3月27日、静岡県の富士スピードウェイで2007 AUTOBACS SUPER GT公式テスト1日目が行われた。この日は午前と午後各2時間の走行があった。平日ながら学校は春休みとあって、富士のパドックには多くの家族連れの姿が見受けられた。


Session 1 天候:曇 | コース:ドライ | 気温12度 | 路面温度13度

 曇り空ながら薄日の差す中、午前9時30分から2時間の予定で最初のセッションが開始。今年初めてファンの前に姿を現したのが、真っ白な姿のNo.99 NSXテスト車両。NSXのシャシー開発を担う童夢レーシングの中村卓哉監督は「8号車や18号車のレースカーは目の前のレースのセッティングを行うのに対して、99号車はそれよりも車両の開発データを採る目的で走らせました。去年32号車が勝ちましたが、NSXにとって富士は苦手なところですが、レースが2回開催されるとコースだけに(テスト車を)走らせることにしました」と真意を語った。No.99には黒いカーボン地のままのエアロパーツも装着され、超高速コース攻略への意気込みを感じさせた。

 走行の方では、開始45分ほどでNo.1 宝山TOM'S SC430のA.ロッテラーが1分34秒978のトップタイムをマーク。開始1時間でコカ・コーラ コーナーにストップしたマシンを回収するため中断となるが、5分ほどで再開。
 この後No.1は34秒659までタイムアップし、これが午前のトップタイムとなった。2番手にNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔)が35秒913で入り、3番手にNo.39 デンソーサードSC430(A.クート)が35秒229でつけた。No.99 NSXテスト車も小暮卓史のドライブで5番手となった。終了時点では気温17度/路温18度まで上昇していた。

 GT300クラスは、No.26 ユンケルパワー タイサン ポルシェが得意の富士というだけに、山路慎一が1分42秒986のトップタイムをマーク。午前は走行せず、山路の走りを見守った谷口信輝は「(ポルシェは)直線番長なんで富士は唯一チャンスがあるところ。ここしかいいところを見せられないから、いきたいですねぇ」と富士でのチャンスに期待を掛けていた。


No.1 宝山 TOM'S SC430

No.99 NSX テスト車両


No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R

Session 2 天候:曇 | コース:ドライ | 気温17度 | 路面温度18度

 第2セッションの始まる午後2時30分には気温は17度まで上がるが、曇り空の下で吹く風が強く、気温以上に体感的な寒さがあった。

 開始35分過ぎの段階では開幕戦の優勝者、No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)が1分34秒354と、早くも午前のトップタイムを上回ってきた。2番手には道上龍がドライブするNo.99 NSXが34秒455で続く。
 開始50分ほどでNo.23 XANAVI NISMO Zの本山哲が1分34秒464を記録して、2番手に浮上。そこから20分でNo.23は34秒243とさらにタイムを刻み、走行残り15分で1分33秒857の今日のベストをマーク。柿元邦彦NISMO総監督が豪語した『07年のZは直線番長』の言葉が、日本一の高速コースでまずは実証されたようだ。

 今日の2番手タイムはNo.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)の33秒876。No.23とNo.18のみが、33秒台に突入した。3番手にはNo.38 ZENT CERUMO SC430が34秒354で付け、SC430のトップ。テストとは言えホームコースの富士だけに、約コンマ5秒差が付いた3番手は少々もの足りなさを感じる結果だった。

 GT300クラスの午後は、こちらも富士を得意とするNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408Rが序盤で1分42秒682をマーク。開始から約1時間でNo.62は柴原眞介のドライブで1分42秒214まで刻み、これをこの日のトップタイムとした。なお、No.88 アクティオ ムルシェRG-1が今日のテストで1分39秒台を記録したが、こちらはル・マン仕様のセッティングゆえのタイムだった。
 GT300でも白いボディが輝く気になるマシンが走行。No.33 HANKOOK NSC PORSCHEだ。No.33は最新のレーシング・ポルシェとなる997。この到着が間に合わず、開幕戦は欠場。そして、この日がシェイクダウンとなった。「FIA-GTのクルマですごく重いし遅い。GT3とはまったく違うクルマですね。第一印象としては足回りの動きがすごく良い。サスペンションでメカニカル・グリップを出してやる方向にすればすごくいいと思います。大きなトラブルはないんですが、タイヤも煮詰めないといけないですしね」とはエースの木下みつひろ。シェイクダウンでありながら、9番手というタイムを記録するあたり、やはりポルシェは侮れない存在であり、今後の活躍が期待される。


No.26 ユンケルパワー タイサン ポルシェ

No.33 HANKOOK NSC PORSCHE

Comments

本山 哲/No.23 XANAVI NISMO Z(GT500クラストップタイム)
2007年型Zがまともに(富士を)走るのは今回はじめてで、テストとはいえトップタイムが出せ、パフォーマンスも確認できた。鈴鹿で07モデルで初レースをやって出た細かいところを、バージョンアップしてきました。今日はテストで、(ライバルの)各車も(タイム度外視で)いろいろやってるだろうけれど、そんな中でも日産のクルマがトップを取れたのは嬉しいですね。ストレート重視でダウンフォースを少なくしてスピードを確保する方向にしてます。鈴鹿も良い出だしだったし、これからポイントをきちんと増やしていきたい。ここ、富士でも勝てることを目標にやりたいね
柴原眞介/No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(GT300クラストップタイム)
今日はタイヤテストを何種類かやってみました。ニュータイヤを結構試せて、明日ロングをやって保つかどうか判断します。ベストタイムといっても喜ぶべきタイムではないでしょう…。No.43(ARTA Garaiya)なんかロングやりながら、ウチと同じようなタイムが出ていますからね。No.43もZもどんどん進化してる。ヴィーマックも速いイメージはあるんですが、コンセプトが古いクルマなので、今年はチームにお願いして新しい試みもチャレンジしたいですね