARTA GaraiyaやNo.19 ウェッズスポーツセリカ、昨年のチャンピオンNo.7 RE雨宮RX-7も一クセあるチームだけに巧みな戦略で勝ちを争うことも十分あるだろう。
 この富士でNo.110 GREENTEC KUMHO MAZIORA BOXSTERは、新設計のニューマシンを投入する。これも期待のマシンと言えよう。さらにV12のNo.87 マルホン ムルシェRG-1、No.88 アクティオ ムルシェRG-1もそのパワーを生かして上位に進出するかも。


 毎年富士の500kmはその難しさゆえに“波乱”が起こることが多い。予選・スーパーラップも、そして決勝レースも3時間まるまる見ごたえあるレースになることは、間違いないだろう。