3月1日、SUPER GT今シーズン初の公式テスト2日目が、三重県・鈴鹿サーキットで行われた。初日につづき、各チームとも精力的に走行。開幕戦に向けてのデータ収集に余念がなかった。


Session 3

セッション3 天候:晴 | コース:ドライ/ウェット | 気温:7度 | 路面温度:9〜13度

ラスト5分でRAYBRIG NSXがトップタイムを記録

 1回目の走行は9時から。この日の鈴鹿は早朝から雨に見舞われた。開始直前に雨は上がったものの、路面はなかなか乾かず、各チームともウェットタイヤで走行を開始した。開始時点での気温は7度、路面温度は9度。

 開始から10分ほど経った頃、逆バンク付近でNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔)がコースアウト。マシンにダメージはなかったが車両回収のため赤旗中断となる。マシンがピットに戻った後、再開。
 その後は中断につながるようなアクシデントはなく、各チーム、淡々と走行を重ねていく。ウェットタイヤのテストやこのコンディションでのデータ収集が主な目的となったようで、ラップタイムはGT500クラスの上位でも2分04秒台に留まった。昨日、マシンをクラッシュさせてしまったNo.1 ARTA NSXをはじめ、このコンディションでは走行しないチームも多かった。

 セッションが進み、走行を重ねるに連れて徐々にライン上は乾いていった。終盤には路面温度も13度(気温10度)が、各チームがドライ用タイヤに履き替えたのは残り時間が5分を切ってから。まずはNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)が1分54秒台を出すと、すぐにNo.12カルソニックIMPUL GTR(松田次生)がこれを上回る。さらにチェッカー周でNo.100 RAYBRIG NSX(細川慎弥)が1分53秒865をマークし、これがこのセッションでの最速となった。なお、No.1は、路面が乾いてきたところでも走り出さず、けっきょくこのセッションでは走行しなかった。


No.36 PETRONAS TOM'S SC430

 GT300クラスでは、序盤の路面が濡れている間にはNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサが最速。全天候に強いAWD(四輪駆動)の特性を生かし、一時はGT500を含めた順位でも10番手以内に名を連ねていた。最後に路面が乾いてきたところではNo.81フェアレディZ(青木孝行)が2分06秒809をマークしトップに浮上。2番手には2分08秒904でNo.7 ORC雨宮SGC-7(井入宏之)が続いた。



No.87 LAMBORGHINI MURCIELAGO
Session 4

セッション4 天候:晴 | コース:ドライ | 気温:9度 | 路面温度:13度

最終セッションで各車一気にタイムアップ!

 2回目の走行は13時47分から、予定より約2分遅れて始まった。上空にはときおり黒い雲が流れるものの、青い部分のほうが多く、路面もドライというまずまずのコンディション。開始時点での気温は9度、路面温度は13度だった。

 このセッションでは、レースが赤旗で中断された場合を想定したシミュレーションが行われた。セッションが始まって数分経ったところで予定どおりSUPER GTオフィシャルセーフティカー(SC)が入り、ホームストレート上でいったん停止してクラス別に隊列を整え、SCの先導で再スタート。ところが、隊列走行が始まったところでNo.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)がスローダウン。1コーナーのイン側にマシンを止めてしまう。SCに率いられた隊列はそのまま走行を続け、その間にNo.1はピットまで押し戻された。
 SCがコースを離れたあとは通常走行に戻ったが、開始から30分余り経ったとき、2コーナーでNo.100 RAYBRIG NSXスピンしコースアウト。車両回収のために赤旗中断となる。10分余りで再開されるが、数分後に今度はNo.39 DENSO DUNLOP SARD SC430がコースアウト。ふたたび走行が中断される。  約10分ほどで再開。その後は目立ったアクシデントなどはなく、各チームそれぞれのテストメニューをこなしていく。ただし、1回目のセッションでマシンを小破してしまったNo.35 宝山KRAFT SC430はこのセッションでは走行しなかった。

 残り時間が少なくなった15時30分過ぎから、徐々に予選を想定したタイムアタックに入るチームが出始める。前日は1分53秒台がベストタイムだったが、このセッションではまずNo.17 REAL NSX(金石年弘)が1分52秒812をマーク。1分53秒の壁を突破してくる。つづいてNo.12カルソニックIMPUL GTR(松田次生)が1分52秒720をたたき出し、これを凌駕。前日トップのNo.23 XANAVI NISMO GT-R(ブノワ・トレルイエ)もこのタイムに挑むが、1分52秒805とわずかにおよばなかった。最後、No.36 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)が1分52秒981で4番手に飛び込んできたところでチェッカー。けっきょく、No.12松田が出した1分52秒720が、今回のテスト2日間を通算してのトップとなった。No.23 トレルイエがこれにつづき、ニューマシンGT-Rがテストでの1−2。NSX勢のトップはNo.17 REAL NSX、SC430勢ではNo.36 PETRONAS TOM'S SC430が最速だった。なお、SC走行中にストップしたNo.1 ARTA NSXはその後、走行に復帰。コースアウトを喫するシーンもあり、タイム的には下位に留まったものの、大きなトラブルではなかったようだ。


No.17 REAL NSX

 GT300クラスも、やはり終盤に各チームがラップタイムを上げ、最終的にNo.87 ムルシェRG-1(山西康司)が出した2分05秒441がこのセッションでのトップタイム。これは2日間の通算でもベストとなる。さらにNo.46 MOLA Z、No.7 ORC雨宮SGC-7、No.81 フェアレディZまでの4台が2分05秒台をマーク。こちらもGT500クラスに負けず劣らずの混戦状態を呈している。
 なお、1回目の終盤に130Rでコースアウト、マシン後部を小破したNo.43 ARTA Garaiyaと、ギアボックスのトラブルに見舞われたNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサは、このセッションでは走らなかった。


No.46 MOLA Z

No.7 ORC雨宮SGC-7

Comments
松田次生/No.12 カルソニックIMPUL GTR(GT500クラストップタイム)
トップタイムといっても、周りはまだ三味線を弾いている感じもあるし、とくに18号車なんてあんなに遅いわけがないので、本番は、予選でも決勝でもあと1秒上げないと勝ち目はないと思っています。クルマに関してもまだ満足はしていません。ただ、今日もニュータイヤでのアタックを2セットやって、アタックにはだいぶ慣れました。フォーミュラと違って車重が重いので滑り出したら止まらない怖さがあるのと、タイヤがグリップしているかどうかがつかみづらいので、その点はまだまだですね。それでも、岡山(でのNISMO主催テスト)、ここと続けてトップで終われたことは、気持ちはいいです。
山西康司/No.87 ムルシェRG-1(GT300クラストップタイム)
昨年の最終戦からエンジニアが代わって、手探り状態だったんです。まだまだ詰めなきゃいけないところが山積みだったんですが、最後はうまくまとまってタイムが出ました。ボク自身はちょっとミスはあったんですが、目いっぱい行きました。トップだとは思わなかったんですけどね。周りのチームは目いっぱい行っていないところもあるようなので、本番はどうなるかわかりませんが、ウチとしては調子はいいので、このまま本番に臨めれば、と思っています。テストでトップというのは記憶にないですね。