3月15日午前、2008 AUTOBACS SUPER GT開幕戦「SUZUKA GT 300km」の予選1回目が鈴鹿サーキット(三重県)で行われた。GT500はNo.23 XANAVI NISMO GT-Rのブノワ・トレルイエ、GT300はNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電の加藤寛規が暫定のポールポジションとなった。


Qualifying Session 1

公式予選1回目 天候:晴 | コース:ドライ | 気温13度 | 路面温度20度

 予選1回目は10時から始まった。雨にたたられた前日から一転、真っ青な空の下でのスタート。風はやや強いものの、絶好のアタック日和となった。開始時点での気温は13度、路面温度は20度。

 最初の20分間はGT300クラスの専有。各チーム、まずはセッティングの確認とタイヤのウォームアップのためにコースイン。いったんピットに戻ってタイムアタックが始まる。徐々にタイムが上がってきた10時15分ころ、130RでNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC 408R(柴原眞介)がコースアウト。スポンジバリアに激しくヒットし、ただちに赤旗中断となる。タイムアタックに入った周で、流れ出したリアを抑えようとして逆に振られ、コースアウトしてしまったようだ。柴原はその後、精密検査を受けるために病院に搬送された。
 約15分後、専有時間残り5分で再開。その後は激しいタイムアタック合戦となり、そこからNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規)が2分05秒211で抜け出してトップに立つ。2番手はNo.7 ORC雨宮SGC-7(井入宏之)、3番手はNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝)と横浜ゴム勢が上位を占めたところで専有時間終了となった。

 つづく20分間はGT500クラス専有。GT300クラス同様、各チームともセッティング確認とタイヤのウォームアップを済ませた後、アタックのタイミングを計る。本格的なアタック合戦が始まったのは専有残り時間5分を切ってから。No.23 XANAVI NISMO GT-R(ブノワ・トレルイエ)がマークした1分51秒542をターゲットに、各チーム渾身のアタックに入る。No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生)は1分52秒378で2番手、No.36 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)は1分52秒705で3番手。
 残り2分、No.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム)が大きくタイムアップし3番手に飛び込むと、さらにもう1周アタックを継続して1分52秒165をマーク。このセッションでのNISMOの1-2、さらにNo.12を含め、GT-R勢の1-2-3を決めた。

 最後の20分間は両クラスの混走。GT500クラスではここでタイムアップする車両はなく、3台のGT-Rを筆頭に、No.36、No.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)、No.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)、No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)、No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)、No.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)、No.100 RAYBRIG NSX(井出有治)の10台がスーパーラップ進出を決めた。
 GT300クラスでは、No.66 DGRQムルシェRG-1(山西康司)、No.110 KUMHO BOXSTER-GT(光貞秀俊)が混走時間帯にタイムアップ。この結果、No.2、No.7、No.26、No.81ダイシンADVAN Z(青木孝行)、No.43 ARTA Garaiya(新田守男)、No.66、No.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹)、No.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ(山野哲也)、No.19ウェッズスポーツセリカ(織戸学)、No.110の順でスーパーラップ進出を果たした。
 No.87 アクティオガイヤルドRG-3とNo.88 DGRQガイヤルドRG-3の2台は書類不備のため車検を受けられず、このセッションでは走行しなかった。
 なお、終了後にNo.19 ウェッズスポーツセリカは安全規定に反するドライブ行為があったとしてベストタイム抹消のペナルティが科された。ただし、セカンドベストのタイムでスーパーラップ圏内には残った。


No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電

GT500 クラス | 予選1回目トップ
ブノワ・トレルイエ/No.23 XANAVI NISMO GT-R
路面のコンディションは思っていたほど悪くなかった。風が強くて130Rを全開で行っても大丈夫かどうかわからなかったけど、コース上に留まれたからOKなんじゃないかな(笑)。タイヤをうまく使えたし、他のドライバーよりはマージンを削って走っていたのかもしれない。マイケル(クルム/No.22 MOTUL AUTECH GT-R)も次生(松田/No.12 カルソニックIMPUL GT-R)も、きっと僕と同じぐらいのタイムを出せたと思うよ。だけど、いいタイミングでタイヤを使えなかったんだろう。そういう意味で僕はラッキーだったんだと思う。いずれにしても、午後になればタイム差は縮まるだろうね。スーパーラップでの目標は“コースの上に留まること"(笑)。ポジションとしてはトップ4以内に入れればいいと思っている。GT-Rがポールを獲れればいいと思うし、それが自分だったらいいなとは思うけど、開幕戦からプッシュし過ぎるのは良くないし、マージンを残して走るように努めたい。でも、それが僕にとっては難しいことなんだよな~(笑)
GT300 クラス | 予選1回目トップ
加藤寛規/No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電
ちょうどタイヤが温まって“これから行こう"という時に赤旗が出て、タイヤとしては一番おいしい状態でピットに戻ったんです。再開後にコースインしたのが最初だったので、クリアラップも取れたし、もうタイヤのグリップが来ているのはわかっていたので、安心して1周目から踏んで行けたんです。今年ヨコハマさんが作ってきてくれたタイヤはいいですね。ただ、去年と同じような天候を予想していたので、気温が高くなるのがちょっと心配ですけど、予選で前にいられればレースになるかな、と思っています。タイムに関しては、まだ周りが出していないだけだと思いますよ。でも、スーパーラップでの目標はポールです。紫電は(ストレートが)遅くて、前に他のマシンがいるとなかなか抜けないんで、できるだけ前からスタートしたいんです